こしおれ文々(吉田ぶんしょう)
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2003年08月28日(木) |
【東京ぅ】その① 到着の巻(人間考察:山手線編) |
梅田輝夫(48)は休みの日にもかかわらず スーツ姿で東京駅のホームにいた。
食品会社で在庫管理などを担当している彼は、 営業部門と違い、土日が休みである。
彼の人生のピークは、高校2年の秋。 昆虫採集や、さらにその昆虫を標本にするのが趣味で、 たまたまそれをまとめた論文が、 市内高校生論文大会で入賞し、 全校朝会で表彰されたときだ。
ちなみにその論文はその後県大会にも応募されたが、 残念ながら県ではかすりもしなかった。
多いときで100種類以上の昆虫を標本にしていたが、 『あんたなんかと結婚しなきゃ、 私はバスガイドの夢をあきらめなかった』 が、口癖の妻、幸恵(ゆきえ)に 『気持ち悪い』の一言でほとんど捨てられてしまった。
彼の家系はだいたい髪が薄い。 その遺伝は彼も例外ではなく、 30前半の時、彼は髪型の自由を奪われる。
社内で彼は【輝(テル)さん】の愛称で呼ばれているが、 その由来は【輝夫】という名前から来ているのではなく、 髪の毛の量から来ていることを彼は知る由もない。 一度だけ部長に、 『名は体を表すものだ』と言われ、他の社員から失笑されたことがある。
一人娘、リサ(22)との会話は無い訳ではない。 2,3の会話した後に 彼はなぜか毎回財布を取り出すことになるが、 彼女が18歳の頃は父親に対し舌打ちぐらいしか 声を発しなかったので、 その頃よりは素直になったと内心ホッとしている。
彼は今、主任という役職だが、 これはどちらかというと出世に遅れている方だ。 同期ではすでに課長もいる。
去年までは輝夫より出世が遅い同期がいたのだが、 今年でリストラになったため、 現在は輝夫が同期で一番出世が遅いことになる。
話は戻って、 なぜ彼が休みにもかかわらず スーツ姿で東京駅のホームにいたのか。
正確にはホームにいたのではなく、 いままさに階段を駆け上がり、 山手線の電車に駆け込み乗車するところなのだ。
いつからだろう。 彼は2日間休みがあっても、 そのうち一日はスーツ姿で仕事に行くフリをする。
家にいても家族に邪魔にされるからである。
見たいテレビも見れず、妻の文句を聞くよりは、 どこかの公園で大好物の舟和の芋ようかんを食べながら のんびり過ごしている方がよっぽど休息になるのだ。
平成15年8月23日(土)。
この日の東京は、 外にいるだけで汗がしたたり落ちてくるほど暑かった。 それもそのはず。 冷夏と呼ばれた夏が本気を出し、 今年一番の猛暑となった。
ふだんであれば公園で鳩にエサをやるところだが、 直射日光による頭皮へのダメージを恐れた輝夫は、 とりあえず東京駅で舟和の芋ようかんを買い、 あとは図書館かどこかで時間を潰そうとホームへの階段を昇っていた。
あと3~4段で登り切るというとき、彼が見たものは、 いままさに出発の直前という山手線の電車である。
それを見た瞬間、休日で眠っていた輝夫のサラリーマン本能が目を覚ました。
『なんとしても乗らねば』
彼は残り4段の階段を2歩で駈け上がった。
休みなのに。 出勤時間とかって無いのに。 遅刻とかって無いのに・・・。
それでも彼は駆け込んだ。 それが東京で戦うサラリーマンという生き物の性(サガ)なのだ。
ホームにチャイムが鳴り響き、 『ドアが閉まります。駆け込み乗車はおやめ下さい』 ハスキーなアナウンスが流れたときは遅かった。
彼は挟まれた。 ものの見事に挟まれた。 周囲の人の目が点になるほど、 見事なまでにドアに挟まれた。
なんとか本人の体は車内に入ることができたが、 彼が手に持っていたビニール袋はその一端がドアから見えたまま、 電車は品川方面へ消えていった。
わたくし吉田が東京で一番最初に目撃した、 【駆け込み乗車】の衝撃映像は、 その彼がまさに上記のような人生をおくっているのだと 勝手に想像してしまうほど、 みごとな挟まれっぷりだったのです。
~おしまい~
2003年08月27日(水) |
【東京ぅ】試号機 無敗 |
前回予告通り、 23日から24日、東京へ一人旅して参りました。
胸に【無敗】と書いているTシャツを着ていた 全く可愛くない女の子と 渋谷のLoftで遭遇した吉田です。
そりゃあんたにゃ勝てないよ 太りすぎて【無敗】の文字が横に伸びきってるんだもの。
思った以上に満喫できました。 いや、まじで。
これもひとえに、 準備段階から帰宅までの間、 私の勝手な思いつきに振り回された 数々の友人に感謝いたします。
この気持ちを一言で表すなら 【土産でチャラな♪】でございます。
さっそく皆様に私の短い夏をご報告したいわけですが、 正直なところ一話完結というわけにはいきません。
2日間とはいえ、私の濃密な東京物語は 今回限りではとても書き切れません。
ってなわけで、 今回から【東京ぅ】シリーズ始めたいと思います。 決してネタ不足が叫ばれる昨今の、 延ばし延ばしを企てようとしてるわけではございません。
