けふの大福帳。


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2005年12月13日(火)    ご挨拶

とんとーん とんとーん


こんばんはーーー あの、ぅ、はじめましてーー!ボクだよー!


塗りかけの青い扉をたたいたよ

すると中からバタン!!という音がして、それから急に静かになって、
そぉーっと扉がひらいたよ


「こんばん、わ、・・・・わわわ!!」

「こんばんは!!!待ってたよ!!!」

食べられちゃうんじゃないかと心配するほどの勢いで、彼女はぎゅぎゅっ!とボクを抱きしめてから離してくれた。

お座布団をドーンと出して、ヤカンにお水を入れて、カチカチっとガスを点ける。

ボクは出された座布団にちんまり座る。


「ひさしぶりだったねー。元気だった??」

「うん。あのねー、絵本をめっけたんだよ。ポテトスープが大好きな猫っていうの。
アメリカのおれんじ猫と、おじいさんが暮らしてるお話だよ」

ほうほう、どんなー?

しゅんしゅんいうヤカンからお湯をポットにうつす。
ピピっ キッチンタイマーをセットして、あっちの棚こっちの棚をガサゴソして、菓子皿にくっきーをドサー。チョコをぼぼん!

うわぁ、、食べきれないにゃ。。


「おじいさんはたくさんの猫と暮らしていたの、今はオレンジの猫と住んでいるの。
そんでね、毎日 玄関ポーチでひなたぼっこしたり、おじいさんのトラックで湖に釣りにでかけたり。「お前はポテトスープが大好きで、ちっともネズミや魚を捕まえたりしないね」って、おじいさんは言って笑うの。

ある朝、おじいさんが釣りに出かけようとしたら、猫が起きてこなかったんだよ。

「おいてっちゃうぞー」

おじいさんが声をかけても、猫は寝たまんま。おじいさんはひとりで釣りに出かけちゃった。


猫が目をさますと、おじいさんはどこにもいないし、ポテトスープもない!猫はいつもの窓からお外に出たの。


おじいさんが釣りから帰ると、猫はどこにもいない。ポテトスープが出来ても猫は戻らない。
それから毎日釣りに出かけて、帰ってきたら猫も戻ってるんじゃないかって。
だけど猫は戻って来なかった。


「ネズミも捕らないあんなやせっぽっち。いなくったっていつも通りさ」

おじいさんがそう思うようになった頃、玄関ポーチにオレンジ猫がいたんだ!
ずぶ濡れのオレンジ猫は、大きな魚の上に前足をかけて、すごくすごく怒っていた。

猫はネコ語でおじいさんに魚を捕まえるための苦労話を訴えて、おじいさんに置いていかれたことを怒ってたの。

「置いてったりしてわるかった。すごい魚をつかまえてきたなぁ」

猫はすごく怒ってたけど、ポテトスープをたいらげて、夜眠るころにはおじいさんと仲直りしたんだよ。


うん、そんなお話〜」


ボクはやっとちょうどいい熱さになった紅茶をコクンと飲んだ
クッキーに手をのばして、チョコをポケットに入れる

「とってもやさしい絵だったよ。今度ボクが読んだげるね」

えへへへ。ちょっとテレ笑い。。

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