僕の、場所。
今日の僕は誰だろう。
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僕の親友の話を。
彼はとてもおもしろい人間だ。 が、最大の魅力はそのまま最大の欠点にも繋がっている。 彼は、挫折を知らないのだ。
だから自分を信じている。 自分の能力やセンスを信じている。 自分は必ず成功するだろうと信じている。
が、挫折を知らないということは、逆境に弱いということだ。
逆境に立ったときに挫折するわけじゃない。 挫折するほどの事を、しない。逃げている。 ちゃんと全力で立ち向かえばできるはずだ、と信じる一方、 その環境が整っていないと嘆く。 立ち向かえばいい。全力でみっともなく抗って、 それでもどうにもならない現実に挫折してみればいい。 「やればできる」は、やってない人間の言い訳だ。 じゃあ、何故やらないんだ。やりゃーいいだろう。 やらないのは、できないのと同じ結果だ。 誰もお前に「やるな」なんて言ってないんだ。 「やらない」を選んでるだけだ。 「やってみて、できなかった」方が、はるかに評価できる。
挫折を知らない、ある意味で純粋なところが輝きの源なのかもしれない。 けれど、最近の彼はあまりにも守りに入りすぎている気がする。 そんな状態で、何に文句を言ったところで、お前は輝かないのにな。 残念なことだ。 自分で痛感してみないと分からないんだ。越えてみろ。越えろ。 見届けてやるから。
自分に自信がなくて、 自分の事が嫌いで、 他人には容易いことも自分にはできなくて、 むしろ自分に出来ることなんか一つもない、 それが当たり前の僕は、彼に惹かれてしまうけど。 それでも僕が彼に勝るのは、打たれ強さ。 挫折が怖くない。そんなもの、当たり前だからだ。 できない、ぐらいのことは怖くない。それくらいで普通だ。 やらない、を選ぶほうが怖い。
やりたい事をやるだけだ。 出来なくても、上手くいかなくても、そんなの当たり前だ。 出来るようになるために、まだまだ上があるだけだ。 その頂点には手が届きそうになくても、目を逸らさなければいい。 だから、僕はもう挫折しない。 健康に生きていられるだけで、奇跡かもしれないんだから。
ここに来るまでに、どれだけの未来を諦めたか分からない。 きっと僕の親友には僕の立ち位置が分からない。 望みを絶たれたあとに、何が見えるか、彼は知らない。 僕が強いのは、弱さを知っているからだ。
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