まぁ、ラーメンを作るってことはですね、ある種スピード勝負なわけです。
なんせ、食べ物とは、基本的に出来上がった瞬間が美味しさ100点満点なのです。
なれ鮨や混ぜご飯、カレーなんかはちと違う場合もありますが。
麺類は「伸びる」という、非常に困った現象が起こるので、麺が茹で上がると同時にスープの入った丼に入れ、具を乗せなければなりません。
スープも、麺が茹で上がるのを逆算して、丼に注がなければなりません。
丼も、事前にお湯を張って温めておかないといけません。
いろいろと大変ですねぇ(何他人事
で、今日のテーマは「遅さの秘密」なのです。
今の店のオープンから入ってる女性のキッチンクルーが居ます。
彼女は、社長に「カー君と(俺)と(女性)だったら、キッチンの中心に(女性)を据えた方が良い」と言われて、実際、先月まではほぼその通りになってました。
ですが、彼女は仕事が遅いのです。
わしがホールの責任者になって、お客さまから「ぬるいスープだけど、そういう店なの?」と言われることがありました。
原因は様々有りました。
まぁ、企業秘密の部分もあるのでオープンでどどーんとは書けないけど、俺は先ずやらないことでした。
で、それをキチンと伝えて次に繋げようと思って言うんですけど、「あー」って言って終了(ごーん
まぁ、それはそれで問題なんですけど、普通の状態でも、何故かぬるいんです。
秘密がわかりました。
彼女は両手を使わないんです。
右手だけで盛りつけする。
だから非常に綺麗ではあるけれども、例えば一杯ならあんまり問題ないんです。
それが忙しいと、二杯、三杯となってくる。
一杯の二倍、三倍の盛りつけ時間がかかるって事になります。
例えば、一杯を10秒で盛りつけ出来るとしましょう。
わしらは両手使いますから、20秒で三杯出来ます。
彼女は30秒。
最初の一杯が出来上がってから、20秒も美味しさを損ねてます。
冬は特に、アツアツのをフーフーいって食べたいじゃないですか。
暖を取るのにラーメンを食べる人も居るでしょうし。
そう考えると、その人の許せる暖かさを下回るモノを出すリスクがあるわけです。
俺もそうならないように、無理にいっぱい作るの止めてますし。
美味しく召し上がって頂くにも、いろいろと考えるわけですよ。
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