まったく無計画な【東京ぅ】シリーズの ラインナップはこうなっております。
その1 到着の巻(キーワード:人間)
その2 1日目の巻(キーワード:ライオンキング)
その3 2日目前半の巻(キーワード:ラーメンズ)
その4 2日目後半の巻(キーワード:コンドーム)
その5 帰宅の巻(キーワード:同乗者)
アバウトですねぇ~ 後々いかようにもごまかしが利きそうですねぇ~ ホントに5回も書くんでしょうかねぇ~
乞うご期待♪
2003年08月22日(金) |
(未決定)その38 ブンブン文化・文化ッカ |
今日は、 東京の街や、名所を音楽のジャンルで例えてみたいと思います。
最近話題の六本木ヒルズ、ここは王道なので宇多田ヒカルでしょうか。 浜崎さんでもいいや。
踊る大捜査線の舞台となるお台場は、 何でもアリのモーニング娘。。
原宿は幼さ残る松浦バカ、いや、あや
新宿、渋谷は女性のR&B。 あんまり知らないから例が書けないけど。 (男性R&Bは代官山。)
上野は動物園あるから林アスカ。 (なんとなくガキくさいというか)
ヒップホップ関係は下北沢で落ち着く気がする。
そんな中、巣鴨・浅草とくればやはり演歌でしょう。 ただし氷川きよしは含まれない。 奴は錦糸町。総武線で千葉に向かってる。
私は23~24日東京に遊びに行きます。
気ままな一人旅ということであえて【巣鴨・浅草】を 言葉責めに行きたいと思います。
別におしゃれな所に対する天の邪鬼的な反抗心ではなく、 純粋にハトバスチックな所を見てみたいのだ。
何年か前、京都駅を作り直すことで、 建物が近代的となり、まわりの古き街並みと合わないと、 住民が反対運動をおこした経緯がある。
作り直す事でエスカレーターなどの設備が整備され、 駅利用者、特にお年寄りの使い勝手も良くなるはずなのに。
(そういう奴らに限ってすぐ、カーブミラーが壊れてるとかって 行政に文句言う気がする。)
ポイントとしては【古き良き文化を残す】ってところだろう。
しかし、【文化】というのはわざわざ【残す】ものなのだろうか。 ムリヤリ残した文化に、それだけの価値があるのだろうか。
本当に必要な文化であれば、日々消費されるものだし、 逆に消そうとする方が難しいだろう。
結局、必要としない、見る人を魅了しない、消費されない、 このような文化は、いかに難しい高等技術であって、 【文化】として残らない。
青森に比べ、言うまでもなく東京は大都会です。
日々新しいもの・事を日本全体・世界に向けて発信する。 【更新】しようとするエネルギーは莫大なものだ
しかしそんな東京で、形を変えず、 人々に魅了され続ける演歌チックな【巣鴨・浅草】は、 更新に対抗するエネルギーが備わっていることになる。
ある意味、更新より維持の方が大変な事だろう。
今回私は、そのエネルギーを 修学旅行のような流れの中で見るのではなく、 自ら出向いて見てみたいのである。
これを音楽で例えるなら、 FLOWが「贈る言葉」を ビリケンが「なごり雪」や「いちご白書をもう一度」を 改めてアレンジし、ロックや、ヒップホップにするような 【カバー】というジャンルな気分なのでございます。
雷門の前で両手ピースで写真を撮りたい♪
待ってろ!!人形焼き!!
2003年08月01日(金) |
(未決定)その36 後半は読みやすいです。はい。 |
これから予想されるテロを 先物取引の商品とし、市場で売買させる計画があったそうだ。
しかも考えたのはアメリカ国防総省。
議会で【こいつはいくらなんでも不謹慎だべ(和訳)】という 意見があり、結局のところ廃案になったそうだが。
日本では決して良いイメージのない先物取引。
あずきの売買で大損ぶっこいて 首吊ったと言う話はよく聞かれる。
最近は【天気】を商品として上場させるという話も聞く。
金融商品が増え、選択肢が増えることが、 投資家にとって良いことなのかはわからない。
一般市民にとってはめんどくさいのが増えて処理しきれない事実もあるだろう。
そもそもこの金融商品が一般市民になじみのないことが問題なのではないだろうか。
あずき・原油・金・トウモロコシ・・・
生活のかかった生産者や、キレ者の投資家でなければ、 別に不作だろうが、供給が少なかろうが知ったこっちゃない。
それならいっそ女子高生でも予想しやすそうな なじみのある事柄を金融商品にしてみてはどうだろうか。
たとえば・・・ ・サッカー日本代表戸田さんの髪型 ・モー娘。の人数 ・ホンジャマカ石塚の体重 ・北朝鮮の【金】を名字に持つ人の数(韓国でも可) ・本上まなみの声の違和感 ・ZONEのドラム担当の女の子のはしゃぎ具合 などなど。
まあいくらでもあるでしょう。
【資産は自分で運用する時代。あなたも本上まなみの声の違和感で老後の幸せを】 なんて時代が来て欲しいものです。
なによりも、 渋谷を歩く女子高生が携帯片手に 【今月のZONEのドラム、はしゃぎすぎー!!ありえなーい】 なんてこと言う時代・・・・
うーん、やっぱ来て欲しいっすね。
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