甘い煙
頭出し|巻戻し|早送り
欲求に身を任せて、自分ルールを破ってみた。 結果、すごい勢いで道ができてしまった。
6年つきあっている彼がいて。そのほとんどの期間、ぴったり一緒に暮らしている彼。 同じ部署に、話してみたいなと感じていた男の子がいて。目を見てしっかり挨拶してくれるから、いつからかうっすら心の中にいたひと。
初めて隣の席になれた時、ちょっとドキドキしてたんだよ。 私が応対している途中で出勤してきて、他の人なら応対の合間に挨拶してしまうのに、きたよー!!と思いつつそっちを見られなかった。 終わってからちゃんと挨拶して、「いつも目を見て挨拶してくださって、ちゃんとした方だなと思ってました」と伝えて、少し話した。
それから、挨拶してくれる時の目力の強さやしっかり度合いに更なる意識を感じるようになり。 そこに込められるものに、熱を持った気持ちが感じられるようになり。 好意かな、と感じとれるものが。
席はあれ以来なかなか隣になれなくて、そのうちもう隣になれない状態になってしまった。 執務室での挨拶と、たまにそれに伴うねぎらいの言葉と、くらいしか交わせない。 あとは、帰りに休憩室付近で擦れ違ったとき、一度問いかけてくれて言葉を交わしたり、挨拶したり。 だったんだけど、1月の雪の日、執務室でちょっと話しかけてくれて。 その日の終業後に、もしかしたら話せるかな、と休憩室にいたら、会えた上に、ぐぐっと話して近づきたいという気持ちがその子の態度や言葉の端々から思いのほか伝わってきて。
嬉しかったし、私ももっと話したいなとは感じていたけれど、彼がいて一緒に暮らしているって話すタイミングが難しいな、早いうちに話したいな、と思っていたし、つきあっている彼とのこれからは変わらない、変わる余地がない、と思っていた。
つづく、かも。
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