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優しい=青い部屋=あたしとmasayaの日々。

2006年05月30日(火) 声。

友人とレイトショーに行く途中。

また携帯を手にしている時に、メール受信中になった。
サブウィンドウに彼の名が光る。

あ…。

確認すると、近況を伝える短いメールだった。
どうしても、声が聞きたいと思った。


電話可?5分だけ。

よいよ。



久しぶりに電話をかける。
あたしの携帯電話のメニューには彼のアイコンがある。
何度もトップメニューから外そうとしたのに。

1度の呼び出し音。



はい。

こんばんわ。お久しぶりです。

はい。お久しぶりだぁ。

たいへんだったの?

まぁ、大変だったよ。


今までの経緯。
詳しくは聞けないけど、普通の出来事ではないことを、彼は淡々と話した。
あたしは、どうすることも出来ない自分の立場をとても歯がゆく思う。


あのさ。

ん?

生きてて下さい。お願いだから。

はい。

また来てね。

はい、わかりました。

また、電話していいですか?

どーぞ。



レイトショーはもう始まる時間。
もっといろんなことを話したいと思ったけれど、友人も待っているし、もう切らなきゃ。


逢いたいと思った。
一目だけでも逢いたいと思った。
でも、今の状況ではそれは叶わない。



逢えなくてもいい。
話せなくてもいい。
いつも元気で、生きてて欲しい。

ほんとにそう思った。


いつもと同じ、半年前に逢った時と変わらない声。
半年間のブランクなんて、ぜーんぜんないような彼の声を聴きながら、切なくなった。



…逢いたい。



2006年05月28日(日) 半年。

半年間。
いろんな出来事が起こった。

新しい環境に慣れること、慣れた環境をまた捨てること、そしてまた別の環境に飛び込むこと、日々の生活を送ること。精一杯だった。

彼からの連絡はなく、あたしも精神的にも体力的にも臨界点ぎりぎりだった。
毎日連絡してみようと思いながら、それをする気力も残っていない。

数度、携帯でメールを送った。


レスはない。


気にしながらも、やはりあたしは毎日いっぱいいっぱいだ。



何かがあったのだと思った。
何があったかを知る術もない。
あたしは、徐々に期待する感情を縮小し、諦めというか、彼に関しての思考を停止していくことしかできない。


もう二度と連絡は来ないのかもしれない。


そう思っていた。


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仕事中、昼間にふと携帯を手に取った。
普段は仕事中には携帯電話を持ち歩かない。バッグの中に入れたまま。

たとえば、漢字変換を確認するだとか、たとえばスケジュールを確認するだとか、どうしても誰かに連絡をとらねばならないだとか、そういうことがなければ、滅多にあたしは携帯を手に取ることはない。
ふと、ネットに繋いでみようと思いたった。


手に取ってすぐにディスプレイに「メール受信中」の文字が点滅した。

受信完了を確認し、受信フォルダを開く。
そこに未読メールはない。

…え?


受信フォルダ以外に振分けられるメールは1種類しか設定していなかった。


…masayaだ。




フォルダを開くと、未読メールが1通。



「どーも」


そこから続く文面はそっけなく、でも彼に起こったことを知らせる内容だった。


…何よそれ。




すぐにレスをすることも出来ず、なんどもくり返して読んでみる。
なによそれ。なによそれ。なによそれ。
泣きそう。



1時間程あとに、やっとレスを返してみたが、それに対する返事もない。




なによそれ。なによそれ。なによそれ。




でも。
メールが来てすぐに思ったこと。

とりあえず、生きててくれてありがとう。




なによそれ。
あたしすっごいバカみたいだ。

そして、彼は相変らずてきとーだと思う。


「次の連絡はいつになるのだろう。」
そんなことを考えながら、やっぱりどっかで生きててくれて良かったと思った。
彼があたしのことをどう思っているのかはしらないが、
相変らず、あたしは彼を特別扱いするのを、やめない。


それが進むことの妨げになっていることを知っているのに。
それがなくなると自分が立っていられなくなることも知っているから。


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逡巡。

何それ?

立ち止まって考えることだよ。

へぇ。

トリアタマは三歩歩くと忘れるから、たまに立ち止まって考えることだ。




ふと、5年前の夏にかわされた会話を思い出した。






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~*Yuu
エンピツ