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2005年08月28日(日)
ふたつの宿場

翌日は、信州・北国街道の海野宿へ。
明治時代に宿場の機能は失われましたが、宿の広い部屋を利用して
養蚕・蚕種業を始めた家も多く、古い建物がそのまま残っています。
長短2本ずつ交互に組み込まれた美しい格子と出桁造りが特徴で、
屋根には“気抜き”と呼ばれる養蚕用の小屋根が乗っています。


お昼はすいとんとくるみおはぎ。
店の脇の無人販売で野菜をいくつか買いました。



帰りに中山道、奈良井宿に寄りました。
妻籠や馬籠は何度か訪れたことがありますが、ここは初めて。
木曽路で一番栄えた宿場だけあって、馬籠、妻籠よりも道幅が広い。
なだらかな坂になった約一kmの家並みは、今も人々が日常生活を営んでおり、
屋根の高さや軒の張り出しも不揃いなのが観光的に作られた町とは違った趣。


ここで興味深いのは“鎧庇(よろいひさし)”。
桟木の下に屋根板を重ねて敷くという造りが鎧の襞のように見えるため、
そう呼ばれるのだとか。
逆さ釘と吊り金具で支えられた庇は弱く、泥棒が足をかけると
崩れ落ちてしまうというおもしろい構造なのです。
写真ではちょっとわかりにくいかなぁ。