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ボクはよく本屋の前を通る 扉は木製で、塗られていた緑のペンキは褪せてところどろこ剥げている その上から青いペンキを塗ってある。・・・途中まで 扉の横にハケをつっこんだまま、ペンキのバケツが置かれてる ハケをつまむと、バケツごと持ち上がった。 「飽きちゃった、にゃ?」 そこは猫の絵本や童話ばかりを集めた、ちょっと変わった本屋 本を集めてはいるけど、売ってはいない。 おんなの人が二人、好きな本を手にとりながら絶えずおしゃべりをしている 絵本の話から脱線して、音楽の話や建築の話までしてる ボクの知らない話がたくさん出てくる。 それをボクがどこで聞いてるかっていうと 青い扉によりかかってうたた寝しながら ふむふむと 窓に置かれた鉢植えの横、すいっと足を伸ばして毛づくろいしながら ほぅほぅと それから、くぅーっとノビをして ボクはこっそり本屋のそばから遠ざかる。 ボクは本屋に入らないけれど、二人はたぶん知っている ボクが扉の外にいることを 雨の日には傘が開いたまま置いてあったり 暖炉の上にミルクがあったり ほっとけぇきでボクを呼んだりする。 ・・・・ボクはちょっぴりよだれを垂らしながら、、 ←自分でかわいい表現だと思っている 「なぁーん♪」と鳴きそうになるのを我慢する 内緒♪内緒♪そのうちね ボクがなにか素敵な絵本をめっけたら、きっとこっそり扉をあけるよ 呼んでくれてありがとう ボクはお名前呼んでくれるの大好きさ♪ |
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