股・戯れ言


BBS

不潔の男

先日の日記に自意識過剰人キルキルと書いたのですが、その後「ナルシスティックな人格」という本を読みました。
矢幡洋さんという方の著作で春秋社刊。
関係ないけど「やはたひろし」って「やかたひろし」と発音が似ておりますね。
「やかたひろしって誰?」と思った人もいるかもしれないが、なんてことはない、ダンディ鷹山のことですよ。

ダンディ鷹山とセクシー大下。(しかしいつもユウジの苗字は忘れがち)
さらに関係ないけど、私は高校時代、クラスメートから誕生日プレゼントとして映画「あぶない刑事リターンズ」の公式ブック(パンフレットではない)を貰ったことがある。何故にあぶ刑事本?未だ不明。
話が脱線しすぎた。その、「ナルシスティックな人格」はもう膝叩きっぱなしの本でございましたよ。自意識過剰の人に対するイライラやわけのわからなさ、手に負えなさを私なりにがんばって書いてはみたものの所詮は素人の手による拙い文章。本書では精神分析の見解からナルシストについてブッタ斬っているので痛快だ。
特に「あああ!そうそう、それだ」と声を出さずにはいられなかったのが
「ナルシストは常に受動態である」
というくだり。そうなんだよ、ナルとか自意識過剰の人って、自分は誘われるもの/そしてそれを断ったりする権利があるけど「オレ様がやってやるか」的なもったいぶり方をするんだよな。あの尊大な感じに何度イヤな目に合わされたことか。
そのくせ自分が誘われていないと判明するとあからさまにうろたえるんだがな。
かつて私もナルシストの女性が「自分から告白するなんて、女としてみじめ」と語っていたのを聞いたことがある。わたくしは自分から発進して、結果的にバカが見るーとなることが多いのだけど、それに対してのおナル(アナルみたいだ)からの返答がそれ。
ザッツ引く手数多の女演出だったのか、いい女(オエー)からの忠告だったのか今となってはわからないが。なんでもいいや。

ってこれ以上おナル(この表記いいな、ナルシストとうんこを同列していて)の話はしません。
興味を持った方は先述の「ナルシスティックな人格」あるいは「誇大自己症候群」(岡田尊司・著/ちくま新書)を読んでいただきたい。

さて。本日の話題。
つーか本日は久々に待機しながらの日記更新なのです。現在午前4時。
まあ、いつもの「機械様様がご機嫌ななめで、一体いつ癇癪を起こすかわからない」のに備えての待ちなんですが、その件の担当者の方をたまに会社で見かけます。
この人、おそらく技術能力がとても高くて、お客様からの信頼も得ていて、将来が非常に有望なんだろうけど、どうも私は納得がいかない。若手の連中にちょっとアニキぶりを見せている場面なんかも見かけますが鼻持ちならない感じ。
どうしてそう思ってしまうのか。私が性格がひねくれているからなんだろうか。
と、ひそかに原因追求をしていたのですが、さして考え込むことなくわかりました。
そのSE、清潔感がないんだよな。
むしろ不潔感全開。
技術はいくらでもあるのかもしれないが、見た目がだらしないのです。
実際にはかけらもだらしなくないのかもしれないし、超がつくほどの潔癖症なのかもしれません。しかし圧倒的にヨゴレなんだよなー。サブカルの人が自分を卑下するようで実は「私は特別」を表すために用いる「ヨゴレ」ではなくて、正真正銘のヨゴレ。むしろ「汚れ」そのもの。
ってオマエがそんなこと言うな、と言われそうですが。でも汚れてるんだもの。なんというか、視界に入ってくるだけでちょっと目が汚れた気にすらなる。
先日、オオツボさんと飲んだときに「今日おもしろい本を見つけたんだよ」と「人は見た目が9割」という本を教えてもらった。ディープインパクトなタイトル。(祝三冠)しかしまだ未読なんでこんなことが書いてあるかわからないが、
見た目って顔の良し悪しというよりは「清潔感があるかないか」なのではないかと思ってしまった。
いや、清潔感じゃないや、不潔感があるかないかだ。
この「不潔感」ってすごいね。実際にそうじゃなくてもこれがある人は嫌だもんなー
ある意味ワイルドカード。どんなにプラスな実績が続いても「でも不潔感がある」って項目が加わるだけでマイナスもマイナス、大マイナスに転落だもの。
たとえば、

・明るい
・かわいい
・積極的
・チャレンジ精神に溢れている
・頭の回転が速い
・おしゃれ
・気前がいい

という女子がいるとしよう。
その子に短所を付け加えるとして

・明るい
・かわいい
・積極的
・チャレンジ精神に溢れている
・頭の回転が速い
・おしゃれ
・気前がいい
・物忘れが激しい
・わがまま
・気分屋
・機転がきかない
・歌が下手
・ぶりっこ
・嘘つき



・明るい
・かわいい
・積極的
・チャレンジ精神に溢れている
・頭の回転が速い
・おしゃれ
・気前がいい
・不潔感がある

では、前者のほうが短所が多くても、それでも前者のほうがマシと思えてしまうんだよな。かなり強引かもしれないが。
いや、嘘つきや機転が利かないのもご勘弁ではあるが。しかし「小悪魔的」「お嬢育ち」なんて言われてかえってプラスにされることもあるからな。
しかし不潔感は言い換え不可能。不潔は不潔。できれば近寄りたくない。
ちなみに「不潔感がある」に最も近い言葉は「字が病的に汚い」だと思っております、私は。

私も知り合いの某女子が昔からどうも苦手で、悪い子ではないのだけど、できれば近寄りたくないなと思っておりました。
それは彼女がおナルで会っても自分の話しかしないからだとばかり思っていたのですが、彼女の文章や字などを見ていてはっきりとわかりましたよ。
この人ってなーんか清潔感がないんだよな!と。
実際は清潔な人です。それは十分わかっておるのです。実際傍に立った際、いい匂いが漂ってきたこともあります。
才能にだって溢れています。なんといってもモテモテです。

しかし


事実を圧倒的に凌ぐ不潔感


コレをどうしても感じてしまって、素直に彼女の言ってることや人柄を享受できないのです。
なんでこんなにも不潔感を感じてしまうのか、いろいろ考えたのだが、これも考えではなく感じることが大事なのだなと思いました。
以下は私の直感なのであまり真剣に受け止めないで下さい。
不潔感って、視覚に訴える「肌の質感」からにじみ出るものなんではないか、とふと思った。
要するにどれだけ肌のケアをちゃんとしているかということである。
つるつる肌の人は実際はゴミ溜めで生活していたとしても、清潔に感じられるからな。
完璧な化粧をしている人も清潔感を感じられる。

しかし見た目にわかるレベルにまで「肌ボツボツ」とか「シワシワ」「ガサガサ」、「顔色悪し」そして「テカテカ」だと清潔感が薄れていくと思うのですよ。
女子がスキンケアをちゃんとしなければいけないのは、「不潔感を感じさせないため」なのか。
殆ど間違っているかもしれないが、これだけのためにもスキンケアおよび化粧はちゃんとしなければならないんだなと思った次第。もっとちゃんと化粧しろ!俺!書いてて自分で危機感感じたわ。

不潔感を漂わせるキーワードにもうひとつ、「髪の毛」というものがあります。
私は長い髪の毛がどうにも苦手で、長い髪の毛を見ると即座にうっとなってしまいがち。
床に長い髪の毛が何本も落ちているとちょっとブルーな気分になってしまう。拾うけど。
髪なんてそもそも、頭を護るために生えてるものだから、「よっしゃ汚いもの全部まかせとけ」部位なわけですよ。汚いモンなんですよ。
「美しい、長い黒髪」なんて大ウソ!染髪であっても。
満員電車の中で髪の毛垂らしてる女性がいると苛立ってしょうがない。頼むから結ってくれ。
(あ、結い上げている女性って清潔感を感じるな。あれは推奨)


っていつの間にか女性の不潔感についての言及になってしまった。
最初は男SEの話だったのに。タイトルだって「不潔の男」なのに。
(ちなみに私は男ではない)

あと「この人スゲー不潔感」と人に思われやすい要素はモテモテだったという話でしょうか。いや、モテモテはかまわんのだ。むしろヤリヤリか。
特に女性の場合、同性の前で次々に彼氏が代わっていった、代わってるのなんていうのはやめたほうが吉ですな。
「便所」って思われがちだから。もう「便所」っていう時点で不潔以外の何物でもないわけだが。男性だとしたらほぼ間違いなく菌持ち警部、否、軽侮ですよ。


要するにこれら3点をなんとかしさえすれば
どんなにゴミ溜めに住んでいようが、風呂に一週間入らなかろうが、26人連続中田氏していようが、
「見た目の9割」をクリアしているということになる。
世の中楽勝楽勝。レッツトライ!

まあ、それでも不潔感溢れている人はもはや「感」の問題ではなく不潔そのものの問題なんで完全に清潔な生活を送ることを薦める。
しかし中には不潔であることが魅力であったりすることもあるんで、不潔感を武器にするのもいいんではないかね。特にバンカラとかフェチズムとかの方面では。
個人的には潔癖症などは鬱陶しいものだと思っているし、男性はシャンプーだけで十分だと思ってるのですが。

なお、不潔感を取り除いても誰からも支持されない人は、見た目以外の1割に激しく難アリなのだと思われるので何かを一回リセットするなどがんばっていただきたい。
2005年10月30日(日)

ポワーンチャンピオンカーニバル 激恥番外編

ちょっと前に山本文緒の「プラナリア」を読み、その後、「恋愛中毒」を読んだのです。
いやー山本文緒おもしろい。女流作家の小説はくだらねえご都合主義な恋愛小説が多いから唾ペッペなどと思っていた自分を恥じるね。ってそれは桜井亜美のことなんだけど。
何がおもしろいかって、おもしろいくらいイヤな女が出てくるところ。たまらんな。
「プラナリア」は表題作の女がだらしなくて自我がなくてバカ。
「恋愛中毒」の女はどうしようもなく愚かで粘着で見ていて痛々しい。
しかしどの女性の気持ちもわかってしまうのがにくい。イタイ女は他人事だとたまらなくおもしろいのだけど、確実に身につまされることも記述されている。感情移入すらしてしまう。笑えない。笑うけど。
詳しい内容は割愛しますが、今日、ニュースを見ていたらまさに恋愛中毒な事件が載ってて思わずヒザを叩いてしまった。

><ストーカー>執行猶予中にまた 容疑の女逮捕
>
>恋敵の女性にストーカー行為を繰り返し、有罪判決を受けて執行猶予中に
>再び同じ行為を繰り返したとして、
>愛知県警常滑署は27日、同県常滑市の介護助手女性(41)を
>ストーカー規制法違反容疑で逮捕した。
> 容疑者は「好きな男性と別れさせたかった」と話しているという。
> 調べによると、容疑者は、以前付き合っていた男性会社員(39)に
>交際を断られたため、男性の交際相手の女性(39)を逆恨みし、
>9月下旬に2回、女性方を訪れ、>「最低女」などと中傷するビラを
>女性の乗用車に張り付けた疑い。容疑を認めているという。
> 容疑者は昨年5〜6月にかけて、この女性に付きまとった同法違反の罪で
>同11月に懲役1年、執行猶予4年の有罪判決を受けていた。
> しかし今年1月、女性に年賀状を送りつけたため、
>同署が4回にわたって口頭警告したが聞き入れなかった。

