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とんとーん とんとーん こんばんはーーー あの、ぅ、はじめましてーー!ボクだよー! 塗りかけの青い扉をたたいたよ すると中からバタン!!という音がして、それから急に静かになって、 そぉーっと扉がひらいたよ 「こんばん、わ、・・・・わわわ!!」 「こんばんは!!!待ってたよ!!!」 食べられちゃうんじゃないかと心配するほどの勢いで、彼女はぎゅぎゅっ!とボクを抱きしめてから離してくれた。 お座布団をドーンと出して、ヤカンにお水を入れて、カチカチっとガスを点ける。 ボクは出された座布団にちんまり座る。 「ひさしぶりだったねー。元気だった??」 「うん。あのねー、絵本をめっけたんだよ。ポテトスープが大好きな猫っていうの。 アメリカのおれんじ猫と、おじいさんが暮らしてるお話だよ」 ほうほう、どんなー? しゅんしゅんいうヤカンからお湯をポットにうつす。 ピピっ キッチンタイマーをセットして、あっちの棚こっちの棚をガサゴソして、菓子皿にくっきーをドサー。チョコをぼぼん! うわぁ、、食べきれないにゃ。。 「おじいさんはたくさんの猫と暮らしていたの、今はオレンジの猫と住んでいるの。 そんでね、毎日 玄関ポーチでひなたぼっこしたり、おじいさんのトラックで湖に釣りにでかけたり。「お前はポテトスープが大好きで、ちっともネズミや魚を捕まえたりしないね」って、おじいさんは言って笑うの。 ある朝、おじいさんが釣りに出かけようとしたら、猫が起きてこなかったんだよ。 「おいてっちゃうぞー」 おじいさんが声をかけても、猫は寝たまんま。おじいさんはひとりで釣りに出かけちゃった。 猫が目をさますと、おじいさんはどこにもいないし、ポテトスープもない!猫はいつもの窓からお外に出たの。 おじいさんが釣りから帰ると、猫はどこにもいない。ポテトスープが出来ても猫は戻らない。 それから毎日釣りに出かけて、帰ってきたら猫も戻ってるんじゃないかって。 だけど猫は戻って来なかった。 「ネズミも捕らないあんなやせっぽっち。いなくったっていつも通りさ」 おじいさんがそう思うようになった頃、玄関ポーチにオレンジ猫がいたんだ! ずぶ濡れのオレンジ猫は、大きな魚の上に前足をかけて、すごくすごく怒っていた。 猫はネコ語でおじいさんに魚を捕まえるための苦労話を訴えて、おじいさんに置いていかれたことを怒ってたの。 「置いてったりしてわるかった。すごい魚をつかまえてきたなぁ」 猫はすごく怒ってたけど、ポテトスープをたいらげて、夜眠るころにはおじいさんと仲直りしたんだよ。 うん、そんなお話〜」 ボクはやっとちょうどいい熱さになった紅茶をコクンと飲んだ クッキーに手をのばして、チョコをポケットに入れる 「とってもやさしい絵だったよ。今度ボクが読んだげるね」 えへへへ。ちょっとテレ笑い。。 |
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