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■ 「世界の中心で、愛をさけぶ」
片山恭一著。読みました。
いろいろなところのレビューでは、 「展開がベタ」「台詞が変」「泣けない」 という評価もありますが、確かにその 通りだと思いました。
純愛というテーマなので内容がわかり やすい点はあります。でも、感情移入 しやすいというわけではありません。 なぜだろう。主人公のココロの描写が 共感できなかったのかもしれません。
あと、内容のわりに話が長い。半分く らいは削っても、物語の良さは変わら ないのではないでしょうか。
「文章は短ければ短いほどいい」
これは僕の一つの見方です。本当に 賢い人は、短い言葉で他人を説得でき る人だと思っています。
長くする必要性が感じられれば何も 問題はないのですが。
映画化もされたようです。
なんだろう。 韓国ドラマブームに、この本の売れ具合。
文化現象に共通点を見出すことは無意味 かも知れませんが、いまの世の中の複雑さ を単純化して示してくれるものを、日本人は 求めているのかもしれません。
でもよく言われるけど、「複雑な世の中」 ってなんだろう。
多様性が裏返って複雑化しているので しょうか。確かにそうかもしれません。
ネットには過剰な情報が錯綜し、少年は 今日も母親を殺しています。
でも、人にとって複雑でなかった時代 なんてあるのでしょうか。
話があちこちに向いています。 賢くないからです。
そうそう、「世界の中心で、愛をさけぶ」 の題名は、アニメ「エヴァンゲリオン」の 最終話「世界の中心でアイをさけんだ ケモノ」のパクリだそうです。
でもそれも、ハーラン・エリスン著「世界 の中心で愛を叫んだ獣」(ハヤカワ文庫) というSF小説のパクリだそうです。
「イラクの中心でバカ、とさけぶ」という 取材記もありますね。
なんにせよ、「愛」なんて普段使わない 言葉を「叫ぶ」んだから、よっぽどのことが あったのかな、という印象を与えます。
「愛」ってなんだろう。
2004年05月14日(金)
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