ストーカーって治らないんですかね。ストーカーからの身の護り方などはよく聞くが。
防衛して警察に逮捕されてもこうも繰り返されたら意味がないよな。
今度この本を買ってみるとしよう。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4781910459/249-1876381-1653136


昨晩はシカゴの最高レーベル、drag cityのジョアンナ・ニューサムとスモッグのライブを見てきました。
あやうく仕事のために行けなくなりそうだった。
私が会場に着いた時はちょうど54-71が演奏中。
54-71、久々に見たんだけど、ボーカルが入ってないで、キーボードバシバシな曲ばかりでものすごくよかった。
そうだ、最初に見た時は変拍子ゴリゴリでかっこいいのに何故うわずみだけでがなってるようなボーカルが入ってるんだよ!惜しい!と思ったんだった。
まあ、2年ぶりくらいに見たわけで、その間に出てたアルバムはえらくかっこよくて去年のベストにも選んだくらいなのだから、ライブだってイイに決まってら。
最後は縄はしごで2階席にのぼっていた。すごいパフォーマンス。

そんでジョアンナ・ニューサム。
ステージ上にハープがでーんと置かれた時から「ブルジョワジー!」という印象を抱いたのだけど、出てきたジョアンナ嬢がこれまたまばゆいばかりのブロンドに朱色というかピンクというかのワンピース(胸元クッキリ)でまるでバービー人形のよう。カワユス。
ああ、育ちのよいお嬢さんなのだなあ。でなきゃ8歳からハープは弾けやしない。
天真爛漫。何物にも囚われない歌声および楽曲。
彼女ならばイヤな感じゼロで「おなかが空いたらクッキーを食べればいいのよ」とあっけらかんと言えちゃいそうだ。現代のマリーアントワネット。(褒め言葉)
ハープってギターより万能な楽器なのだね。リズムもガンガン刻めるのだな。 ビルマの竪琴のようなイメージではいかんな。演奏する指を追っているのが楽しかった。
しかし1時間以上は長すぎた。

そんでスモッグ。
ジョアンナ嬢とは対照的なずんぐりしたおっさんなビル・キャラハン氏。ライトが暗めだったので白髪頭に見えたけど、白髪ではないよな確か。
見た目はこの上なくたよりないのに、歌い出したら渋さ全開ダンディズム全開の低音ボイス。声がかっこよすぎ。もう、声が達観してるっつうか、悟りを開いているというか。
たんたんと繰り返されるメロディーに乗せて、唸り出される歌は、なんかもう、ご託宣のよう。
ああ、ローファイの神。いや、これもJと一緒で仙人だな。
アメリカのインディーには仙人がいっぱいいるんだなぁ。ってJマスシス別に今はインディーじゃねえけど。
でも仙人のようだけど、足だけは軽快なステップ踏んでたりするんだよな、ものすごく地味に。生身。



と、前置きがやたら長くなったんだけど
今日もポワーンチャンピオンカーニバルですよ。
しかも番外編。
今までの過去5回、すべて地味渋マイナーな顔ぶれであったわけだけど(私の中では皆、一時代を築いた大スターなんだが)
今回は別に一時代を築いていたわけでもないが、ここまで地味渋羅列だとさすがに疲れてきたので清涼剤を投入。
そしてこの清涼剤が、このチャンピオンカーニバル中最大にこっぱずかしい人選となるのである。
ポワーンチャンピオンカーニバルって、言ってみれば
「私はこの人のことを考えて自慰行為してます/できます/したことあります」
の告白ですから。(わたくしはオナニーという単語を使うのに抵抗がある人間なのです)
この番外編項目を書くことはずっと心に決めておりました。
でもいざ書くとなると尻込みしてしまい、そのせいで前置き文章(ドリフ大爆笑でいうところのいかりや長介の季節の挨拶)が長くなってしまったのだった!
ああ、勇気がいるな。ではその名を告げましょう。

タイプする手が震えるよ。手のひらは汗びっしょり。




番外編は
中川家礼二でございます。




あああああああ!
ホンットに恥ずかしい!
会社で仕事してるふりしてこれ打ってるけど、あまりの恥ずかしさに席に座ってられないわ!
(いったん中断)



気を落ち着かせてきました。
もうね、彼に関しては(名前を書くと動揺してしまう)自分でも何故なのかわからないのです。
「女殴るから性格悪そう」とかはわかっちゃいるんだが。
仲の良い某うんこ男子が以前、
「鼻フックされている女性を見ると、理性とは関係ないところで体が反応してしまう」
という滅茶苦茶なことを力説していたんだが、まさにそんな感じ。
理性とか好みのタイプとかそういうのは関係ないのですよ。
テレビでたまに見かけると「あ、普通にデートしてみたい」と思ってしまうんですよ。
デートて!
自分で書いて赤面。でも彼(やっぱり書けない)とならば私の一番したいデートの形態=鉄道乗りまくりができそうなんで、やっぱり反応してしまうんですよ。
うああああ。そんなプランまで思いついてるのか俺は。玉砕。

ちなみに先日、大阪京都に行ってきたんですが、待望の京阪電車乗車を果たしました。
京阪は車両がかわいいから乗ってみたかったのです。
ちゃちな感じの車両なのに特急はガンガン駅を飛ばしていくので、こりゃ勿体無いと思って途中樟葉という駅で下車して準急に乗り換えた。樟葉っていい名前だな。
沿線に京都競馬場があってさらに好感度上昇。
京阪イイ!好き!枝分かれする交野や私市(この名前もとてもいい)行きの線にも乗ってみたい!
と思っていたら、

彼も京阪好きなのであったよ
(さっき検索していて判明/有名なのかもしれないが知らなかった)

グギャー。
恥ずかしすぎて死んでしまいそう。

恒例の画像載せは今回はできそうにないです。








つか、番外編じゃなくて、もうこれがポワーンチャンピオンでもいいんじゃないのか。
そんな気がしてきた。
(恥ずかしさのあまり激疲労)
2005年10月28日(金)

【5周年記念】ポワーンチャンピオンカーニバル その5【リヴェンジ!】

web上のニュース情報源といえば一番メジャーなものはyahooでしょう。
例に漏れずわたくしもyahooをトップページに設定しております。「それでこそダメ社員!」と言われがち。
できる社員はイントラのHPを設定するものらしいな。
つーわけで自動的にニュース情報源もyahoo。
他に見るとしたら、メールアカウントを取得しているインフォシークのものくらいでした。ってもインフォシークのニュースなんてほとんど見たことがない。
そんな調子だから2ちゃんのニュース板も見やしないし、ましてやライブドアなんてもってのほか。
私はyahooトピックスで世間の動きを追っていた、といっても過言ではない。
(若干ウソ。zakzakとか読んでるわ)

しかし、今日、ライブドアのHPを見てみました。
今や誰もがライブドアのblogを使用している時代だというのに、恥ずかしながら初めて開きましたよ。
トップページが驚くほどyahooにそっくりだな。
しかしそんなことは問題ではない。私がホントに驚いたのは

>次長課長 河本 暴徒に襲われ「タン麺やれよ!」
>
>マニアックなものまねが注目され、舞台やネタ番組ではロングコントも披露。
>特異なキャラを自在に操る次長課長の河本準一さん。
>テレビ番組では共演者にネタを振られる事も多い河本さんですが、
>街を歩いていると、恐い人達にネタを振られる事も多いそうです。
> ある日、巻き舌を使う恐いお兄さんの集団に囲まれた河本さんは、
>急いでタクシーに乗車、何とかその集団から逃れようとしたそうです。
>しかし、その集団は「タン麺やれよ!タン麺!!」と叫びながらタクシーを
>追いかけて来たため、
>タクシーの運転者さんも河本さんが食い逃げ犯なんじゃないかと疑ったり
>して、散々な目に遭ったそうです。
>売れて有名になるのは嬉しい事でしょうけれど、
>やはり顔が知られると大変なことも多いんですね。
>
>2005年10月26日12時07分
>

これ、先週のダウンタウンDXで河本本人が話していたエピソードじゃないか。見ていましたわ。
テレビのネタ垂れ流しかよ!そんなんブログで十分だろう。
「大変なことも多いんですね」じゃねえよ。芸能ニュースのグレードが低すぎ。
他にも何個か読んでみたけど、ライブドアが悪いわけではなくて、ライブドアに芸能情報提供している「プランテック」ってのがグレードが低いようですな。
「ナインティナインの矢部浩之さんは、かねてからどうしても納得のいかないことがあるのだそうです。それは、後輩達が自分の誕生日パーティーを豪勢に開いてくれるのにも関わらず、その支払いをすべて自分がしなければいけないこと。お笑い界は必ず先輩が支払いをするというしきたりがあるのだそうですが、誕生日ぐらいはなぁ・・・と、ついつい思ってしまうのだそうです。」ってこれもどっかのテレビ番組から得た情報なんだろう。こんなの情報というのもおこがましいけど。
プランテック提供の情報はすべてがこんな具合。取るに足らないものばかり。
一体このプランテックってなんなんだ。アコギな商売してやがる。
丁寧語使ってるからって許されるもんじゃねえぞ。



10月いっぱいはポワーンチャンピオンカーニバルをやると心に決めていたのに
まだ4人しか書けてない。そして10月はあと4日で終了。
ヤバス。
慌てて5回目の自慰行為。
5回目は!今年のフジロックは彼の虜!フッキーことピーター・フックでございます。
言わずと知れたニューオーダーのベーシスト。
何故、あのような太鼓腹のマンチェスター中年にポワーンとなってしまうのか、もはや自分でもわからない。
まさに恋は盲目。

初めてロッキンオンを買ったのは中学一年の時でした。93年のこと。
その頃は今のようにMTVが見られるわけでもなく、ましてやインターネットなどありもしなかったから(あったとしても中一には手が届かなかった)
情報源といえば雑誌とFMとわずかにやっている深夜の洋楽情報番組だけでした。
たぶん私くらいの年齢がFMステーションに蛍光ペン引いて、好きな曲が流れたらすかさずカセットに録音していた最後の世代なんだろう。
テレビ番組も「ビートUK」と「モグネグ」くらいしかめぼしいものはなかった。そもそもモグネグは洋楽情報番組というカテゴリーにも括れないわけだが。
でもモグネグの何曜日かで「都内大型レコード店売り上げチャート」が流れておりまして(ああ、その時はタワレコもHMVも都内に数えるほどしかなかったんだよな)そこにチャートインされていた「リグレット」を聴いてなんていい曲なんだ!と感銘を受けたのだった。
その時のナレーションで、確か、
「なんとかレーベルの倒産にともなって解散してしまったハッピーマンデイズとは対照的に移籍して売り上げも好調なニューオーダー」
と紹介されていたんだった。
当時はそのレーベル名はよくわからなかった。というかレーベルという概念もよくわからなかった。ハッピーマンデイズもなんとなくバンドの名前っぽいくらいの認識だったし。
そしてビートUKも毎週ビデオに録画して見ていたら「リグレット」が流れていたんだった。
そしてロッキンオンにもニューオーダーの名前がよく出ていたなあ。
マンチェスターでの80年代初期の写真がたくさん載っていたっけ。
真ん中に写っている憂鬱そうな顔の男の人はなぜ今はニューオーダーにいないんだろ、と不思議に思っていた。
ニューオーダーってこの人じゃなくて女の人がいるんじゃなかったっけ?と。
レーベルとこの男性に関する謎が解けたのは、その数年後だったような気がする。あまり覚えていない。
まあ、ひとつはっきりしているのはその頃はフッキーのことはカコイイと思っていなかった、ってことだ。

