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2004年05月21日(金) |
絶海の孤島St.マルガリータ(フランス篇) |
クラスメイトのアンジェラと私はある日、フランス一周の旅を計画し奇妙な弥次喜多道中に繰り出した。 パリから夜行列車に乗ってトウルーズ、カルカソンヌ、ニーム、アビニヨン、マルセーユ、エクス・アン・プロバンス、ニース・カンヌ、アルル、リヨン、ストラスブール、コルマール、パリの順でフランスを一周した。 エクス・アン・プロバンスのユースホステルに泊まっていた日の事だ。朝食を取っているとかっこいい青年二人が同席を乞うてきた。二人ともカンヌ出身だった。ちょうど翌日カンヌに行くと言うと是非、セント・マルガリータ島へ行くようにと薦めてきた。我々二人ははあてどもないきまま旅。早速薦めに従って行くことにした。 カンヌへ着くとそこはコートダジュールの名前の通り、紺碧の海が広がっていた。 世界中のお金持ちが集まってバカンスを楽しむ夢の砂浜が広がっていた。トップレスの美女がおしげもなくその見事な肢体を太陽にさらし、その美女の傍らにはシャンパンをサービスする世にもハンサムな青年がかしずいていた。 我々二人はそんな光景を尻目にカンヌの港から船に乗ってマルガリータ島へと向かった。 マルガリータ島はあのデュマの小説「鉄仮面」の物語で有名な島だった。カンヌからわずか15分で着いた。 海岸沿いに歩いていくと城砦がいかめしくそそり立っていた。謎の仮面の囚人がとらわれていたのはどうやら本当の事だったようだ。切り立った頑丈な砦で牢獄があった。 近世になって分かった事は、その鉄仮面はだれあろう、ルイ14世の双子の兄だったとか。 王が二人いてはいけないと言うことで密かに世の中に知られぬようこの孤島に幽閉したのだった。 城砦の上からみる地中海のブルーとその美しさは絶景というに等しいものだった。 生涯をこの城砦に幽閉されたルイ14世の双子の兄の心はどんなものだったのだろうか? 罪もないのに双子として生まれたばっかりに生涯を幽閉の身となった不幸。かたや王として栄華を極めたというのに・・・
物語でしか読んだことのない島が現実にあったこと、鉄仮面は本当はルイ14世のもう一人の悲劇の兄であったこと。美しい地中海に浮かぶ 孤島、St.マルガリータ島の絶景は私にとって、生涯忘れえぬものとなった。
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