ニューヨーク俳優修行日記
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2004年01月30日(金)

シカゴ


昨日は仕事でシカゴに行っていた。
例の企業研修の仕事だ。
とても豪華なホテルが用意されていて、
高級レストランでステーキが振舞われた。
もちろん、すべて経費で落とされるのだろう。
仕事の内容はNYとまったく同じ。
ただ、人数はずいぶんと少なかった。

研修生、といっても彼らは35歳から50歳ぐらいまでの
企業戦士。きっと全員年間1000万円以上
稼いでいるに違いない。
日本ではおそらくほとんど問題にされない、
セクハラ、ゲイ差別などを熱心にかたる。
でも、そのスタンスは人道上に立つものではなく、
どうすれば訴えられないのかといった意識が強い。
いかにもアメリカらしい。

共演している黒人の女性から
この会社(役者を雇っている会社)での
ゴシップをいろいろと聞いた。
どこに言って人間関係は難しいらしい。
もちろん、全員俳優なのだから、
我が強いし、自分の言いたいことは
はっきりと言う。大体、アメリカ人は
平気でほかの人の発言中に口を挟む。
これが気になるのは僕だけなのか、
それとも日本人全体にいえるのか?
まあ、とにかく、人間関係は
難しい。

最近、オーディションはまったくない。
一体どうなっているのか。
来週あたりマネージャーに電話する予定。

そういえば、渡辺謙がアカデミーにノミネート
された。同じ日本人としてとてもうれしい。
映画はいまいちだったけど、彼は良かった。
とても好きな俳優の一人なので結構感激だ。
とはいえ、彼が賞をとることはないと思う。
まあ、参加することに意義があるのか。

2004年01月27日(火)

オーディション


今日は知り合いの人に頼まれて
オーディションで台本読みのお手伝い。
約20人ぐらいの人と
いくつかのシーンを読むことになった。

通常オーディションはまずモノローグの審査があって
その中からCallback(2次審査)の俳優を選び、
2次審査では実際の脚本を読むことが多い。
Sideといってシーンの一部を手渡されて
オーディションではリーダー(読み手)と読む。
僕は今回このリーダーだった。

知り合いの役者が自分で短編映画を撮影するので
そのための役者選考。
役者が自分で本を書いて短編を作るのは
割とよくある。
結局、自分の気に入るいい役を待っていたら
いつになるかわからないから
自分で作ってしまえということだ。
参加する俳優にはまずギャラもないし、
スタッフもボランティアの場合が多い。
それでも彼は5人ぐらいの役に対して
約1000通もの応募があった。
以下にNYが役者であふれているかということだ。

同じシーンを何人もの違う俳優と読むのは
とても楽しかった。
みんなそれぞれ微妙にちがうニュアンスで
演じるし、それに対してこちらも多少変わってくる。
当然僕はただのリーダーなので
別に淡々と読んでも良かったけど、
いろいろ遊ばせてもらってとてもためになった。
わずか2分ほどのシーンでもある程度は
役者の良し悪しがわかってしまう。
考えてみたら、過酷な商売だよなあ。

丁度、スケジュールもあいているので
もしかするとスタッフとして撮影を手伝うこと
なるかもしれない。
まあ、これも何かの縁だし、
勉強だと思って参加しようと思う。

2004年01月23日(金)

人生って


まったくタイミングが悪い。
企業研修の仕事が15回分ほど入ってくるはずだった。
ところが、運悪く稽古と重なっているので
結局その半分も出来ない。

まったく暇なときはどうしようもなく暇なのに
仕事があるときには本当に重なる。
これは悔やんでいると体に悪いので
忘れることにする。

さっき、インディアナから帰ってきた。
大学生相手にdiversity trainingをしてきた。
若い。
まだ20歳ぐらいの学生たち。
若い、と思ってしまう自分が悲しいけど、
本当に高校生ぐらいに見える。

日本人にしてみると吃驚するぐらい
アメリカ人は差別問題に敏感だ。
ちょっと過敏じゃないのかと思うぐらい。
人種差別、性差別(女性問題、ゲイ問題)、文化摩擦
などなど。
確かに白人がマジョリティーの社会なので
差別はあるけれど、ここまでPC(ポリティカリーコレクト)
にすぎると息苦しいのではないかと思う。

仕事は順調に行った。
新しい人が二人ほど参加したので
気分も改まって楽しいかった。
一晩とまりだったのでいろいろと話すことも
出来た。ミニツアーに言ったような気分。


2004年01月21日(水)

一般教書演説


今日は仕事場ではブッシュの昨夜の演説
の話題で持ちきりだった。
大体、みんなちょっと信じれらないと言った
感じだ。特に話題になったのがゲイカップル
の結婚に対する反対。
共演者の中にはゲイの俳優もいるし
芸術関係の人にはゲイが多い。
時代の流れに逆行するような彼のコメントは
大顰蹙を買っていた。

