2003年03月21日(金) |
12:12と15:37の空 |
目を閉じていても まぶしいこの窓辺には 死んでいくものたちと かわらぬものたちが いっしょに不器用に 精一杯器用にしている ずっとそうだったように
遠のいていく 記憶をくずす 全部光る 飛びたつ鳥の羽ばたく音は なんの合図? 言葉を濁せばうまれる 夢を見るようにこの窓辺にうまれる
ねぇ終わりの向こう側の窓辺で目を閉じているのは 新しい遊び方?それとも新しいロマンス?
誰の時間にもあわせる必要のない時計を 全部 花瓶の中深く沈め 頭の中から一コマづつ抜け落ちてゆく 言葉と螺旋状の夢
ねぇ終わりの向こう側の窓辺で目を閉じているのは 新しい遊び方?それとも新しいロマンス?
窓辺に羽ばたく鳥 静かでまぶしい昼すぎ
滝本晃司 『窓辺にうまれる』
消えたテレビの黒い画面が 鏡のようにうつしてる日曜日
どうにもならないふうでぼくの 姿もゆがみっぱなしでテレビの中
朝から雨がふっているせいだ ささいな音だけが そこらじゅうにちらばってる
僕の両ひざに新聞紙と 同じだけおりかさなるにおいぬきの空気
窓に顔をへばりつけてぼくは 「色のおちた残がいの中だ」って言った
日曜日に雨 ほんとにそれだけ 日曜日に雨 なにからなにまで ただそれだけ
滝本晃司 『日曜日に雨』
それぞれ 透かして ゆがんだ 落とす色どり 浮かんだカタチ
どうして目がさめても同じとこにいるんだろう? 何ひとつ思い出さない いちにち どこで何を感じているのか区別もつかない 何ひとつ思い出さない いちにち
ここにあふれるカタチは 全部あのなんにもない空から落ちてきたの?
滝本晃司 『カタチ』
|