それから時が流れ、わたくしもはっきりとヒゲ属性を自覚し、
フッキーも歳を取って香ばしくなっていたのでした。
いや、フッキーは今も昔も変わってないな。
なんつーか、まるでフッキーにはティーネイジャー時代がなかったかのようだ。
生まれた時からずっとあのままのような気もする。
ボーン・トゥ・おじさん。

でもよく見たら変化してるわ。当たり前だが





大物になっておる。どっかの会社重役みてえだ。


それにしてもフジロックで見たニューオーダーはすごかったよ。
演奏のヘタさと歌のヘタさが突出しておりました。特にジョイ・ディヴィジョン時代の曲を演奏した時に顕著だった。
ニューオーダーの後に出てきたプライマルスクリームが、敬意を払ってジョイ・ディヴィジョンの曲を演奏していたが、こっちのほうが本物かと思ったくらいだ。
すでに30年弱バンド活動をやっているのに、あそこまで上達しないのは逆に素晴らしい。
永遠のティーネイジャーってのはニューオーダーにこそ捧げるべき称号なのではないかと。無論フッキーも。
ピーター・フックって名前でググると、ピーターパンとフック船長ばかりが引っかかるしね。英語でも同様。
とてもドリーミングつーかピーターパン症候群な名前だったんだ、フッキーって。

あと検索している途中で「フック船長ってカコイイな(ポワーン」と思ってしまったことは、ここだけの秘密だ。
2005年10月27日(木)

おまえはおまえが思っている以上にウンコだ

同僚のメールを見るたびに心が痛みます。
見るのがつらいです。
なぜそんなことになってしまってるのか、と心配になってしまいます。

ここに転載したいところだが、そうもできないので私なりにアレンジして書いてみるとしよう。
要するに、どのメールにも必ず

「このメールの著作権は××にあります。転売等は禁止させていただきます」

という趣旨が署名の後に堂々と記載されているのです。
個人情報は大事だ。勝手に利用されるべきものではない。
しかし、こういう「著作権」をこういうところ(取るに足らないメールも含め)にまでわざわざ記載しているのを見ると、どうしても「思い上がり」という言葉が浮かんでしまうのです。あるいは「自意識過剰」。どっちでも構わないんだが。
あんたが思っているほど皆あんたのことは考えてないよ、とそっと耳打ちしたくなってしまう。
web上でも日記などを読んでいると最後に「権利!」「著作権!」を付け加えているものがありますね。
あれも萎えるな。田口ランディのような盗作野郎が蔓延るネット上ですから、こういう自衛も大事なんだろうけど「わざわざ書くなよ」と突っ込みを入れたくなる。入れたところでそういう人って正論正論正義正義を振りかざし反論してくるだろうから入れやしないけど。むしろ脱力。読まなきゃよかった、とさえ後悔する。
見当違いかもしれないが「心がすでにアメリカの植民地(本人はアメリカ本土のつもり)」という印象を受けますよ、そういうのを見ると。
(自分を護るためには)片手にピストル、心にいつでも裁判に持ち込む準備〜てな感じで。
ああ、ああ、ああ、ああああああ。

ここ最近「希望格差社会」と「オレ様化する子供たち」を立て続けに読みました。
希望格差社会は皆がわざと目を向けないでいる現実がこれでもか!と書かれていて、非常に恐ろしい本でした。
簡単に言うと、世の中は先の見通しがまったくつかない「弱者」(フリーターとか)とどんどんと成功していく「強者」の二極化がどんどん進んでいるということ。
そして圧倒的多数な弱者のほとんどは今の若者で、その若者が中年になる時日本はやばいぞという警鐘が鳴らされておるのです。
大学を卒業したからといって上場企業どころか就職もできない人が増え
大学院で勉強しようが大学教員にも研究職にもつけない人が増え
企業に就職しようがリストラなどの恐怖に晒され続ける人が増え
収入不安定の生活能力ゼロカップルができちゃった婚をし続け
玉の輿を狙う人は「玉」の階級(高収入)とは結婚できないから未婚が増え
ご存知の通り社会に出ることを拒絶する引きこもったりニートになるも増えていく
(言うまでもなくできちゃった婚から生まれた子供は家で勉強をしないからどんどん循環していく)
というのは最近ほんとによく見かける話(身近にもあるが)だし、非常に頭の重いことなんだが
特に印象的だったのが

「 夢に向かって努力すればその夢は必ず実現するというのはウソ」
「自分の能力に対して過大な評価を持っている人が多すぎ。その過大評価をなくさせる必要アリ」

という指摘。
ほんとにその通りなんだよなー
他人と話をしていると「何故そのような自負があるのかさっぱりわからない」と思うことがたまにある。
私がその人に対して抱いている印象・評価と本人のそれが著しく乖離しているのだ。客観性の見事なまでの欠如。
夢を持つことはいいことだ。希望こそが生きる原動力。
しかし、等身大の自分をなぜ受け入れない。客観性を持たないとハタから見れば単にイタイ人なんだぞ。
主観オンリーワールドの住人は、他人が抱いた評価・印象を告げられる/あるいはそれに則った接し方をされるとすぐさま「この人が私をいじめた」的な被害者意識に入り込む。あるいは「わかってないバカな奴」呼ばわり。
決して自分を曲げない。ついでに上から目線を曲げようとしない。
「オレ様化する子供たち」に書かれていた、幼児の持つ万能感をそのまま持ち続けるんだよな、そういう人って。
いくつになっても幼児。若者のうちはそんな幼児ぶりもある程度許されるんだろうけど(私は他人に対して甘えてくる奴は絶対に許さないが。反吐が出る)それが40や50になっても続くからそら恐ろしい。
しかも40や50になってからじゃそういう過大評価は絶対に治らないからな。
一生イタイ人。そして一生弱者。
もっとも、それくらいになって「私は特別」というアイデンティティを根本から打ち砕かれたらその人、生きていけないんだろうけど。
さらに言うと、そういう人って自分で自分を褒めるだけに飽き足らず、他人にも褒めを強要してくるから鬱陶しい。
いや、褒めてくれる人以外との関係を絶とうとする、のほうが正解か。とにかくフォロワーに囲まれてる状態を好むわけだ。
まあ、実際には周りからdisされている(ヒップホップな書き方だ)わけなのだが。気づかない。自分が否定されるわけがないから。
もちろん頭から強要してくるわけではない。しかし仲間内で褒めあってる人たちって大体そうだわな。(このへんは「若者のリアル」という本で指摘されてた)
クラブイベントで受け取るフライヤーの裏に書かれているDJ紹介なんかを見るとまさに褒め合い。賞賛し合い。
むしろ賞賛試合と書いてしまいたいほど互いに褒めまくっている。
他人の価値観を認めることはいいことだ。心が豊かになる。
とは言うが、褒め合っているばかりでどうする。悪い点指摘試合もやったほうがいい。
まあ、何人か人が集まっている場合は褒め合いが転じてけなし合いになったりすることもあるのであまり心配はない。
大概は悪口言い合いなんてのもあるのでバランスが取れているものである。
問題は、自分で自分を賞賛しまくっていて、他人にも自分の賞賛を強要する(無意識のうちに)人って悪いことを指摘したり自分が思っていたことと違うことを言われたりすると全力で扉を閉じるということ。
否定されることに対して耐性がないというか。
ケンカすらもしない。郷ひろみばりに「なかったコトにして」しまう。
そしてこういう人に限って「悪口言い合いイクナイ」などと言い出すんだよなー。自分は散々言うくせに。(概して無意識)
辛いなぁ。心臓グッサリ刺しても「いや、これは殺されたに入らないから」と心臓に刺さったナイフ自力で抜いてそ知らぬ顔ですかしっ屁こいたり鼻ほじったりしてるから。
なんかもう、それって神の領域だ。オレ宗教。

前述の同僚にしてもどんな指摘も受け付けないので、もう誰も何も言わない。
しかし彼はそういうメールを垂れ流し続けるのである。仕事に関係ない「これはすごい情報だからボクが教えてあげる」という内容ばかり。
誰も何も言わないと、読まれているものだと思って「最近は忙しくて頻度が落ちてますが」なんてことを平然と文頭に付け加えたりし出す。
ああ!ああ!ああ!ああああああ!
こういう「嫌」ってどうすればいいのだ。自滅を待っていればいいのか。
きっと40や50になろうが、60や70になろうが自滅なんてないんだろうけど。
でも黙っていればその人の壮大なサクセスストーリー(エンディングは一生未定)の読者に勝手に加えられるだけだしなー
とりあえず関わるのはやめとこう。全力で逃げよう。



先日のインサイターに「座右の糸井重里」なるものが載っておりました。
エンピツはblogではないのでトラックバックできません。とほほ。
なので引用させていただきますが

>「おまえが思っているほど、おまえはたいしたやつじゃない」。
>この、何もかもをぶちこわしてくれるような最後のひと言を、いまは誰も口にしなくなった。

もう誰も口にしなくなった。ほんとに。自分に対しても。
自分は人と違うなんてのは基本的には誰でも思っていることで、その思いが過剰にならないためにあった言葉なんだがなー。
自己評価が著しく低いのも問題だし、ある程度の自信は持っていなきゃいけないわけだけど、やっぱり過剰思い込みの人のほうが重罪。イタイ。まあそんなのは自己評価が低いってのと表裏一体なんだけどな。
一生イタイ人/弱者にならない為に、これは胸に刻んでおこうと思う次第である。

私はずっと、「自分はスゴイ」ってことを口にすることは恥ずかしいことなんだ、と思って生きてきたんだがなー。たとえ自負があったとしても。
少なくとも学生時代は周りもそう思っていたと思ってたけど。
歳を経ると羞恥心てのは磨り減っていくものなんですかね。
それとも歳を経るとカミングアウトしていいものなんでしょうか。FA宣言のように。

小学生の頃、授業で「人間の体は何でできているか?」という質問があって
ウケ狙い男子などは「うんこが詰まっている」と答えていたんだけど、
今こそその思想が必要なんではないかな。
「自分の体内にはうんこが詰まっている」→「私は所詮うんこの塊」と思えば自分など大した奴だと思わないで済むんだけどな。
2005年10月26日(水)

ミヤザキマサコ 後編

昨晩、久々にターバンで前髪を上げているふかわりょうをテレビで見かけたんだけど、
顔があぶらだこのヒロトモに似ていた。
気のせいではないんだ!ホントなんだ!
ホリと菊池成孔が似ているのと同じくらいホントなんだ!
ふかわりょうのマッシュルームカット、いや、分厚い前髪に惑わされちゃダメだ!
ヒロトモの目に惑わされちゃダメだ!

