■ 2008年11月29日(土)
ブロークン
新宿テアトルタイムズスクエアにて。
2008年サンダンス映画祭正式招待作品。
「フローズン・タイム」のショーン・エリスが仕掛ける
美しきシンメトリーサスペンス。
内臓逆位やカプグラ症候群などの耳慣れない言葉と共に
散りばめられた伏線が秀逸。
鏡像への恐怖をうまく利用した作品。
音楽や効果音が少なく、
息遣いが聞こえてくるほど静かな画面。
自分自身であるはずの鏡像が
実は「鏡のなかの自分」という別の人間であること。
印象的だったのは、ジーナの弟の恋人が自宅の鏡を覗く場面。
その姿を鏡の裏からも捉えているのだけど、
そこだけ切り取ったように明るい鏡に向かって
離れたところから一気に迫っていくカメラワークだった。
まるで鏡のなかの彼女が現実世界の彼女を目がけ、
ほとんど光を見つけたかのような勢いで移動していくように。
鏡のなかの彼らにとって、
外界との接点である鏡はそれこそ光だったのだろうと思う。
現実世界の自分を乗っ取ろうとか殺してしまおうとか、
最初からそういう意思を持っているのではなくて、
「光」を目指し続けた結果の悲劇だったのかもしれない。
それでもこの映画はこわかった。
数日間、鏡を直視できなくなるくらいに。
『ブロークン』
監督:ショーン・エリス
主演:レナ・ヘディ
2008年/イギリス・フランス/原題 The Brøken
オフィシャルサイト
http://www.broken-movie.jp/main.html
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Arranged + Written by
カノン
+--- Material by AMANE(RainRain) + Skin by
caprice*
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