−トータスブルグ・ヘルペン−
身体の腐った破壊のために産まれた竜が、我が国の城を瓦礫に変えていく。
壊される傍から建て直し、建て直してはまた破壊される。
そんな毎日が続いて、早1週間が立とうとしている。
腹を括って戦端に出て行った。
こうなることも十分にわかっていた。
瓦礫の上に立つと、国民諸氏の顔が浮かぶ。
或る者は、形が無くなった城門を外敵から身を挺して守るために剣を抜き、
或る者は、瓦礫の山を掻き分け、城を建て直すために汗を流す。
約3年前、新兵だったわしは、何をどうするかもわからないまま、落城を迎えた。
朝目覚めると、有るはずの城は無く、瀕死の状態の国王が居た。
国民の顔色はなく、ただただ力無く瓦礫を片づける様は、とても寂しい思いを持った。
それも少しの間では有ったが。
瓦礫の山には、絶望しかないのだろうか?
そんなことはない。
人々の熱い思いと、未来が其処に埋まっている。
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