なんでこんなことを急に書くのかというと日曜日にあぶらだこを見てきたばかりなのです。
変拍子ズンドコ。カオス。混沌。無意味。叫び。静寂。また混沌混沌。爽快。
こんな要素なのに心底明日に希望を感じる。
「あぶら湯」とプリントされている手ぬぐい買いました。
あぶらだこは最低でも1年に1回は見ておきたいバンドだ。
赤犬は週に二度も見ちゃったけど。


とか書いているうちに10月も後半ですよ
さっさと宮崎編後半を書き上げるとしよう。


10月6日
前日の酒で頭グラグラ目グルグル、胃はぐちゃぐちゃという大惨事。
10時チェックアウトなのに起き上がることができず、つっぷして唸り続ける。
朦朧となりながら自分で驚いたのだけど、ちゃんとホテルの浴衣を着て寝ていた。もう絶対着の身着のままあるいは素っ裸で寝ているものだと思っていたけれど。
チェックアウトを延ばしてその後もベッドで死んでいたのだが吐き気を催す。
何度も書いているが、私は吐くのがコワイので(幼少の頃高熱で寝ゲロを吐いて、ゲロまみれになったのがトラウマ)いつもは吐きそうになってもふんばるのだが、この日は抑えきれずトイレに向かう。
吐く前から涙流しながら、せり上がってきた吐き気(これが心底キライだ)にまかせて吐こうとしても胃液しかでてこない。胃の中の食物はどこに行ったんだ。何度吐いても茶色っぽい液体しか出てこなかった。
これ、焼酎か。
地鶏なんかはとっくに消化されてたようだ。よかった、地鶏戻さないで済んで、と吐き気に襲われながら安堵する。
吐いてはみたものの、体の中の異変〜焼酎事変と名づけてみた、は収まらない。その後もうんうんと唸っていたら部屋に女性係員が尋ねてきて(あまりにチェックアウト延ばしてたからなのか、謎だ)「あの、具合大丈夫ですか?お薬持ってきましょうか?」というので
「ずびばせん、鎮痛剤と腹痛止めぐだざい」
と頼んでみた。
なんで腹痛の薬頼んだのか全然わかんねえ!
しかし女性係員の方はちゃんと鎮痛剤と胃薬を持ってきてくださったのだった。ハライタをちゃんと変換してくれたんだね。ありがたや。
それらを服用したら比較的マシになってきたのでのろのろとチェックアウト。
吐き気とめまい(頭痛は鎮痛剤のおかげでだいぶ治まった)と闘いながらロビーに座っていたら、目の前に「文芸道場九州大会」の受付らしき机が広がっていた。女子高生が受付をやっている。パンフレットが置いてあるところに目をやると
「詩のボクシングはこちらの資料をお取り下さい」と書いてあった。
ああ!やっぱり詩のボクシングやってたのか!
九州は詩のボクシングチャンピオン、倉地久美夫氏のお膝元だもんな〜納得。
文芸道場九州大会、ちょっと見て行こうかなと思ったけれど、こちとら重病患者。断念せざるをえなかった。千載一遇のチャンスだったのにな。勿体無い。


どこにも見向きもせずに宮崎駅へ。
またも吐き気を催してきたので、タクシー降りてすぐにトイレに直行。タクシー降り口からトイレまでがやたらと遠く感じる。まっすぐな道がところどころ曲がっているように見える。
頼む、どうにか便器まで持ってくれ、俺の胃、と強く願いながらトイレに駆け込んでいざ便器に向き合ったが何も出ないのだった。
ああ、なぜ神はこんな苦行を私に課すのか


言うまでもなく苦行を課したのは私自身だ。
なんでそんなに呑んだんだよ。
トイレを出てふらふら歩いていたら、目の前に薬局があったので胃薬を買うことにする。薬よりもドリンクのほうがよかろうと手を伸ばしたものは1本500円の代物であった。高!打ちのめされていたら、その隣に置いてある二日酔い解消ドリンクにも「二日酔い時には必ずコレ!強力!」という紙が張ってある。
それも600円。
・・・・
高い。べらぼうに高い。
どっちを買うか、と両方を手にとって見ていたら薬局のおじちゃんが声をかけてきたので尋ねてみる。
「あのーどっちが二日酔いに聞きますか」
「両方だね!」
・・・・・・・
確かにそれらの隣には2本が袋に入ってセットで売っていた。
1100円。
べらぼうに高すぎる。
しかしここはこの苦しみの解消だけを祈り、2本まとめて購入することにした。
「コレ、おまけでつけとくからね」とビタミン剤までつけてもらう。どんだけ重症に見えたことか。「こういうのはね、お酒呑みに行く前に飲んでおかないたほうがいいよ」とダメ出しされた。
ホントは呑みに行く前に牛乳を飲んでおこうと思ってたんだよ。しかし宮崎、思ったよりコンビニが見つからなかったんだよな。
駅でプルプル震えながら2本まとめて呑みました。まずかった。


そして駅構内で待望の「なんじゃこりゃ大福」を購入し、ついでに駅弁を買おうとしたが、まだまだ何も食べられそうになかったので断念。
しかし、宮崎ってういろうが名物なのですかね。駅でたくさん売ってたけど。

帰りの飛行機までに時間があったので、ローカル線乗車も兼ねて「青島」というところに足を伸ばす。
JR九州は車両が渋いな。私が乗った日南線、2両目の一番前に座ったのだけど目の前が広々と開いていたのには驚いた。すんごく広い。解放感あるなー。なんだかマイ電車という気分。
これで具合がよければどんなによかったことか!
宮崎から田吉までの区間は前日通っていたのでどうでもよかったのだが、宮崎はやっぱり常蘇鉄の国だなー。
日本的な住宅の庭にほんとに蘇鉄がぼんぼん生えている。田吉を過ぎると田んぼや山、川がいきなり見えてくるのだが、へんなところから蘇鉄が生えているのがやっぱりミスマッチだった。センスがよろしくない。
あれ?確かこの日南線、海沿いを走っている線ではなかったっけ?
なんで海が全然見えないのだ?
と、疑問を抱かずにはいられないほど山や野や川のほうが多い。すぐ横を走っている道路が邪魔でしょうがない。
まあ、ローカル線なんてこんなものさ。体調も回復させながらのんびりそんなことを考えていた。
次に停まる「こどものくに」って駅は、こども用公園でもあるんだろうか。アスレチックやジャブジャブ池がたくさんあるような。
そんなことものんびり考えていたのだが・・・・

実際に停車してみたら子供が一気に30人くらい乗ってきて驚いた。
一気に占拠される車内。
当然私の目の前の広々スペースは幼稚園児で埋まってしまう。
みんな水色の帽子をかぶって微笑ましいなァ、と思いたいが、足元までぎっしり座っている園児たちを見ると
「あ!次が青島駅なのにこれじゃ降りられねェ!」しか思えない。
しかし、なんとか「ごめんね、降りるからどいてね」と園児たちによけてもらってなんとか下車。
かなり必死で降りたった青島駅なんだが

人の気配ゼロ

駅前の店、やってる気配ゼロ

駅周辺の民宿・ホテル・旅館、営業している気配ゼロ


・・・私がなぜ青島に行こうとしたのかというと、「鬼の洗濯板」と呼ばれる海岸のことをなんとなく知っていたからなのです。
あと、みらじゅん・安斎肇の「勝手に観光協会」で青島神社にあるろう人形館がオモロイと書かれていたからなのです。
つまり立派な観光地なのだろうと思っていたんだが、あまりの閑散振りに驚いた。
秘境駅だって閑散としているものだけど、あれはあらかじめ「人がいるわけがない」場所だから違うのです。
この青島は「人がいたんだけど、皆いなくなっちゃった」という感じ。灰色の空の下で人が消えた気配だから、当然オカルト度が高いですよ。
なんつっても一番でかいホテルらしき建物が廃墟だったからな。見るからにわかる感じの。
窓から破れた障子が丸見え。


そうは言っても営業している店や観光客もちらほらいるわけで、歩道橋の下で「パイナップルおいしいよー」と売っていたおばちゃんがいたので一個買って食べる。
うーまーいー
やっぱり二日酔いの翌日に食べるものは果物か蕎麦に限る。
歩いて青島に上陸。ここは江ノ島や竹島(蒲郡にあるのですよ、そんな島が)のように陸と繋がっているのです。
鬼の洗濯板は細長い岩が水平にずらずらーっと並んでいて圧巻であった。
地層とか好きな人にはたまらんだろう。わざと洗濯板の上を歩いたりしたが、洗濯板、無限に広がっているのでキリがなかった。途中でヤメ。
島をぐるりと歩いていくと青島神社が見えてきた。
手前に喫煙所があった。二日酔いの日は午前中はタバコなど一切吸えないのだが、胃薬ドリンクのおかげかかなり体調が回復していたので一服することに。
斜め前に見える神主の方々の事務所の扉が開け放たれていたんだが、たばこを吹かす神主の姿が見えた。
暇なのか。


そういえば今は一体何時なんだろう。
3時過ぎであった。
具合悪い悪いでなんも考えてなかったが、帰りの電車って何時なのか
携帯で時刻表を検索してみる。



15時53分 南宮崎行き



うああああ!
なんで計画性ない旅してんの俺!
帰りの飛行機の時間は16時25分じゃねーかよ!
しかも空港に行くには田吉って駅で乗り換えしなきゃいかんじゃないか。
田吉から宮崎空港への電車が次に出るのは16時2分



絶   対   に   間   に   合   わ   な   い



こんな現実を突きつけられながらも、この期に及んで「ろう人形館は10分くらいで回れるんだろうか」などと考えている自分がにくい。当然、無理だ。目の前に目的物件があるというのに、断念せざるをえないなんて!悔しい!悔しい!
ああ、なぜ神はこんな悪戯を私に課すのか!


言うまでもなく悪戯を課したのは私自身だ。
なんでそんなに呑んだんだよ。


忙しくお参りだけ済ませてもと来た道を戻る。
国道に出れば確かバスがあったはず。前日宮崎市内で青島行きのバスを見かけていたのだった。
思ったとおりバス亭があったので大慌てで辿り着いたが、またしても神の悪戯(いや、だから自業自得なんだが)、バスはちょうど出た後だった。
ついてない。
虚脱感に襲われるが、ぐったりしている場合ではない。廃虚のホテルをわき目に見ながら、まだ営業しているであろうホテルまで走る。ホテルに行けばタクシーが停まっているからだ。あるいはタクシー呼んでもらえるしな。
にしても廃虚ホテルの前に並ぶ食事処も店もすべて廃屋なのにはまたしてもオカルト感を感じざるをえなかった。かつての新婚旅行ブームの跡なんだろうな。痛々しい。昔のまま時が止まっている場所ならばまだよい。ここは、時が過ぎているのが確実にわかるから胸が痛むのだ。
しかし、まあ、そんなリゾートっぽいところに廃虚がならんでいる光景は他にはないので味わい深いのもまた事実。ちょうど純日本の田舎風景なのに変なところから蘇鉄が生えている宮崎ならではだな。
前にコザを訪ねた時にも書いたけど、誰でも行くようなキレイで新しい建物なんか面白くもなんともない。この廃虚や廃屋は日本の高度成長時、宮崎が南国楽園だったことを今に遺す遺跡なのだ。歴史があるのです。京都の寺院や世界遺産なんかよりももっと身近で生々しい、リアリズムな歴史が。
行きの飛行機が宮崎空港に着いた時、後に座っていた60くらいのおじさんが
「宮崎に来るのは新婚旅行以来なんですよ!」
と嬉しそうに隣の人に言っていたのが印象深かった。そんな歴史。

で、走って隣のホテルに着いたわたくしはホテルの人の計らいで無事タクシーを呼んでもらえたのだった。
ロビーで待っていたら巨人軍のサインがどーんと貼ってあった。
ああ、青島って巨人軍のキャンプ地なのか。
まだまだ現役の地でもあるのだな。