しかし、悲しいことに大方の予想は
ブッシュが再選されるだろうと言っている。
いや、でもほんとにあの人は嫌いだ。
見ているだけでもむかつく。
そろそろアメリカを出る潮時かとまで
考えてしまう。

話題は変わって、
7月にヨーロッパの芸術祭に今創作中の
作品で参加することになりそうだ。
うれしいニュースだ。

明日からは仕事(企業研修の寸劇)でインディアナへ行く。
この仕事もやっと余裕が出てきて
即興をするときにびびらなくなってきた。
即興であるからして、
しかも、キャラ設定比較的自分に近いので
ほとんどのリアクションは自分だったら
という仮定に基づいてしゃべっている。
これはなかなか奇妙な感じだ。
まったく経験のない企業社会を
疑似体験している。
それでギャラももらえるから、
慣れればかなり楽しくなりそうだ。



2004年01月17日(土)

Tap, tap, tap


NYは今とんでもなく寒い。
おとついは雪がしっかりと降り、
昨日、今日と気温が1度(華氏)まで下がった。

でも、今日からは久しぶりに3連休。
稽古も仕事も何もない。
何をするでもなく、ぶらぶらするつもりだったけど、
朝からタップのクラスに言ってきた。
あまりの寒さに、3時間の(2クラス)のタップクラスで
生徒は僕一人だった。
おかげでプライベートレッスン状態。
約一年ぶりのクラスだったので
最後列でひっそり踊ろうと思っていたのに
とんでもないことになってしまった。
でも、とてもよい先生だったので
楽しいクラスとなった。

なぜタップダンスに惹かれるのか?
リズムを刻むことの楽しさ、音楽に身を任せる楽しさ。
自分の足から出る音が音楽をシンクした
時の楽しさはなんともいえない。
楽器を弾くのと同じ楽しさだ。

それと与えられたステップを学ぶ課程は
頭の体操にもなる。以下に早く自分の体に
ステップをなじませるか。
せりふを学んだりするのと同じだ。
慣れれば慣れただけ早くなっていく。
来週ももっとレッスンが取れればいいけど。




2004年01月16日(金)

即興


即興について。
日本でも最近はインプロとしてうう知られている。
つまり、台本なしでその場でせりふを即興で
しゃべっていくこと。
とはいっても、場面設定、キャラクター設定
ある程度決めてある。
中にはすべてをその場で決めていくものも
あるけれど、それはいわゆるシアターゲーム。

今やっている仕事では
20分程度の寸劇の後、約一時間ほど
キャラクターとして観客と質疑応答をする。
僕の場合は日本人のビジネスマンという設定で
自身にまつわる差別に関していろいろと
受け答えをする。
まだ慣れていないので、何を言っていいか
戸惑いがちだけれど、今週は今日で
5回目のプログラムだったので、やっと慣れてきた。

何が疲れるかというと、状況把握に使う神経、
そして、英語で行われる議論を聞き取って
理解すること。
昨日は一日に2回行ったけれど、
仕事の後はくたくたになっていた。
今日は一回だけなので、これを書く気力もある。



2004年01月10日(土)

仕事始め


5日に帰宅後、6日から稽古が始まり、
明日が俳優業仕事始め。
全米のプレゼンター向け芸術見本市でのショーケース。
今回で三度目の参加となるけど、
15分という時間で何かを表現するのは
とても難しい。
実際には約75分の作品を短縮し、
観客はこれらの短縮版を
一日に10本、20本と見る。
実際にこれだけで、仕事が決まるわけではないけど、
まあ、重要なマーケティングツールではある。

役者としては本公演で流れとはまったく違う構成
になるで、自分なりのお話を作るのに
少し時間がかかる。
それでも何十回と練習した舞台なので
2,3日で勘は戻ってきた。
いわゆるマッスルメモリー。
稽古期間は約一週間だけど、
昨日と今日は2回ほど、全編を流しただけだ。
最初は結構緊張していたけど、
自分なりのリズムがつかめれば、
突然楽になる。今日の稽古で
ほぼそのリズムはつかめたので
後は緊張せずに楽しむことが課題。
とりあえず、たくさんの観客がいることを
願うばかりだ。

来週からは企業研修の仕事が始まる。
今のところ1月は毎週仕事があるので
もしかすると俳優業だけをすることになるかも。
まあ、往々にして願い事は
自分の予期しなかった形で実現される。
変な感じだ。



2004年01月01日(木)

謹賀新年


今年一回目はウィーンから。

大晦日はドナウ河の近くの丘で過ごした。
いやになるぐらいの花火の音に囲まれながら、
友人8人とシャンペンを持って丘を登った。
その日はたまたま雪が降っていたので
とてもきれいだった。

あと3日ほどの稽古でNYへ戻る。
そして、11日のショーケースの稽古。
13日からの企業研修の稽古と続く。
そして、バイト探し。

今年はいろいろ習い事をしっかりしてみる予定。
どんな年になるのか。






      

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