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キ ミ に 傘 を 貸 そ う 。
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2013年04月21日(日) 重ねる嘘でさえ。


「もし、大地震が起こったり、
 私が大きな病気にかかっても、
 Aさんは、駆けつけてくれないでしょう?」

の、意地悪な質問に、

「そんなことないよ。行くよ。
 俺くらいのレベルになると、
 なんでもできるんだよ。」


だって。


またもや、優しい嘘を。







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2013年04月07日(日) 嘘なんて、いくらでもつけるはずなのに。


私達2人に起こった嬉しいことや幸せなことを
文字にすると途端に陳腐になる。

それがきっと、第三者から見た私達。
それが事実。
結局はフリンだ。
こんな言葉使いたくないけれど。

でも、Aさんに出会えたことも、
この世間のルールを破ってしまったことも、
後悔していない。
一緒に居られて幸せだった。

周りの人には責められて当然だと思う。
私だって私のこと、いつだって許せないけど。

全てを超えてしまっても
Aさんと一緒の時間が何よりも大切だった。

*************



今月で、別れることを決めて、そうメールした。
返事は返ってこなかった。

「今月」にした理由は。
一緒の仕事をするのが今月までと思っていたから。

でもその数日後、それが6月以降まで伸びることが決まった。
いいことなのか、悪いことなのか。。
多分後者だけど。



ずっと頑張ってきた仕事がひと段落した日、
Aさんと一緒にお祝いをした。

Aさんは今の仕事上、一番の責任者だから
相当ほっとしていたと思う。

「お祝いしてくれるのなんて、都築だけだな。
 都築くらいしか、俺のことなんて褒めてくれないよ。」

そんなことないと思いますけど。。。

けれど、私が誰よりも貴方の苦労を知っている。
あなたの努力してきた姿を知っている。
あなたの優しさも、ずるさも全部知っている。



「今月で別れるの?」
と、強くてまっすぐなAさんが私に聞く。

うん、と深く頷く。


「私のこと、好きでしたか?」と聞いた。

すぐに、「うん。」とだけ返ってくると思ってた。
けれど、違った。

暫く考えて、

「…歴代で、2番目。」
と、答えた。

1番目なんて、すぐに分かった。

「1番目は、奥さんですか?」

「うん。」



嘘なんていくらでもつけるのに。
こんなにも素直なAさんを、また愛しいと思った。
哀しくて、嬉しくて、哀しくて、愛しくて、
小さな居酒屋のカウンターで、泣いてしまった。


「2番目っていうのは、体面的にね。
 嫁のこと1番って言っとかないと、
 老後に世話見てもらえないじゃん。。」と、貴方。


嘘が下手ね。

あなたにとって、一番愛しているのは、
過去も、未来も、来世も、
きっと奥さんだよ。

でもね、ありがとう。
素直な答えが嬉しかった。
世界で一番バカな私は暫く泣いた。




Aさんは、いちばん好きな人と、幸せな結婚をして、
可愛い子どももいるのに、
それでも遊び足りなくて、私に手を出した。


ずっとあなたは私で遊んでるって思ってたけど、
本当は、ちゃんと、愛してくれてること、分かってた。
勿論、私とずっと一緒に居られないことも、
いつか別れることも、お互いずっと分かってたけど
あなたがあなたなりに、私を大切にしてくれていたことを
私はずっと気が付いていました。


大好きなアーティストのライブ。
夏の花火大会。
家で見た映画。
何度も行ったお寿司屋さん。
まずい日本酒。
美味しいイタリアン。
予約でいっぱいで行けなかったフレンチ。
あなたがいつも買ってきてくれる差し入れ。
夜の「おやすみ」、のメール。
仕事帰りに、「俺のところに寄って。」のメール。
ひとつも嘘の無い笑顔。
誕生日の、ティファニーのブレスレットとピアス。


『仕事も、プライベートも、
 この2年間は、最高だった。
 仕事で愚痴言いたくなったら、都築がいつも聞いてくれて。
 都築だけが肯定してくれて。
 都築が居なかったら、仕事がんばれなかったと思う。
 ほんとにね。

 これ(今の仕事)が終わったら、死ぬんじゃないかなって思う。
 このまま死ぬのもいいかなって思う。』



その日、そんなことを言っていた。



Aさん。私は。
本当は、こんなことできる人間じゃなかったと思う。
道徳を外れた道を、行くような人間じゃなかったと思う。

けど全部捨ててでも。
貴方と一緒に居たいと思った。
貴方と一緒に居る以上に価値のあるものが、
空っぽの私には何にも見つからなかった。


近々、もう会えなくなるけど。
あなたのことを、本当に本当に愛していました。








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