そんなわけでなんとかフライト時間には間に合った。
搭乗前に食べた日向夏ソフトクリームがうますぎてたまらなかったです。
宮崎はなかなか思い出深い土地になったな。誕生日をここで過ごせて満足だ。
本当は、高千穂鉄道に乗りたかったのですよ。
しかし残念ながら台風被害で未だ全線不通、廃線の危機に晒されているそうで、胸が痛むばかりだ。
というわけでろう人形館も
高千穂鉄道も
陰陽石も

まだ見てないので、宮崎また行かなきゃ。


ちなみに土産で買って帰ったのは「焼酎もなか」でした。
焼酎に懲りたんじゃなかったのか、俺。
でも私がいない間に掃けたみたいなので、実は食べてないのです。どんなんだったのだろう。
2005年10月19日(水)

岩手の夢は中野駅前で開く

1月、3月、8月と私の人生、北行きだった

と、無理やり「圭子の夢は夜ひらく」風に言ってみた。字あまりなんだが。
この三つの月に岩手県は北上市とその周辺に出向いたということです。
1年で3回。これはとんでもないリピート率だ。比べるとわかる。

今年一年で行った場所

北上 3回
東京ディズニーランド 0回
お台場 1回
タイ 0回
ニューヨーク 0回

という具合にダントツ。(沖縄3回仙台4回とかは除く)
リピートを繰り返すのは、「岩手県は意外とサブカルっぽいのの産地」などの理由もありますが、
まあ、一番安定した理由は「地元産のメシと酒がうまいから」でしょう。
そしてそれら特産物は、どうしても岩手県に行きたいんだけど行くことが出来ない(財力、スケジュールなどの問題)時にありがたみを発揮するのです。
歌舞伎座の正面に位置する「いわて銀河プラザ」で買い求められる産物の数々。
それらを口にすると、すぐに体の内側に北上山脈の光景が広がるというもの。
あなたがもし未だ岩手県に行ったことがないのなら、口腔から食道を駆け抜け、胃で消化されて夢のように消えていく味こそが岩手県なのだと思って欲しい。そして来るべき岩手来訪の日に備えるがいいだろう。岩手の大地を踏みしめた瞬間に感動が2倍以上に膨れ上がるだろうから。

岩手、北上から遠く離れた土地で、そこの産物を口にする機会など滅多にあるものじゃありません。
特産物は先述の「いわて銀河プラザ」に行けば買える事は買える。
でも岩手県はとても広い。
私は、自身が何度も足を運んだ北上地方を味わっていただきたいッ!
それにはこれに行ってもらうのが一番なのですよ。


いわて北上・湯田・沢内まるごと観光物産展
10月14日、15日、16日
会場 中野サンプラザ
朝10:00くらいから
http://www.iwanichi.co.jp/iwanichi01/news/kita/10gatu/news-kita_04.htm


適切な紹介ページが見つからなかった。失敬。
北上市、湯田町、沢内村の名産品、特産品が盛りだくさんです。
私も去年足を運ばせていただきました。ふきのとうの味噌や山菜の水煮がうまかった!
湯田は8月東北来訪時に寄ったけど、風呂上りに飲んだヨーグルトが新鮮だった記憶があります。
この物産展でも飲むヨーグルト、および普通のヨーグルトやプリンが売られておりましたな。確か売り切れ続出だったような。
そしてこの物産展で一番の注目は、当然の如く

「北上の地酒 喜久盛」

なのです。
もうこの日記では何度となく推しておりますが、何度でも書かずにはいられない。
日本は米の国、日本酒酒蔵も数あれど、日本酒を滅多に買わない若い層に革命を起こそうとしているのは
この喜久盛だけなんですよ!日本で唯一無二!
ニューウェーブ・オブ・日本酒酒蔵!
「日本酒なんてジジくせえ」「酔っ払うとアホになってしまうから手が出せない」
「銘柄とか表示とか、さっぱりわからないことが多すぎて敬遠」なんて人にこそ、喜久盛の酒を飲んでいただきたいと思うのです。
ガバガバ飲む必要なんてない。少量をちびっと飲むだけでも構わない。
日本酒は日本の誇り。敬遠や否定なんかされるべきではない。もっと愛されて欲しい。

会場では喜久盛社長、藤村さんが売ってらっしゃいますので、まずは試飲から。
赤犬大艶会も、赤犬大艶会の前掛けも販売なので、赤犬ファンの方々も駆けつけるべき。

ちなみにだ、土曜日は不肖、わたくしめが売り子をさせていただくことになりました。
朝から晩まで中野サンプラザ前広場におります。
前掛け締めてお待ちしております。押忍。
遊びにきて酔っ払っちゃってください。わしは酔っ払わないようにがんばるよ。


というわけで、「いわて北上・湯田・沢内まるごと観光物産展」
お時間があったら是非足を運んでいただきたい。
岩手への第一歩は中野から。
むしろ岩手県中野区。あるいは東京都中野区岩手。どちらでも。
2005年10月14日(金)

【5周年記念】ポワーンチャンピオンカーニバル その4【マダヤルヨ】

ちょうど1年くらい前のこと。台湾にて足ツボマッサージをした際に、カタコトの日本語を話すマッサージ師に
「アナタ、アタマワルイネ」
と宣告されたことがある。
失敬な!なんという指摘!と驚いたが、なんてことはない、頭が悪いというのは眠りが浅いという意味なのだった。
これは実は鋭い指摘で、私は何時間寝ても「あーよく寝た」と満足感を得られることが出来ないのです。
眠りに落ちるのは早いのだが、実はちょこちょこ目が覚める。すぐ寝るけど。覚えてないことが多いが覚えていることも多い。
あと常に夢を見ている状態。熟睡ってどんな感覚だったか、もうよくわからん。
で、そういうのは「熟眠障害」というらしいのです。

>眠りが浅いと感じる状態をいいます。これは、寝付いたにもかかわらず途中で何度も目が覚めてしまう
>中途覚醒(ちゅうとかくせい)が原因となっている場合があります。
>しかし、尿意や夢をはじめとする何らかの原因で眠りが中断されても、
>その時間が短いと夜中に目覚めたという記憶がないこともあります。
>そのため、中途覚醒の自覚のあるなしにかかわらず、ぐっすり眠った、
>熟睡したという感覚が得られない場合は、熟眠障害を疑ってみる必要があります。

起きる時が一番疲労しているからな。
ちなみに以前、「朝7時に起きられない体なんだ私は!」という日記を書いたけど、これも立派な睡眠障害で「睡眠相後退症候群」か「リズム性睡眠障害」というそうな。単なる怠け体質じゃねえんだ、とその時も書いたけど、ほんとにそうだったんですね。病気か。
ついでに、これも前に書いたけど、金縛りになる率も非常に高い。これも浅い眠り(レム睡眠)のせいだそうで。

深い眠りに落ちたい!心底!

もう眠くて頭が痛いとかはいやなんじゃー(事実、今、偏頭痛中)

と叫ぶ一方、浅い眠りによってもたらされる夢のよな夢ももうちょっと見ていたい。
昨日の夢にはリー村山氏が出てきました。
めくるめくロマンス。ほとばしる熱いパトス。ってそれはエヴァンゲリオンだった。意味違うし。
そんな感じの激夢だった。
夢を終わらせたくなくて意地で寝ていたしな、最後は。せーめーてー夢の中ででもー、と「働く男」ばりに歌ってしまうのです。
やっぱり疲れているのか、俺。
(でもリー村山氏がかっこよすぎるからしょうがない)




もうすでにポワーンチャンピオンカーニバルは終わったものだと思われがちですが、どっこい終わっていないのです。
単に合間に旅が多めになってしまったので、そっちを先にやっつけておきたかっただけなんで。(って宮崎編まだ終わってないんだけど)
つうわけで第四回目。藤竜也だッ!どうだ、メジャーだ!



藤竜也といえば言わずと知れた「愛のコリーダ」
しかし私の中で最初に藤竜也を認識したのはナンシー関のコラムでした。テレビ朝日系ドラマ「裏刑事(ウラデカ、と読む)」の主演、藤竜也はまぬけと散々書かれていたのだ。

「裏刑事」の簡単なあらすじ
>間の裏切りにより、乗り込んだ現場で銃弾を浴びた警視庁捜査一課の佐々木。
>しかし彼は心臓にペースメーカーを付け、岩城丈二という新たな名前で蘇った。
>岩城は超法規委員会が組織し、その活動が表には現れない闇の組織「裏刑事(URADEKA)」の中心人物として凶悪犯を追いつめていく。

ナンシー関版あらすじ
>「スケ番刑事」と「仮面ライダー」と「キカイダー」と「ハングマン」を足して5で割ったようなキワモノ

なんという無理のある話!
ちなみに私は一度も見たことがありません。見てぇ。
「愛のコリーダ」を見たのは21世紀に入ってからなので、実際に藤竜也目撃したのは「恋はあせらず」というドラマでございました。
織田裕二の底抜けに明るい主題歌がやたら印象に残ってるんだが。確か、小雪のデビューはこのドラマだったと記憶しているんだが。
これも織田裕二が沖縄からクロコダイルダンディのような格好で上京という無理のある設定だったな。藤竜也はバーテン役だったのだけど、やたら渋いお人だなと思っておりました。
で、「愛のコリーダ」
この映画を見てから「藤竜也を見るとムラムラする」と思ったんだった。
いやあ、ここまで精液の臭いがプンプンする映画はあまりなかろう。
生々しいのですよ。だからエロい。
特に首絞められて「お前がいいなら、俺は死んでもいいんだ」なんていうところが。ああ(回想中)
性行為自体が生々しくはないんだけどな、映画に流れる空気や色調、そして松田英子と藤竜也が生々しいんだな。

で、こないだまでやってた「汚れた舌」
藤竜也のエロフェロモンが爆発。テレビでベッドシーンなどやってはいかん。
ほんとに濃厚すぎたから。あれこそディープインパクト。




↑イイ画像が見つからなかったがNO問題

すなわち、私にとって藤竜也こそが「エロスの象徴」なのですよ。
ああいう色気にほんとに弱い。
濃厚超辛口の日本酒のよう。あ、どっちかというとウィスキーっぽいか。

そして今やってる朝ドラには藤竜也が出てるんだよな
もう出てるんだっけか?朝から眼福は好ましい状況なのです。


改めて、藤竜也、エロス!ギガエロス!
2005年10月11日(火)

ミヤザキマサコ 前編

今さっき「移動がものすごく好きな人って狩猟民族なんだって」と言われたので私はおそらく狩猟民族なんでしょう。
男狩り・・・!ってそれはヤマジュンだけど。
狩猟民族としては、誕生日にはるばる南九州は宮崎まで行けるなんて、もうこれ以上ないプレゼント。
女、ヤツザキマサコ、26歳の旅立ちを南九州で迎えられるとは思っても見ませんでした。この調子で今年も諸国漫遊(出張だけど)したいと思う所存。
今年は酒で失敗しないようにしたいと固く思うのです。

