'ゃッぱ・頭、変っすか。
'ゃッぱ・頭、変っすか。
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『To Tell The Truth』 (Charls Robert Jenkins)、訳:伊藤 真 角川書店版、 2005年10月15日、初版発行
「いま、すべての真実を語ろう――」
北朝鮮からの帰還者が初めて長い沈黙を破る衝撃の手記
韓国駐留の米軍兵だった彼が北朝鮮へ渡った理由、曽我ひとみさんとの運命の出会い、拉致の実態と他の被害者の消息、等々…。 沈黙を破り、すべてを明らかにするノンフィクション。
私もあきらめていた―――娘たちはやがて工作員になり、数年後には二度とあえなくなるかもしれない。 そして ひとみと私は二十年近くそうしてきたように、変りばえがしない日々を送っていくのだ。 립손리に住み、畑を耕し、あるのは互いの存在だけで、それを最大限に生かして暮していくのだ。 そして北朝鮮で死ぬ。それは100%確実だった・・・・。 二〇〇二年九月十七日になるまでは。(本分より)
◆感読後感想文、
彼ら当事者たち家族が北朝鮮を脱出する時期と入れ替わりにわたくしの韓国生活がはじまり、 そしていま(読書は2006年3月)半島を体験した16ヶ月をバックボ〜ンにあらためて考えるものです。
2004年10月13日、私のこの年の初頭から携わってきた韓国への事業進出のためのリサーチ、 そして前後して話題となっていた北朝鮮拉致問題、そうした世間の喧騒のなかに大きな関心をもちながら、その朝鮮半島の韓国・ソウルに駐在するようになったのでした。
これから北朝鮮と韓国間の経済や政治の交流をさらに推し進めてゆこうという時期で、 社会共産主義の君主制を敷く国と同じ民族ではあるが分断された半島の民主自由主義の資本主義経済の政策を主導している国とで、 財政状態も大きく異なるし思想も相容れるものではない、 ただ基本的な人間の族が同じであることは日常的に感じるとこであり確かであります、 その人間性の気風の同一性を感じるものとしては、この元脱走兵と拉致されて生活してきた家族たちのこの手記は 、いかに淡々とかかれていようが如何に祖国を裏切ってしまった愚かなものであったという行状を謝罪して書かれれたものであっても、 民社自由主義の思想のなかにいる我々どうしでは理解できることが、そうでない彼らには理解が及ばないということが、 やるせないし、僕らはそのことは厳しいことだ不幸なことだと思い遣っても、 彼らはそういう社会に適応することができないし、まして自由主義経済のなかで競争することなどの能力ももたないし、有り得ない社会なのです。 もしかすると、彼らは僕らの金品で自由を感受する経済社会や自由な思想を持ち生活する環境など、逆になんと不幸なひとたちよ、 ということも有るのじゃなかろうか、… … … まだ、朝鮮半島の戦争は終結したわけではないし、政府レベルでは中国のうごきも脅威を示しています。 この半島の長期的な転謀や経済は推し量るのは容易ではないし、先行きは明瞭ではありません、 そうして、このほかの被拉致者のなかには高度な頭脳や能力をもつてその思想に先導されて行動している人間もいるはず、 北朝鮮の民族がみなそんな低能なばかりではないはずだし,現に政治交渉など想定外の駆け引きはあたりまえにやっているのですから。
近くて遠い国、これはほんとうにそうなのです、こちらに来て如何に日本の皆さんが(僕も含めて)この半島とこの人々を知らないかということを、 このチャールズ・ジェンキンズの記述から北朝鮮拉致問題のある側面を学ぶことができました。
2006年03月18日(土) |
[ さざんくろす ] |
『サザンクロス』(1999)原題:Southern Cross(1998) パトリシア・コーンウェル著、相原真理子訳 講談社文庫1999.8.15
◆内容(「BOOK」データベースより) 「大人の犯罪を犯す子供はもはや子供ではない」凶悪化する少年犯罪に警察は市民に宣言した。 バージニア州リッチモンド―古い歴史を誇るこの町もいまや殺人発生率全米第二位。 不名誉な状況を改善すべく市は女性警察署長ハマーを迎えた。 P・コーンウェルが『スズメバチの巣』に続いて放つ白熱の警察小説第二弾。
◆感読後感想文、 『サザンクロス』:Southern Cross サザンクロスは、あの南半球の夜空に観測できる、ロマンチックに輝く星座・『南十字星・サザンクロス』ではない、 それは米国南部、嘗ての南部連合軍首都、バージニア州リッチモンドを舞台とする物語を象徴する、 南北戦争時代の南部連合国の旗を指す・『Southern Cross』である。
Kay Scarpetta、検屍官シリーズを少し離れて読んでみました。 っといっても、登場人物の設定は、(ハマー・警察署長、がNIJ (National Institute of Justice)付けの仕事でRichmond, Virginiaに署長として赴任し、補佐役にウエスト、 そして、記者から巡査に移管したアンディー・ブラジルを伴なって物語りは展開する)前作からの継繍するのです。
今作は、警察ものの犯罪捜査やスリラーの趣きはややあるものの、手法は大いに異なり、女性検屍官がストーリーを主導して事件を解決するスリラー小説とは随分ちがうものでした。 (パトリシア・コーンウェル作品としては、従来の場面転換の頻繁なところや、人物描写や情景の細やかさは読者にそれとわからせるものでした) そして、物語終盤 主トリオが事件の解決のひもを収束させるがごとく、カーニバルの場面へと展開し、 感情移入したくなってしまう“かっこいい・A,ブラジル巡査と幼少ギャングの手先化された個性的な幼犯罪者が更正していってしまう… ... 結局、また睡眠不足もかえりみず、ラストまで読みほしちゃいました。
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