小説集
2007年05月02日(水) :
「感情なんてどこかにいっちまったよ」
「くそっ!もうなんなんだよ!!」
隣にいた、補充されたばかりの兵士が叫ぶ。
「なんだぁお前はじめてか?」
着慣れた戦闘服のほこりを払いながら男が余裕に煙草を取り出し銜えた。
「もう沢山だ!」
「そんな事言ったってどこに行くって言うんだ?
殺るか殺られるかだけだよ」
煙草に火をつけながら応戦する。
「っ なんでそんな平気で…」
「殺るか殺られるかやってるとなぁ
何にも感じなくなってなぁ
感情なんてどこかにいっちまったよ
邪魔なだけだからなぁ」
平気で淡々と話しながら敵を葬り去る。
「その方が楽なんだよ
なんでも な」