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2011年07月31日(日) トリウム熔融塩炉と理科離れの本当の恐怖
トリウム熔融塩炉と理科離れの本当の恐怖

先月か先々月「たかじんのそこまで言って委員会」で初めて「トリウム原発(トリウム熔融塩炉)」を知って、 その後購入した「原発安全革命(古川和男、文春新書、2011年)」を読んだ。 今までの原発は原理的に設計に無理のあるもので、 燃料を固体から液体に、 ウランからトリウムに、 大型から小型に変えることで安全な原発を普及させる道があることを筆者は訴える (しかもその道の向うに筆者の究極の目的がさらにある)。 このような原発が何故世の中にまだ知られていないのだろう? しかもこの本は初版売切れ後2ヶ月ほど再版されなかった(今アマゾンで在庫を確認、嬉しい)。 もっともっと読まれてほしい。

福島の事故で問題になっているものの1つは放射性物質の拡散である。 なので放射性物質が如何に人体や生物に危険であろうと、 どんな甚大な事故が起きても、 飛び散ったり流れ出したりせず一箇所に固められれば原発はかなり安全なものになるのでは、 そしてそのような原発は造れないのか?という発想が出るのは自然なことのように思える (トリウム熔融塩炉なら可能)。 しかし実際はそれは世間にまず見られず、 単に原発の存続か廃止かという暴力的とも思える議論しか見ないことに恐怖を感じた。 これが理科離れの本当の怖さと私は初めて知った。 それは科学の知識の不足ではない、 発想の欠如なのだ。

私も原発のような高度な専門知識を要する(と思われる)ものは専門家や技術者がちゃんと扱うから問題無いと思って、 福島の事故まで原発には今まであまり関心を持たなかったことを反省している。


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