今日、戦死者が出たと王室に使いの者が来た。結婚を間近に控えた者だった。急ぎ、その戦死者の婚約者の元へ。「この度は・・・・」為政者として、国家元首として、そして個人として。わしの一言で生き返るはずのない亡骸へ、哀悼の意を表しながら。その婚約者は気丈に振る舞っていたが、愛する者を失った悲しみを埋めてあげることは、わしには出来ない。「これが戦争・・・これが・・・」これが現実・・・・そう呟いて、祈る。それしか出来ない自分に、怒りを覚えながら。