サミー前田 ●心の窓に灯火を●

2009年12月10日(木)  「HAIR1969輝きの瞬間」は1960年代後半のムードいっぱいの秀逸なドキュメント

 「HAIR1969輝きの瞬間」(飛鳥新社刊)は、1969年暮、川添象郎が仕掛けた伝説のロックミュージカル「ヘアー」の話で、特にGSファンは必読の書だ。著者はカーナビーツの二代目美形ヴォーカリストのポール岡田。カーナビーツ解散直後に「ヘアー日本版」に参加したというタイミングだった。
 カーナビーツ時代のポールのリードヴォーカルが聞けるのはオムニバス収録の「ゲットバック」だけだが、最近までアイ高野が存命の頃、何回かテレビなどで再結成しており、初代ヴォーカルの臼井啓吉の姿はなくポールが参加していたはず。
この本は、「ヘアー日本版」に至るまで、女性とのロマンスや、カーナビーツ参加以前のキャンディーズ(未デビューGS)の話なども細かく触れてあり、著者の青春物語ではあるが、60年代後半ならではの現象に溢れていて、この時代が好きな人にはたまらないものがある。掲載されたアーティスト写真、ジャズ喫茶やヘアーのリハーサル風景の写真も非常に興味深いものばかりだ。
 このころ、俺は6歳くらいだったが、タイガースのトッポ含む出演者が舞台で裸になるらしいという(当時はかなりスキャンダラスな話題だった)噂や、関係者がマリワナで逮捕された事件は、リアルタイムでなんとなく記憶に残っているし、姉から説明されたような記憶もある。それぐらい世間は騒いだのだろう。この本と、昔出た「キャンティ物語」(幻冬舎刊)を読めば、「HAIR」とはなんだったのかよくわかる気がする。
 因みに、以下のようなイベントも行われるが、俺いけないじゃん! GSファンはカーナビーツのラスト・シングル「テルテル天国」を持って、そちらにもサインもらったらよいでしょう(笑)

「HAIR 1969 瞬きの瞬間」刊行記念対談&サイン会

 日時:2010年1月9日(土)
  安藤和津(エッセイスト)× ポール岡田(著者)トークショー:15時〜
 ポール岡田(著者)サイン会:トークショー終了後
場所:新宿高島屋1階JR特設会場(入場無料)


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