甘い煙
頭出し巻戻し早送り


2004年09月23日(木) 恋愛感情の器

 季一さんとは、実はたまに電話で話している。
 とはいっても色気のある話ではなく、練習のモデルさんいませんかね?という話。
 つながりを保つというよりは、悪く言えば使われているような気もするけど、ま、いいのだ。
 本当にもうなんにも思わなくなった。つまんなくてさみしいくらい。
 会ってないから、かっこよさでテンションが上がることもないし。
 でも実は、パーマをかけ直したい。そして毛先をカットして欲しい。
 けどなかなか言い出せないわたし。


 来月のはじめに、男友達と芝居を観に行く。
 会うのは久しぶり。
 学校で一緒に過ごしているうちはわからなかった彼の良さや思慮深さや優しさや思いやりが、卒業してごくたまに会うようになってからわかるようになった。
 今思えば、一緒に過ごしていた時から、彼はそういうものを持っていたのに。
 なんで気づかなかったのか、不思議。
 私が大人になったということか。


 恋愛の容量や配分について。
 男の子は、器がひとつしかないんだって。
 だから、例えば2人の子を同時に好きだと思ったら、3:7とか6:4とか、5:5になる。
 でも女の子は、器がいくつもあるんだって。
 片方の中身が減ったからといって、もう片方が増えるとは限らない。
 なみなみと注がれた器をいくつもかかえることもできる。

 このことを初めて知った時、なるほどと納得してしまった。
 ふーん、と思った。



2004年09月11日(土) 空虚


 一昨日、前の日記の男友達と遊んだ。
 朝から映画を見て、メキシコ料理屋さんでランチを食べて、彼が前に住んでいたところを巡った。

 彼の見慣れた駅前商店街、彼の二番目に住んだ家、そして彼の別れた彼女の家、彼の元バイト先、彼の初めて住んだ家、彼がよく行っていた神社・公園、等々。


 別れた彼女がまだ住んでいるか見に行くなんて未練たらしいな、とこぼしていた。
 忘れられない彼女なんだそうだ。
 あ、ちなみに前の日記の子とは別。数年前に別れた彼女。

 今も辛い時の心の支えなんだって。
 辛い時は彼女の写真を見ると幸せになるよ、と冗談めかして笑いながら言ってたけど、それは多分本当なんだろう。


 彼のまわりには悲しみとか淋しさが漂っているように感じられて
 それは色気とかある種人を魅了する陰に転化できる悲しみや淋しさではなくて
 ただの悲しみでただの淋しさだった。


 帰りは同じ電車に乗って、私の方が先の駅で降りた。
 普通に別れた。


 彼とは当分連絡をとらなくなるような気がする。
 好きとか嫌いとか、会って楽しかったとか楽しくなかったとかじゃなくて、ただ、そんな予感がした。



亜子 |MAIL