ほろほろと零れ落ちたしずくが
テーブルの隅に水溜りをつくり
水面がたわわと揺れる
揺れて
はじけて
流れ落ちて
床の隅に水溜りをつくる
あなたの体温を感じたくて わざと俯いて・・・
そっと背中に触れるあなたの温度に 心が壊れてしまいそうになる
あなたが優しくするから期待してしまう あなたがそんな微笑をくれるから勘違いしてしまいそうだよ
このままあたしだけが取り残されて あたしだけがいつまでたってもあのときのまま ずっと立ち止まっているよ
一度あなたは振り返ったけど あたしはあなたを見つめることができなかった
怖かった。
あたしはあなたから逃げてしまったんだ ほんとの気持ちも伝えずに
忘れらないよ
忘れたいよ
苦しいよ
助けてよ
心が壊れてしまわないように そっとふたをするよ
そうやって傷つかないために
あたしは逃げ続けるのだろう
あいつがいなくなってどれくらいたつのだろう。
ぽっかりと空いた空間は今もそのまま
癒える事などないのだろう。
乾いた空気が日の光をより強く感じさせる
水音が耳に心地よく鳴り響き
君がささやいてるみたいに優しくて
熱いしずくがほほをなでるけど
それでも口の端は優しく弧を描いている
あいつはいつでもあたしを優しく縛り付ける
それが苦しいけど、ひどく安心してしまう。
あたしは一人じゃないのだと。
あいつはあたしで、あたしはあたしごとあいつを愛する。
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