■ 2002年11月18日(月) 
なんでもない日常会話のなかで突然、ほしいものはなにかとかどうしてほしいのかとか訊かれたとき、なにも答えられないし思いつけない自分は実はすごく貧しいのかもしれないと思う。

そんなの、考えたことがない。

嘘。考えようとしたことがない。

ほしいものなんてきっとたくさんある。
新しい靴とか気になってる本とか誰にも邪魔されない空間とか。
だけどただの物欲でもできるなら全部、自分の手でつかみたいから。
靴も本も一ヶ月働けば普通に買える。なくても我慢できる。
与えられるものじゃない。
まして、空間とか時間とか才能とかならそれこそ自分でなんとかしなきゃ。

だから。

あなたからほしいもの、あなたにしてもらいたいことなんてなにもない。
私は私でがんばるからあなたはただそこにいてくれればいい。
気持ちだけ、はっきりさせていてくれれば問題ない。

そういうのがたぶんいままでの恋愛スタンスで、それを特別不自由だと感じたことはなかったけど、あの人を不安にさせて追いつめた原因は結局そこにあったんだろう。

私がほしいもの。してもらいたいと思うこと。
誰かに、たとえば彼氏から「与えてもらいたい」と思うもの。
どうして浮かばないんだろう。些細なものひとつ浮かばない。

いつから放棄したのか覚えてない。

それとも。
本気でほしくてしかたがないものはまだ見つけられていないから、なにも浮かばないんだろうか。
だとしたらやっぱり、私は貧しい人間なのかもしれない。


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Arranged + Written by カノン
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