世界お遍路 千夜一夜旅日記

2006年12月17日(日) 大竹伸朗の全景

18切符のシーズンとなった。
土曜の午前、よい天気。
本やおにぎり、おやつ、などを持って電車に乗り込む。
今年は雪がないが、さすがに県境の山々は白い。
美しい。
景色を楽しみながら本を2冊読了の頃、上野着。
歌舞伎座が取り壊されてビルの歌舞伎座に変身するかもというネットの記事を読んだので、久しぶりに歌舞伎座の一幕見席へ。
何と立ち見であった。
ま、冨十郎さんが久しぶりに神霊矢口渡のワル役だし、人気はわかる。
それでも、相撲は、外人さん力士が多くなって閑古鳥なのに、歌舞伎の盛況はうれしいこと。
で、極悪非道とか人非人とか、歯切れのいい美しき歌舞伎言葉を聞きいてうれしきかな。
歌舞伎座の3階席も天井桟敷席も私が歌舞伎にはまって、月に2回3回と通っていた頃と漂う空気変わらず。
その後川崎は鷺沼へ。
元同僚にして何十年来の友人たちと会食。
奈良研と称して、いっしょに奈良へ休みになるとあそびにいっていた仲間だ。
なつかしくてたのしい時間だった。
我が旧友さんたち、ありがとうございました。

友人宅に泊めてもらって、本日日曜は「大竹伸朗の全景」へ。
何としても見たかった美術展。
木場の東京都近代美術館、バブリーな頃にできた贅沢な美術館で私すきな美術館です。
おもしろかった。
時々見かける伸朗さん(こんなに親しくよんでいいのか?笑)の、おかしたのしの気配のある、しかし実に前衛なアートの全容がものすごく楽しめた。
彼はすでに価値のないもの(つまりはゴミです)を拾い集めてもらい受けて、それに全く別の価値を付加して存在感を際だたせる。コラージュの名手であるが、しかし、そのデッサンや絵もするどくて繊細だ。一方で、ジャリおじさんのような絵本大賞をもらったはちゃめちゃ系の(わたしこれだいすきですが)作品群がある。
一番笑えたのは「女神の自由」像だ。
太っていて自由の女神に全然似ていない巨大な女神様。
デブでも似ていなくてもそれは「女神のかって、自由でしょ」というこの作品笑ったぜい。
ついうっかり、新潟のパチンコ屋のシンボルマークになっちたものをもらい受けて仕事部屋の転がっていたのがアートになった。
で、そのそばに自動演奏する「満艦飾廃物楽器のボロ屋台」みたいなのがあって、
そこで耳がおかしくなるようなノイズィな演奏をするんだわ。
伸朗さんご本人は大まじめで音をミキシングしていて、それもまたおもしろかった。笑えるんだよね。この明るさ(とわたしが感じているんですが)、おもろさ、好き。
というわけで、11時15分くらいに入って、夕方4時頃までいた。
ほんとは今治の友人の娘ちゃんが青山で個展をしていたのでそれも拝見する予定だったんだけど、ついにいかなかった。
こちらはまたこれかも機会ありそうだし。
とりあえずは「伸朗さん全景」を堪能してかえってきた。

また明日からガンバろっと。




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