出発に備えて、奥田英朗の新作「ララピポ」を購入。
いやー奥田英朗はホントにおもしろい。
そういや7月に岡山行った時も機内で「サウスバウンド」を貪るように読んでいたんだった。
そういや去年11月に福島の漁村に行った時は「邪魔」を一気読みしたんだった。
で、秋田で「最悪」を読んで大阪ン時は「イン・ザ・プール」読んで・・・ああ、奥田英朗の小説は旅の友。
なんつっても複数の人間が同時に動き回って、おのおのが接触しあったり、通り過ぎたり、重なり合ったりという臨場感がいい。今で言うと「24」みたいって表現になるんでしょうか。昔見た「ショートカッツ」って映画が一番近い感じだと思うのだけど。
この「ララピポ」はどうしようもなくて救いようのない、また未来もない人たちばかりの話で、登場人物が魅力ゼロ、むしろマイナスなのがいい。奥田英朗の小説は、意味のわからない自信に満ちている人の頭の中を描いている時が一番光っている、と私は思っているのだけれど。
あ、「サウスバウンド」は結構希望のある話でそれはそれでおもしろいです。何よりも八重山に行きたくなることこの上なし。
http://www.walkerplus.com/tokyo/20050705/bo1917_pkup.html


あ、八重山ではなく宮崎の話だった。
スカイネットアジア航空やJALでいけばそれなりに便もあったみたいなんだが、目下ANAでマイレージ貯め中なんで便少な彦なANAで。
朝の便が終わったら次の便は夕方なのもあってか満席。「便を次の便に変えていただけるお客様、謝礼金として1万円お支払いいたしますー」というアナウンスが何度も流れた。喜んで協力させてクレー、と思ったが、次の便に変更してしまったら仕事に間に合わない。一万円獲得ならず。
先述の「ララピポ」を読んでいるうちに宮崎到着。
東京も天気が悪かったが、宮崎も曇天模様。どんより。でも10月なのに空気が生ぬるくてじめじめしている。
ここは常梅雨の国なのか。
梅雨っぽい空気ではあるものの、かろうじてまだ雨は降っていなかった。どんよりどよどよした空の下にこれでもか!というほどソテツが立ち並んでいる。
南国アピールぶり、必死だな。でも曇天模様にソテツは似合わない。なんだか寂しい。このソテツたちは台風が来た時にはびゅんびゅん撓ったことだろう。逞しいがやっぱり寂しい。

宮崎空港が珍しいのは、すぐそばまで電車が伸びていること。今まで降り立った地方空港は、ほぼ100%「中心街に行くにはバスに乗らなければいけない」ところだった。そうじゃないところも沢山あって私が知らないだけなのかもしれないが。なので今回は空港から宮崎まで電車でGO!
あ、そういえばJR九州を利用するのは初めてだわ。
と思ってホームに行くと、いきなり出迎えてくれたのが特急車両。
うわーこれは!
にちりん!真っ赤っ赤!
しまった、特急きっぷ買ってねーや!急いで買いなおそうか?と激しく動揺するが、これは単に宮崎空港〜宮崎区間を特急車両を使って運行しているだけらしい。
すなわちローカル線扱い。
でもローカル線なのに一番前の車両は喫煙車両だからね。さすがだ。
後ろ向きのまま発車。秋田新幹線やワイドビューふじかわを彷彿とさせる。
車窓からの風景は民家大目。でもところどころにソテツが生えていて、南国を標榜しているのに庶民的リアリズムなのがミスマッチでおかしい。
3駅ほどで宮崎駅到着。

宮崎駅前も過剰にソテツが植えられておりました。
常梅雨じゃないな、もはや。常蘇鉄の国といった方がいいかもしれない。季節じゃないが。
駅でお客さん(秋田や沖縄も一緒に行ってしこたま飲んだ人)と落ち合って昼食。
宮崎名物のもんを食いに行くのか思いきやオムライス屋へ。お客さん曰く「チキン南蛮はおいしくなかった」そうで。私の中のチキン南蛮のイメージは「ベントマン」なんだけどな。
お客さんは奄美大島から宮崎入りしたそうで、奄美の酒がいかに美味かったかを力説していらっしゃった。宮崎にはあまり期待していないらしい。そりゃー南の島のほうがいいだろうよ。

お客さんといったん別れて宿に向かう。向かった瞬間から曇り空からぱらぱらと雫が落ちてきてなんじゃーと思ってたら一瞬にして大雨に。
シャワーの一番強いやつのように打ちつけてくる。
これは大雨ではない。立派な集中豪雨だ。
無論、ずぶ濡れ。
かろうじて傘は購入したものの、傘さしている意味ナッシング。いったんタクシー乗車を拒否られたほど。それでもなんとか宿につく。が、まだチェックインできない。荷物だけ預けて再び出たらタクシーが今度は全然来ない。
大淀川という川のほとりの宿であったので、大淀川を望む位置にビニールテントのあずま家(ルンペン住宅ではなく観光客用なんだろう)が立ち並んでいた。そこでタクシーを待つ。
あたり一面雨の音しかしない。車が走る国道がすぐ先に走っているはずなのに、激しい雨の音にすべてかき消されてしまっているのだった。
目の前の雄大な川も雨で青銅色に濁っている。
やっぱり宮崎、常梅雨の国。常露と書いたらちょっとかっこいい。
台風14号の被害がいまだ甚大だというのにこんな雨が降ってたらたまらんな。


そんなこんなで作業へ
作業自体は滞りありつつ、でもまあ、とにかく無事終了


再び宿へ。
宿は「たまゆら温泉」というのが出ているところでございました。
大淀川に夕日が落ちる瞬間を眺めるのがいいらしいのだが、外は絶望的なほどの雨。夕日なんか見られやしねぇ。あと「たまゆら」という川端康成の朝の連続テレビ小説(川端康成ってこういうのも書く人だったのか、橋田壽賀子と並んでるな)があったそうな。
それは40年前のこと。主演が笠智衆だもんなー。そして扇千影まで出てら。
このドラマのブレイクで宮崎は観光地として賑わったらしいのだが・・・それも遥か昔のこと。なんだか切ない。栄あれば衰えあり。
しかし温泉はなかなかのもんでした。
時間帯がよかったのか、内風呂も露天風呂もひとり貸し切り状態。
このお湯に入ると、私の気のせいでないのだとしたら、肌がつるつるになった。
嘗めるとしょっぱいのでこりゃー塩素かよ、と思ったら弱アルカリ性ナトリウム塩化物温泉だそうで、別に塩素ではないらしい。
宮崎いいところ。川端康成でなくとも2週間くらい滞在したくなるわな。

余談だが私が滞在したホテルは「文芸道場九州大会」の会場だったようで、高校生がうじゃうじゃ。文芸道場?つーことは文芸部寄り集まりの会なのか?
なんだか非常に「詩のボクシング」臭がするな。

そして夜。
宮崎といえば地鶏だそうで。実は私はあまり知らなかった。
お客さんが「丸万て店が有名らしいよ」つーので行ったら、いきなり「一本でいいですかね」といわれてびっくり。メニューないのか。わけのわからないまま、「はあ、じゃあそれで」と注文すると「レアのほうがおすすめなんで〜」と表面だけが焼けて中は赤身の鶏肉が目の前にどーん。
なんだか知らないが豪快だ。
で、食ってみる。美味!
地鶏de誕生日てのはなかなかオツだ。しかも一本食べたらそれだけでお腹にたまるのね。その店は鶏だけで終了。
焼酎を飲みたかったが、ビールに鶏だけで十分であった。

宮崎の繁華街、通称「ニシタチ」は結構でかいのな。酒で潤っている街なんだなと思う。規模でいえば国分町レベルであった。
飲み屋街と風俗街が直結しているので、地鶏の店のほど近くにソープが普通にある。「ソープランド 現代」ってすごいネーミング。
裏道のほうを歩いていって、この店よさそうじゃないですか、と小料理屋「ひぜん屋」というところが2軒目。なぜ宮崎で肥前?と思ったら女将さんが長崎の方なんだそうだ。
ついに焼酎とご対面、否、対決。
私は芋焼酎の、消毒液のようなにおいのキツさが苦手なのです。
宮崎で焼酎を飲まないわけにはいかんだろうよ、と思いながらも霧島をロックで頼んだ時点では不安な気持ちがよぎった。
運ばれてきた焼酎がロックなのに大きいコップになみなみと注がれていたのを見たときもクラクラした。
大丈夫なのか・・・飲めんのかー!

しかし実際に飲んでみたところ、霧島、案外においキツくないのですな。
聞けば霧島は霧島でも、有名な「黒霧島」ではなく「白霧島」だったのでした。
すなわち度数が20度とやや低め。焼酎、イケるじゃねーか!楽勝、楽勝!
と、意気揚々と「たちばな」
これもクセがない。むしろウマい。焼酎ブームには乗らなかったが焼酎っていいもんなんだなあ!と見直す。

しかし、三杯目の「木挽」

これが難敵であった。
モロに消毒液のにおい。
ほんとに焼酎が好きな人が飲む焼酎。
一面クリボー、二面ノコノコと順調に倒していったのにいきなりクッパ大王が現われたかのようだ。
宮崎の街角でもこの「木挽」の看板をよく見かけたから、地元の支持率は相当高いのだろう。これはギブアップしかけた。女将さんイチオシの「春雨サラダ」をもりもり食べて口直しの連続。
焼酎は全然楽勝ではないのな。甘かった・・・

木挽を異常に時間をかけて飲み干した後は「庄三郎」
木挽の後だけにクセがなく感じられる。ありがたや。
でも実際には、結構キツい酒だったのだろう。木挽マジックでなんとかなった。
霧島→たちばな→庄三郎→木挽の順で気に入りました。


そんで3件目
もうお客さんは具合が悪くてギブ気味だったのだが、私はテンション上がっちゃって適当にぐるぐる回って入店。
不覚にも!
店の名前おぼえてねー!
海童という焼酎飲んで、ウィスキー水割り飲んでバーボンソーダ飲んで、常連のお客さんとも話して
すっごくすっごくすっごく楽しかった気がするんだが















・・・・・なんも覚えてないんだよな












どうやってホテルまで戻ったのかも
なんて店だったのかも
覚えていない。
お客さんがいつ帰ったのかも覚えていない(途中で帰ったことはかろうじて覚えている)
マスターが宮崎弁全開だったことは覚えてるんだが・・・





26になって最初の飲みがこんなんでどうすんだ、俺

今年もヨッパが続きそうです。



続く

2005年10月05日(水)

リアル鉄子の旅 秘境駅眺め二本場

(前回の続き)

そうは問屋が卸さないのです。
問屋って誰だ?俺だ。


翌日、9月24日
昼間に友人と電話で話していて、急に思いついたかのように長野県に出かけることにする。
ほんとに思いつき。思いつきの機動力はすごい。
目的は、鉄子を読んでいる人にとってはただひとつ。

飯田線に乗りたい━━━━(°∀°)━━━━!!!!!!!!!!

