2004年01月14日(水)  2003年をふり返ってみる(2)


一般上映される映画が良かった反面、わたしにとって、映画祭や特集上映での盛り上がりに欠けた一年でもあった。
毎年行っている「TOKYO FILMeX」や「フランス映画祭」を差しおいて、個人的に熱く燃えたのは「インド映画祭」と、やっぱり「カール・ドライヤー特集」かな。

「インド映画祭」というものはもともと熱いもの(笑)なのだが、わたしは昨年初めて行ったので、その新鮮さもあいまって無茶苦茶楽しめた。
あなどれないインド映画。そのほとんどが、ただ歌って踊るだけのクズに等しいものであっても、なかには宝石のように煌めく作品もある。そして気のせいかもしれないが、インド映画ってDVDになっているものが少ないんじゃないか? ラジニ・カーント主演の映画とか、ちょっと文芸系の作品はDVDになっているけれど、インド映画の古典ともいえるラージ・カプールの映画はどうだろう。たった今、amazon.jpで検索してみたら一件もヒットしてこない。これはやっぱりまずいんじゃないだろうか。世界で一番映画をつくる国の、それもクロサワ級の監督の映画がDVDになってないなんて。儲かる映画を配給するのもいいけれど、過去の掘出物を見つけて配給するのもギョウカイ人の仕事ではないのかな。

新鮮さといえば、昨年11年目を迎えた「フランス映画祭」にはほとんど新鮮さが感じられなかった。強いて言えば席とり合戦が例年より増して過熱化したのが新鮮といえば新鮮だったかもしれない。今年はどれくらい盛り上がれるだろうか。それも演目しだいかな。水曜日と土曜日にわたしの観たい映画を上映して欲しい、というのは勝手なお願いだな。

そして、ひとり熱心に通っていた「カール・ドライヤー特集」。
これについてはもう何もいうことない。サイトの方にアップした感想を読んでもらえると、わたしがこの特集上映にどれだけお金と時間を費やしたかがわかっていただけると思う。個人的には無声映画が一気に観られたのでよかった。白黒映画はやっぱり大画面で観るとその良さがすごくよくわかる。カール・ドライヤーの場合、ツボの作品はDVDになっているので、これからでもおそくない。

また、この特集上映を企画した朝日新聞社が、今度は「ヴィスコンティ映画祭」をやるらしい、という情報を某掲示板で読んだ。ヴィスコンティといえば、昨年上映された65年の『熊座の淡き星影』が記憶に新しい。個人的にはこの監督にはあまり思い入れはないのだけれど、この手の初期の作品だったら観たいなと思う。


2003年をふり返ってみる(3)


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