DEAD OR BASEBALL!

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Vol.117 年頭にアテネ代表を占う
2003年01月08日(水)

 今年の10月から野球のアテネ五輪予選が始まる。五輪における野球存続という頭の痛い問題もあるが、これは競技自体の魅力低下と言うよりも、アメリカに対抗意識を剥き出しにしたヨーロッパ側の政治的意図。これをアテネでは競技そのもので魅せることで覆してもらいたいと願う。ターゲットはIOCのヨーロッパ側役員よりも、ヨーロッパのスポーツマスコミ。

 日本代表のメンバーについては、プロ各球団2名までの選出というバカげた規則が設けられたが、今回は敢えてそれに乗っかってメンバーを考えてみたい。ちなみに、アメリカ流出組は対象外ということで御了承願いたい。尚、選手の年齢は来期の満年齢だ。



巨人
・岡島秀樹(投手・左左・28歳)
・久保裕也(投手・右右・23歳)

 上原浩治も阿部慎之介も高橋由伸も選ばなかったは意外に思われるかも知れないが、2名の枠組で、尚且つ現実的に選ぶならこうなる。岡島は左のリリーフで使いたい。あのカーブは一見で打つのは相当に困難だろう。久保は先発でもリリ−フでも使える万能型。あらゆる球種を縦横に使いこなす器用さとテクニックは、キューバや韓国相手なら切り札になる。

ヤクルト
・古田敦也(捕手・右右・38歳)
・石川雅規(投手・左左・23歳)

 古田の代わりに岩村明憲を選びたいのだが、古田の経験とリーダーシップは捨て難い。古田には選手としてよりもコーチとしての役割、そしてここ一番のリリーフ捕手の役割を任せてもいいか。石川は大舞台や国際舞台の経験を買った。カットボールとスクリューで目線を揺らす投球術は通用。

中日
・井端弘和(内野手・右右・28歳)
・福留孝介(外野手・右左・26歳)

 岩瀬仁紀を選べなかったのは痛いが、岡島に左のセットアッパーを委ねたので野手2人の選出。井端はユーティリティプレイヤーとして、言葉は悪いが“便利屋”の役割。福留は成長力に期待して中軸を打たせる価値がある。

阪神
・今岡誠(内野手・右右・29歳)
・赤星憲広(外野手・右左・27歳)

 井川慶は同じタイプのピッチャーがメジャーに結構ゴロゴロしているので、敢えて選ばなかった。今岡はセカンドのレギュラーとして考えている。大舞台で何かやらかしそうな雰囲気を持っているのが◎。地味だが赤星は重要な役割。打力重視で外野陣を選ぶと、どうしてもセンターラインが弱くなるからだ。

広島
・新井貴浩(内野手・右右・26歳)
・前田智徳(外野手・右左・32歳)

 “広島のマグワイア”こと新井のパワーは国際舞台でも充分に通用する。これぐらいのプルヒッターがメンバーに入っても面白いだろう。前田に求める役割は一閃で相手を斬り伏せる必殺の代打。存在感で相手をビビらせてほしい。

横浜
・吉見祐治(投手・左左・25歳)
・古木克明(内野手・右左・23歳)

 吉見の持ち味は、カーブとチェンジアップを駆使した緩急の揺さぶり。割とムラのあるタイプだが、ハマった時に完封可能な力量は持っている。古木は昨年のインターコンチ杯の大活躍と伸び代の大きさを買った。やはり若さと経験を併せ持った選手には期待してみたいもの。

西武
・豊田清(投手・右右・32歳)
・松井稼頭央(内野手・右左・28歳)

 当たり前の如く松坂大輔を選びたかったが、クローザーにどうしても豊田を据えたかったのでこうなった。今年の豊田の圧倒的な投球を見たら、選ばざるをえないというところ。松井は順当。打って守って走って大活躍してください。

大阪近鉄
・岡本晃(投手・右右・30歳)
・中村紀洋(内野手・右右・30歳)

 中村は、どうも大舞台だとイマイチ活躍しきれないイメージがある。自分の世界に入っちゃうイメージがあるんだよなぁ……力を出せれば順当なんだけど。岡本は右のセットアッパーとして期待。あのスライダーを初見で打つのは結構厳しいのでは。

福岡ダイエー
・城島健司(捕手・右右・27歳)
・柴原洋(外野手・左左・29歳)

 城島は捕手としてよりも指名打者として期待したいところ。大舞台になればなるほど怖さと無気味さが際立つタイプ。柴原は外野の手当てとして考えたいが、今年ちょっと雑になりかけた打撃に懸念がある。

千葉ロッテ
・小林雅英(投手・右右・29歳)
・福浦和也(内野手・左左・28歳)

 黒木知宏は復帰が最低条件になるので、選びたかったがどうしても選びにくい。それならば、小林雅に豊田とのダブルクローザーを任せた方が……ということ。福浦のバットコントロールはパ・リーグでトップクラス。ムービングボールへの対応力を考えて。

日本ハム
・正田樹(投手・左左・22歳)
・小笠原道大(内野手・右左・30歳)

 正田は一見すると何の変哲もないサウスポーだが、ストレートで詰まらせるキレの良さと独特の落差を誇るカーブ、そのアンサンブルは相当に打ちにくいのでは。小笠原は国際舞台でもどんどんフルスイングして、対戦投手を恐怖のドン底に叩き落してください。

オリックス
・日高剛(捕手・右左・26歳)
・谷佳知(外野手・右右・30歳)

 意外と言っては失礼だが、日高は年々捕手として巧くなっている。打撃にはなかなか確実性が伴わないが、26歳の若さと伸び代には期待していい。打って走れる谷は外野の主力として考えてもいい存在。特に右打ちの巧さはいまや日本一では?



 このメンバーを組み合せると、次のようなオーダーになる。

1(遊)松井稼頭央
2(左)谷佳知
3(一)小笠原道大
4(三)中村紀洋
5(右)福留孝介
6(指)城島健司
7(二)今岡誠
8(捕)古田敦也
9(中)赤星憲広
先発 石川雅規

控え
先発要員…久保裕也、吉見祐治、正田樹
セットアッパー…岡島秀樹、岡本晃
クローザー…豊田清、小林雅英
捕手…日高剛
内野手…井端弘和、新井貴浩、古木克明、福浦和也
外野手…前田智徳、柴原洋、



 はっきり言って、全然現実的ではないメンバーであることがお分かりだと思う。選び方の問題も当然あるが、各球団2名などという枠組をつくると、必ずこういうことになる。バランスが取れなくなるのだ。

 ということで、アテネを真面目に勝つ気があるなら、やはり各球団2名などという下らない枠組は早々に取っ払うべきだというのが、今回の結論である。その結論を出す為に、こうしてメンバーを選んでみたのだ。



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