怪談
2007年08月16日(木)
某日、珍しく邦画を観ました。黒木瞳、尾上菊之助主演で今劇場でやっているあれです。
怪談というタイトルから充分お察しいただけると思いますが、世に因縁のある二人が出逢い更に因縁が深まり、いよいよこあ〜い場面が登場するという非常にオーソドックスなお話でした。
私はこういうものはほとんど観たことがなかったので何となく新鮮な気持ち半分持っていったわけですが、内容の方は特にこれといって特筆する事もみあたらなかったかなという感じ。
ですが役者さんに関して言えばまず、まぁ画面に登場した菊之助を見てびーーーっくり!先代の菊之助、元菊五郎が若返って登場したのかと思われるほど、若かりし頃の菊五郎にそっくりなんです。現代では色々な方法で若返りなんて出来てしまうわけですから、あらゆるテクニックを駆使して先菊之助を登場させたのかと思ったほどでした。
黒木瞳はどうしてもああいう感じになるのだろうというそのままで、幽霊になって登場するもこあ〜いという所に至らないのですね。可愛いからなのかしら?体を張って頑張ったであろうと思うのに黒木瞳ならではの内面に必ずあるはずの意地悪さや執着心が見えて来なくていまいち物足りないというか…でした。
菊之助は色気がまだ足りないんです。男の持つ色やら業やらが滲み出て来ず変に爽やかなままだったのがどうにもこうにも、やはり色の道も修行なんですよ。(笑)
ただ、クライマックスの立ち回りのシーン、ああいう場面はさすが!歌舞伎役者と唸れるものがありました。同じシーンを同年齢の歌舞伎役者さんでない方がされてもああは行かなかろうというような、それは見事!ってな所が見所でしょうか。
ただ、瀬戸朝香がとっても良かったです。相当な演技指導があったのだろうと思われるような存在感と色気と凄み。出番がそれほどなかたのだけど、場合によっては黒木瞳も喰えそうでしたね。
私、怪談話とか普段あまり気にしたこともありませんでしたが、例えば稲川淳二の世界みたいな、あんな感じの方がずっと怖いと思うし、そうしたものを越える怖さは味わえませんでした。
役者といい大道具小道具初めシーン造りといい、とても綺麗な映画でした。
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