これだけです。それだけのために高速バス乗車。
友人と落ち合ってまずは呑み。飯田の日本酒は喜久水率95%くらいなんだが、この日行った店ではなぜか沖縄気分を引きずって泡盛ばかり。しかも沖縄では全然飲まなかった「時雨」をよく飲んだ。今まであまり注目して見ていなかったのだけれど、時雨はラベルがかわいいのだな。
泡盛をたんまり飲んだ後に、満を持して「大信州」
超辛口の純吟だったのですが、これが口当たりが素晴らしくよい。スキッとしていて、無駄がない。キレ味も抜群。
これは美味だなーいくらでも呑める。超辛口ということでいろいろな覚悟をして口にしたけれど、辛口なことはあまり気にならず、とにかくスッキリした酒だった。水がいいんだろうな。あまりスッキリばかり強調していると「じゃあ旨味はあまりないのか」と突っ込まれそうだけど、スッキリしているのに米の旨味も十分堪能できるからすごい。
口の中にアルプス山脈がそびえたち、、そこから広大な平野に澄んだ川が広がるかのよう。まさに大信州。

その後は地方で飲むといったらスナックにいかなきゃ始まらないってんでスナックへ。
といってもどこが行き着けとかは何もないので、適当に選んだのは「モンブラン」という店だった。
なんとなく「紋舞らん」っぽいからくらいの理由。
ちょうどマスターが帰るところだったので「あ、もう閉店ですかね?」と尋ねたところ
「いやぁさあ、客が来ないから今閉めようと思ってたところなんだよねええ」

↑なぜおもしろくもなんともない一文をわざわざ太字にしているのかというと、
このマスター、とてつもなく声がでかかったのですよ。この声のでかさを表現するには文字をでかくするか太字にするかしか思いつかん。とにかくデカい。私も声デカイと散々言われてきたが、私の声のデカさなどは平幕力士、よくて小結くらいなもんだった。
このマスターが横綱であるならば。
そしてマスターは話好きなんだろうか、いろんなことが飛び出す飛び出す。

「飯田は香川県より大きいんだよ!」
「飯田にある飲み屋の数は全国2位」
「飯田には沖縄の人が多い」
「俺はゴスペルを習っている」

溢れる飯田愛、そして声のでかさ納得。
スナックなんでウィスキー水割りをずっと飲んでいたのだけど、マスターの厚意で「夢想仙楽」という焼酎をいただく。
これが焼酎なのにほぼ洋酒。
聞けばシェリー酒を漬けた後の樽で熟成させているらしい。そりゃ洋酒の味がするわな。
焼酎のクセが好きになれずにいたのだけれど、これはいい。私もやっと焼酎に一歩近づいた。


という具合に大酔っ払いナイトだったので、翌日起きることができないんではないかとヒヤヒヤしたが、
なんとか午前中に起床。鉄ならば早起きをしなければならなかったのだけど、早朝に起きることが不可能なことはあらかじめわかっていたので寝る前に時刻表を見ておいたのだった。
なんつっても飯田線は2時間に一本だから。
酒が残ったまま、駅へ。
電車の中で駅弁を食おうと思ったのだけど、「飯田駅には駅弁は売っていない」と言われたのでユニーで炒飯弁当を購入。
乗り込んだ後、弁当を食おうとしたらスプーンも箸もついてなくてあせった。
が、友人が機転をきかせて箸を二膳貰っておいてくれたので難を逃れる。

さて、今回の飯田線乗車の目的は、本来は「秘境駅で降りてみたい」だったのだけど
秘境駅で降りた場合には容易に戻ってこれないことがわかっていたので、秘境駅を通り過ぎてみる、にとどまる。
ちなみに秘境駅というのは

「秘境駅(ひきょうえき)は、山奥や原野など、人里から離れた箇所に所在する過疎地の鉄道駅を指した鉄道ファンによる呼称。
鉄道路線と集落までの間に距離がある、登山などの目的の人が利用する、昔は集落があったが過疎化により消滅したなどの理由によって、人家のほとんどない地帯に存在する。当然、日常的に利用する人はほとんどおらず、また列車の停車本数が少ないケースが多いが、一部の鉄道ファンには人気がある。しかし日常的に利用する人がいないことから、昨今では駅や場合によっては路線自体が廃止される事が多く、そういった秘境駅は減少傾向にあるといえる。」(ウィキペディアより引用)

のことでございます。
「鉄子の旅」にもよく出てくるのですが、秘境駅といったらなんつっても牛山隆信氏の
「秘境駅へ行こう」
なんですよ!これはスゴイ!見ているだけで秘境駅に行きたくなる!(人差し指を激しく振りながら)
この「秘境駅へ行こう」のページを見ればおわかりになると思うのですが、
飯田線は全国屈指の秘境駅を有する路線なのです。
秘境駅ランキング1〜10位の中に2駅も送り込んでいるのは飯田線だけだ。北海道だって叶いやしない。
そんな人里離れたところにひっそりと位置する秘境駅、飯田駅からもさぞ遠いのだろうと思っていたのですが・・・

飯田からは1時間以内で行けるのな
しかも天竜峡を越えたところからはすべて秘境駅という素晴らしいロケーションなのだ。
おそるべし飯田線。

とりあえず、我々は「平岡」という駅を目指すことにしました。
この秘境駅銀座の中ではまだ大きい駅らしい。始発も出るし終点でもあるし、特急も止まるし。
天竜峡までは普通の町並み。若干畑が多くなるが、天竜川もまだ暴れ狂ってないし、天竜峡なんか駅にライン下りの船頭さんの格好をさせられたマネキン(バタくさい顔)が置いてあるしで十分観光地である。
しかし、天竜峡駅を出発し、トンネルを抜けるとそこから景色は一転する。

天竜峡駅


トンネル

千代駅


なんだこの差。ちなみに進行方向に向かって左側は全部ガケで、右側は天竜川ギリギリ。
こんなとこを6区間も進んでいくのです。トンネルばかりなんだけど。
トンネルとトンネルの間にかろうじて駅があり、その駅は崖ぎりぎりのところにへばりついているだけ。あたりに人の気配はない。
ちなみに千代駅は秘境駅だったけど、歌謡曲のカセットのようなものが流れているのが、僅かに停車した時に聞こえてきた。
天竜峡下りを終えた人たちらしき人たちを乗せたワゴン車が止まっていたから、いちおう客寄せのつもりだったんだろうか。

この区間にはもちろん秘境駅でない駅も含まれておりました。
ひとつは門倉駅。横に泰阜ダムと発電所がある。長野在住の友人が「ペログリ知事はここに住民票を移そうとしてたんだ」と教えてくれた。秘境駅ではないと言っても人の影はあまりないんだが。
もうひとつは温田駅。ここでは高校生がたくさん下車していきました。白線流しを勝手に連想してみた。

それ以外はすべて秘境駅。とくに印象的だったのは為栗という駅か。
吊り橋のようなものが見えたけど人がまったくいないから、朽ち果ててそうだ。こえー。
駅よりも何よりも、一番印象に残っているのは天竜川なのだけどね。とにかくでかい。雄大。日本にもまだ大自然は残っているんだなー。これぞ手つかず。あと天竜川ってサンダーストームがものすごく起きそうで、すなわち強そうだ。チョップとか効くぜ、絶対に。
ちなみに田本駅には男性がいたけど乗ってこなかった。あれは間違いなく鉄ヲタだろう。

そして平岡駅。
天龍村(それにしてもこっちも強そうな村だな)というところにあり、このあたりにしてはデカい駅なので、駅舎も立派。
駅舎に温泉と宿泊施設がくっついていて、こーれは温泉に入るしかないだろう、と思われたが、私に月のモノがきていたので温泉入浴断念。
かわりにせっかくなので天竜川の近くまで行くことにする。駅からも川が見えるのですぐ着くだろうと思ったんだけど
実は、高低差がハンパないのだった。傾斜60度はあったねありゃ。
民家と民家の間の細い階段をすりぬけて(まるで「転校生」のようでした)、道をくだってくだっていっても人のいる気配がまったくない。全部廃屋?ゴーストタウンなのかね、と思ってたら、川近くのゲートボール場(ここも平地ではなかった、難易度高)にお年寄りが大集合であった。日曜の昼下がりだったからね。

橋を渡ってなんとか河原についたものの、河原は石っつーか岩が盛りだくさん。
おまけにこの日は快晴。紫外線を遮るものは何もないので、どんどん肌が焼けていくのを実感できる。
友人が「長野は沖縄に次いで紫外線が強いところなんだって」と言っていたが、私はなんで紫外線が強いところばかり渡り歩いているのだ。ちなみに新潟でも土方並みに焼けたし。
そんな炎天下の中、弁当の残りをつまみながら橋口亮輔監督の映画の話といういつも通りのどうでもいい会話をしていたような。
なぜ大自然のほとりで「渚のシンドバット」や「二十歳の微熱」の話なんだか。
いい加減肌も焼けたので、戻ることにする。今度は岩を渡って戻ることにしたのだが、結構川の中に岩が転がっているのにこれが結構サバイバル。「風雲!たけし城」の発泡スチロールの岩を渡って向こう岸にたどり着くゲームのようだった。
川を渡り終えてもサバイバルは終わらない。
今度は駅に向かって細い道を登っていかねばならなかったから。民家の横をすりぬけてすりぬけて、迷路のような道を「たぶんこっちだろう」「ここの道でいいはず」と進んでいったら無事駅にたどり着いて一安心。
すっかり汗だく。
ちなみに駅には売店があったのだけれど、普通のさばの缶詰のようなものが100円で売っていたり、「ドラゴン商品券」というどこで使えるか不明な商品券を扱っていたりしてなかなか味わい深かった。
そして駅長さんがサービス精神満点。こういう駅はいつまでも残っていただきたいものだ。


で、帰りは特急「ワイドビュー伊那路」で帰る俺たち。


ローカル線旅には邪道!と思われるかもしれないが、この特急に乗らないと東京に戻るバスに間に合わなかったんだ。やむなし。
次回は是非とも秘境駅下車を果たしたいものである。駅寝はしないけどね。


そして明日はちょっくら宮崎行ってきますわー
ちょうど「勝手に観光協会」でも宮崎編やっていたのでナイスタイミング。
南九州初上陸なのです。まあ、今回は飛行機ですけどね(前回熊本行った時は夜行列車利用)

2005年10月04日(火)

リアル鉄子の旅 SL一本場

もし我が家に車があったならば
もし我が家が「最寄のスーパーが車で20分のところ」という場所にあったならば

たぶん、今頃は車を乗り回していたんじゃないかと思います。
徒歩5分のところにあるコンビニにも車で向かっていたんじゃないかと思います。
車の種類に異常に詳しくなり、「頭文字D」を愛読書にしていたんじゃないかと思います。

すべて想像の世界ですけども。
我が家には車なんてないし、スーパーは徒歩3分のところにあるし、
どこかに行くためには地下鉄に乗ればいいのだし。
生活する上で「車があったら便利だろうなー」とは時々思うこともあるけれど
「車がなかったら不便だなー」と思うことはほとんどない。
そういう環境に長年生きていたので、「車を運転する必要性」もなかったのです。
ただ、大人になって、「免許がないと不便だなー」と思うようなことは多いので、免許だけは取りました。

現在の仕事は「遠くに行くこと」が多いです。
ただの遠くではありません。
山間の工場、田んぼの真ん中の工場、海のそばにある工場。そんなところばかり。
すなわちすべて「車で行く」ことを前提とした「遠く」なのであります。

車が運転できない私には大変な旅なのです。
それでも行くしかないのです。

だから、私は、電車を乗り継いで乗り継いで、
田舎の畦道を歩いて歩いて、
今までいろんなところに行ってきました。
電車が自分の足のように思えてくるのは、ごく自然なことなのです。
だから電車が好きなのです。
電車は案外万能で、行こうと思ってるところのほぼ近くまでは伸びているのです。

