水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2022年11月14日(月) 太田忠司『川の様子を見に行く』

面白かったです!
太田忠司『川の様子を見に行く』

のんびりとしたタイトルね〜と読みはじめましたが、
読んだ後、改めてタイトルを見ると、ゾクゾクしてきます。

設定が秀逸。
登場人物に興味津々。
これは『遺品博物館』というシリーズものの一編で、『遺品博物館』には
謎の学芸員がでてきます。

『川の様子を見に行く』では、ミステリー評論家が昔、世話になった家を
訪ねると、思いがけず先客が!
その先客は遺品博物館の学芸員。
学芸員が収集しようとしていた遺品は寄木細工の秘密箱でした。
その秘密箱は……

あ、面白いから全部話してしまいそうです。読んでみてね。






2022年11月02日(水) 天祢 涼『居場所』

天祢 涼。あまね りょう、と読みます。
アンソロジーはいろんな出会いがあって楽しいですね。
はじめましてです。

『居場所』は、女子高生殺害で服役した男の出所後のお話。
真面目に働こうとしても、事件のことはネットに刻まれ、人々の記憶からも消えることはない。
安心して仕事を続けることもできず、、つまり居場所がないのです。

事件の内容がヒドイ。変態と蔑まされても仕方ないですよ。

根は悪くない人なのです。
だから、せつない。

男のこまやかな心情を知ると、ほんとうにせつなくなります。

日本には居場所はないでしょう。
どこか外国で新しい人生を始める方がいいです。妻子と共に。


2022年11月01日(火) 芦沢 央『春の作り方』

「喧騒の夜想曲 白眉編Vol.1」(光文社文庫)2番目のお話。
『春の作り方』── ミステリー小説には珍しい優しいタイトルで、ほのぼの。
ミステリー部分もありますが、悲惨なシーンはなくて、日常の謎解きですね。

おばあちゃんが作った桜の塩漬けの瓶を落としてしまった僕。
おばあちゃんは去年の夏、死んでしまったため、この桜の塩漬けが
最後だったのです。
桜茶を飲むのを楽しみにしているおじいちゃんに、瓶を落として、
桜の塩漬けが床に散らばったことなど、、言えないですよね。
うん、うん、こっそりなんとかしようとする気持ち、よくわかります。

同じクラスの水谷くんが力になってくれますよ。
ところが思わぬことになります。

とにかく、水谷くん、おりこうだわ〜。


水野はるか |MAIL
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