魔法の空間


桜が一気に開花した。

先週は飲み会続きで、あまり桜の木を見る余裕もなかったから、
普段の風景がいきなり華やいだのに驚いた。
季節の変わり目には敏感な方だと思うのに、それに気付かない。

やっぱり、余裕がなかったのかな。

過ぎていく季節と、それに追いついていない自分の心。
アンビバレントな感情を味わう。

桜はとても不思議な花だ。

クリスマスやお正月よりも、桜の開花予報が私の心を一番ウキウキさせる。
一世を風靡させる、その優雅さと潔さ。
その一瞬の存在なのに、誰もの心を魅了し、支配する。
素直に心を預けられない自分がいたり。

車の中で、そんなことを考えた。
隣に居たのが、君で良かった。

今日の晩餐はあまりにも、絵本の中に惹き込まれたような魔法の空間
すぎて、夢と現実の区別がつかなくなってしまった。

来年、私はどんな思いで桜を見るのだろう。

2004年03月29日(月)