それどころか、鉄道は
「え!こんなところ、行く必要もないんじゃないのか?」
というところまで連れて行ってくれるから凄いんです。
寄り道、通り道、乗り換え駅。
それは車ですっ飛ばしたら決して出会えないところばかりなのです。
鉄道のこの、一見ムダのような行動をしてしまうところが好きなのです。
どうしようもないように思えて、実は他の誰もかなわない個性を持っているいい男のようだ。


沖縄はいいところですが、ひとつだけ物足りない部分がありました。
それは「鉄道が足りない」の一点に尽きる。
別になくても気になりはしないんだが、ふらりと本屋に立ち寄った際、無意識のうちに手を伸ばして即購入をしてしまったのは
「鉄子の旅」でございました。
鉄子の旅は、前々から読んだら確実にハマることがわかっていた漫画でした。存在を知っていながらなぜか今まで読む機会もなく、自分から購入する機会もなく過ごしていたのだけど、なぜもっと早く読んでいなかったんだろう。自分でもさっぱりわからない。めぐり合わせとはそういうもんなんだろう。
というわけで、うだるような暑さの中鉄子を読むと、事前に予想していた通り、魅惑のローカル線紀行と超特急級ハイテンション鉄ヲタの横見氏にずっぱまり。とくに横見氏の「これはスゴイ!絶対すごい!見ないと損する!」などという言い方は普通に口から飛び出すようになっていた。気がつけば人差し指を振るってしまうほど。

沖縄から帰ってきた直後から、いや、帰りの飛行機の中から私の頭の中を駆け巡っていたのは巨大な日本全国路線図。
ローカル線に乗りたい!乗らないといかん!
絶対すごいから!
この衝動を止められない!(すべて横見調)

というわけで、帰ってきたその日から枕元にはマップルの全国地域別地図と時刻表(当然ながら1000円のやつですよ)、寝る前にはくまなく地図を見てはそこに辿り着くにはどんな乗換えをすればいいのかを調べてワクワクする毎日。
って、地図も時刻表もわざわざ用意したのではなく、常に枕元に置いてあったのだけれど。前からやってたことだった。
ローカル線も案外乗ってるしな。こないだも北上線乗ってきたばっかだった。
つまりそんなにハイテンションになるほどのことでもなかったのだ。なーんだ。

しかし、「鉄子」を読んでいると、いてもたってもいられなくなるのです。
ちょうどこないだ細野さんのライブを見た時と同じ感覚。
漫画の中で「行けばわかる!この駅はいい!」とハイテンションではしゃぐ横見氏がうらやましくてしょうがなくなるのだ。
俺だって行きたい!行ってわかりたい!


そんなわけで9月23日はお彼岸にちなんで墓参りをしていたのだけど、
その後は東武東上線で寄居まで行ってみた。埼玉も相当奥地だ。
まあ、私の寄居のイメージは「ドキュンな殺人事件がよく起こるところ」なんだけど。
一番印象に残っているのは熊谷拉致4人殺傷事件というもの。あ、寄居じゃなくて舞台は熊谷だったわ。
この事件は、かいつまんで言うと暴力団員(ヤク中)と無職の15歳少年が
無職16歳少女に「むかつくからやっちゃって」とそそのかされて、男性をめった刺しにして殺害。
口封じのためだけに同じアパートに住む3人の女性を拉致して殺傷するという、日本の低階層丸出しの事件でございました。確か2年くらい前なんだけど。
この16歳無職少女(キティちゃんのスリッパにスエット着用で出歩いてたんだろう)が確か寄居に住んでたとかニュースで言っていたのを記憶してたのです。
つい先ごろもW不倫の女が相手の男を轢き殺したなんてのがありましたね。そういう町。
そこからなんとなく秩父鉄道に乗り換えて秩父方面へ。
駅弁を期待していたが、寄居駅では駅弁売っていなかった。残念。
別にどこで降りるなどの予定はなかったので、寄居から秩父に出てそこから西武秩父線→池袋線乗り継いで池袋に戻ってこようかと思っていたのだけど、なんとなく「親鼻」という名前の駅で降り立ってみた。
何もない。
名前の由来の看板すらない。
次に来た列車に乗って去っていこうと思ったら駅員さんが
「次は熊谷方面だねーその前にSLが通過するから」
と言うではないか。

エスのエル!!!!!!

私が磐越西線でも乗り逃したあいつが!
あいつが来るというのか!ギャース!

しかしここは親鼻、通過駅。乗ることは不可能。
SLは 青森並みに 縁ナシか
ちくしょう。一句出来上がってしまったじゃないか。

そんな私の心中などおかまいなしに遠くから「ポーッ」という音が聞こえてきて、
豆粒のような黒い点がどんどん近づいてくる。
つらい。くるしい。
さっさと通り過ぎてくれ。通り過ぎていってくれよ!ヒュー・コーンウェル並みに叫びたくなる。
強く願わなくともSL車両は、まるでこの駅なんか知らなかったかのように通り過ぎていくのだった。
ほとんど減速することもなしに。おかげで、ホームの白線ぎりぎりに立っていた私は大層怖い思いをした。
諦めながら次に来たローカル線に乗る。秩父に行くはずだったのに、逆方面だ。でもその時はそんなこと考えている余裕はなかった。
まあ、熊谷に出ても、寄居に戻っても帰ることできるしな、くらいの心持しかなかった。

しかーし!
長瀞に着いた私の目に飛び込んできたのは、さっき通り過ぎていったエスのエルだったのです!

走って降りてSLに駆け込む。
一発逆転。人生何が起こるかわからない。
そのままSLに揺られながら熊谷まで。
車窓から見える風景はのどかな田んぼばかりだったけど、ここいらは名うての殺人事件の舞台なんだなーとか考えていた。
(愛犬家殺人事件や本庄保険金殺人やら)
車内は小学生や子供連れで溢れかえっていて大変よかった。
私も子供を産むことがあるならば、夜行列車やSLにバンバン乗せてやりたいものなー。
むしろ鉄郎の名前を譲ってあげたい。俺の子ならば必ずや鉄郎になるだろうよ。産む予定ないけど。
ちなみに小学生女子たちが
「××ちゃんは○○くんと付き合ってるんだって〜」
「えーあたしも●●くんと付き合いたい〜」
という会話をしていたのにはビックリした。早熟。岡村ちゃんばりに。


そして熊谷から高崎線で帰京。
熊谷駅は初めて降りたけど、おぎのやの釜飯が売ってるのな。
しかし高崎線はロングシートだし、普通に客が多いから釜飯食えないじゃないか、と思っていたら
運良く籠原始発の線に乗ることが出来たので、一車両丸ごと貸切気分で弁当を食ったのだった。
やっぱり駅弁は電車の中で食べないと。


その後秋葉原で銭湯行って倉地久美夫ライブ見て、メイド喫茶潜入するに至る。



これで鉄道乗りたい熱はひとまず納まったように思われるでしょうが。



続く
2005年10月03日(月)

【5周年記念】ポワーンチャンピオンカーニバル その3

コステロ「ヴェロニカ」→スタカン「シャウト・トゥ・ザ・トップ」と、なんだかとっても80年代が好きなんだなーな選曲ばかり行ってきたフジテレビ「とくダネ!」。
今朝、唐突にオープニング曲が変わっておりました。
わたくしの予想ではコステロ→スタカンときたらXTCだろうよ!だったのですが、
結果はプリテンダーズ。
ドント・ゲットミーロング。
「ズラじゃないんです、誤解しないで」という小倉の今更ながらのアピールなのか。

そしてハズレはしたものの、再発になった紙ジャケシリーズを買ったおかげですっかりXTC漬けでございます。
うーんエクスタシー(ジミー大西調)
ギャング・オブ・フォーもデスキャブフォーキューティも一緒に買ったんだが見事に未聴。
ポールウェラー新譜は買いそびれた。
増井修編集の「TONE」を見かけたら、「なぜ今ピートタウンゼンド?いや、フッキーにも見えるこの老紳士は誰?」と慌てたのだけど、それは変わり果てた姿のポールウェラーでした。
どうしてしまったんだ!
なんかすごくかっこいいじゃないか!ジャムは遠くになりけり(スタカンも)



そんな風に私的にはウェルカムなんですが、この老い方はやっぱりびびる。
でも素肌にベスト一枚なんだぜ、ウェラー兄貴は。そこはかとなく漂うレオン臭。


この勢いでポワーンチャンピオンカーニバル第3回はポール・ウェラーにしてしまいたいのですが、そうはいかん。ざき。
と書いた自分に失望。まあ、いいや。
それはともかく第3回は「リー村山」氏でございます。

当初は違う人を考えていたのですが、金曜日、山手線内でぼーっと立っていた時のこと。
「今どこの駅だっけか」とふと頭を上げたところ、次の瞬間、山手線内乗降口に設置されている小さい液晶テレビに映る独りの男性に目を奪われました。いや、目だけではない、一瞬にして心も奪われた。
もはやこれは一目惚れ。
ラブ・アット・ファースト・サイト。
山手線は小さいテレビ画面がついていて、駅の案内、天気予報、ニュース、「英語でシャベリオーネ」の英単語クイズ、マイクロダイエットのCMなどを流しております。
(液晶画面ってなんのこと?と言う人はこちら参照)
普段は「マイクロダイエットってこんなに痩せるのか、でも7万は出せねぇ」くらいの気持ちでしか見ていなかったのだけど、この時ばかりは「今のCM、何?何?なんだったの?リピートしてくれ!」と車掌に頼みにいかんばかりの食いつきぶり。
しかし運悪く次の駅で降りなければならなかったので後ろ髪を引かれながら下車。
あのCMをもう一度見ることができたのならば、私は山手線一周してもかまわない。
そんな無謀なことまで頭をよぎったほどだった。客先行くから無理だったけど。
閉まりゆくドアに向かって手を伸ばしてしまうことだってできた。まるで熱病のようだった。
そこまで網膜に焼きついたCM、それはなんだったのかというと

ルシード白髪染めのCM

そんなに必死で探さなくてもすぐにわかったのでした。
CMよりもそこに出ている男性が気になってしょうがなかったのだけど、CMのページに辿り着いたら芋づる式にこの男性も誰なのかも判明。
それがリー村山氏である。

恥ずかしながら、ルシードのCM見るまで村山氏のことは知らなかったのです。
時代劇系の役者さんなのか。なのになぜリー?と思ったらカンフーとか武道のマスターなのだね。
私の中では古武道マスターというあたりが非常にポイント高かったのです。(日野日出志も日本刀持ってたり武道やってたりするところが好き)
武道の達人、マスター(サンボマスター除く)みたいな人には惹かれますね。
願わくばリー村山氏と「剣客商売」の小兵衛−おはるのような生活をしたい。
うわ、俺、今、吐き気がするほどロマンチックなこと言った。オエー。




グラサンを取った写真を見ると「尾崎紀世彦とどこがどう違うのか」などと自分でも疑問を持ってしまいがち。
でもいいの。かっこよいから。
今更ながら「ラストサムライ」も見たいですよ。村山氏だけのために。
ああホントにラブ・アット・ファースト・サイト。
たとえ公式サイトの、30代の頃のカンフースターっぽい体が気持ち悪いな、と思ったとしても問題ない。
それもラブ・アット・ファースト・サイトの力。

でも壁紙(ルシードHPにある)を設定するのは恥ずかしくてできないのだった。本気なのか?自分。

(にしても過去3回すべて地味な人選だな。俺認定のいい男たちだから顔は派手な人が多いはずなんだが)
2005年10月02日(日)

字読みづらい!けどメッセージフォームです


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