2005年08月29日(月) |
藤井郷子オーケストラ(名古屋)TOKUZO review |
昨年末にリリースされた「藤井郷子オーケストラ名古屋バージョン」のCDは、なんとほぼ完売だそうだ。しかも国内の音楽誌だけでなく、海外の評論家から大絶賛らしい・・・。いやマジで。 ライブでの1曲目はCDタイトル曲でもある「Nagoyanian」。この曲を聴くといつも思う。この曲が「Nagoyanian」である意味を。 なんで名古屋? 名古屋ってどうなのよ? コーヒーにあんこ、みたいな? 小倉抹茶スパゲティ、みたいな? 納豆とコーヒーゼリーとクリームが素敵なブレンドで混ざったサンドイッチ、みたいな? そういったモノに対する、足元から忍び寄って来る不安感だとか、グローバル・スタンダード無縁、みたいな感じを受けるのが、この「Nagoyanian」という曲なのだ。 藤井さんの曲はリズム隊と管楽器がそれぞれ別のテンポ、リズムを刻むことがよくある。そこに「今」に生きる藤井さんの世界観が見えるようだ。いろんな事象が混沌として、美しい形で折り合うこともなく、別々のものとして存在しながら過ぎていく。例えば同じ時間に戦いと自然災害と平和となんでもない時間が同時進行している世界を俯瞰する、堂々たる不穏さ。そんな風景を音の中に見たんだ。(ロジウラのマタハリ 美尾りりこ)
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