水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2003年08月27日(水) 阿刀田高『花あらし』

ようやく表題作に辿り着きました。

『花あらし』・・若くして病気で逝ってしまった夫を偲ぶ妻が、夫の故郷を訪ねます。
そこで、妻が見たものは──。

せつせつと綴られる妻の心情がせつないです。あぁ、、久々のせつないモード。
このまま泣けるの?泣いていい?なんかおもいっきり泣きたい・・ときたところで、
突然登場する夫の後輩・・で、風が微妙に変わっていきます。

そして、・・ん? 泣ーけーなーいぃ〜ーー!!
うーむ、後輩の意味するところがわかりません。。わたしの読み方が悪い?
人物相関図を頭に描いた時、後輩の位置がよくわからないのです。

ですが、ですが、この妻、夫を心から愛していたんですね〜。。しみじみ。。
泣けないけど、泣きたい気持ちになったのは、どんなに愛し合っていても、いつか
訪れる別れを再認識させられたからのような気がします。
お互いを思いやり、愛しあう夫婦って、いいですね〜。

帯にあった「きっと泣ける純愛ホラー」は、意味不明のまま・・。

* * *

もうすぐ8月もおわりです。ここ数日は夏らしい暑さになりました。
今夜は、地球に大接近する火星を見上げて、星空に想いを馳せてみたいです。
今日は宮澤賢治の誕生日。月に近づく火星を見つめた詩がありました、ね。
天文に詳しい賢治が生きていたら、って、もーすっごいおじいちゃまですけど、
会いにいきたいです。憧れのひとですから。(微笑)


2003年08月18日(月) 阿刀田高『鰐皮とサングラス』

物にも心があるという信条の夫人が、旅先で見かけたある男の末路は──。
あぅぅ、、いまいち楽しめません。
後味がちょっとね、、わたし的には良くないんです。

ところで、この文庫本の帯に「きっと泣ける純愛ホラー」ってあるんですが、
?あのー、、ぜんぜん泣けないんですけど。このお話が11番目なので、あとは
1話を残すのみになりました。最後は表題作『花あらし』、これが純愛ホラー
なのだろうか……。



今日も雨。涼しいというより、寒いくらいです。
避暑地も雨で、寒かったです。


2003年08月07日(木) 阿刀田高『大心力』

大心力、と書いて、だいしんりき、と読みます。心から願えば叶うという力、
マーフィー理論によれば、人間の意識と行動を支配している潜在意識に
刻印された願望は、必ず現実のものとなるそうですが・・。
by ジョセフ・マーフィー「眠りながら成功する」

強烈な願望は必ず実現すると説いたナポレオン・ヒルの「成功哲学」、
積極精神こそ幸福の源と説いた中村天風の「成功の実現」にもリンクします。

願い続けるだけで、それが現実のものになるのなら、この世から自殺する人
はいなくなるわけで、そんなにうまくいくはずない、とわかっていても、叶う
と聞いたら願うのが人情というもの。『大心力』で、平凡なサラリーマンが
願ったのは、仕事のことでも家族の健康でも景気回復でも世界平和でもなく、
な、な、な、なんと、奥さんがいなくなること!! はぁ・・。(脱力感)

このサラリーマン、愛人がいるのです。でもね、愛人は奥さんになりたいとは
思ってないですねー。一緒に暮らしたいと言われても、今のままで充分って、
言ってるじゃない?←前半部

悲哀が滲むお話です。あ、誰かの名言にありました。
「男は生涯で幸せを感じる日が二度ある。好きな女と結婚する日とその女が
死んだ日」ですって。ホントに妻が死んだら嬉しいのでしょうか?(怒りぃ)
サラリーマンの願いは叶うのか・・読んでみて下さい。


2003年08月02日(土) 阿刀田高『杳として』

「世にも奇妙な物語」です。
享保の時代、碁の強い若者が山で仙人と碁を打っているうちに、村では
時間がどんどん過ぎ、若者が帰ってきた時には、自分を知る者はなく・・。
まるで浦島伝説のお色違い、かと思いきや、話は興味深さを増しながら
大正時代、そして現代へとつながっていきます。

碁については、まったく何もわからないので、手元にある「日本まるごと
事典」(インターナショナル・インターンシップ・プログラムス、講談社)で
まずは、将棋と碁の違いを読んだら、将棋は、互いの駒を動かしながら
勝敗を競い合うゲーム、碁は、黒白の石を交互に盤上に置いて、相手
の石と空間を取り合うゲームなのだそうです。うーん、わかった?笑

碁がわからなくても、不思議な余韻を楽しめる作品。
なんだか、とても長い時間を旅したような気がします。
享保から大正、そして今? 
その時代その時代の碁に魅せられた男の目撃者になったような・・。


水野はるか |MAIL
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