世界お遍路 千夜一夜旅日記

2002年12月04日(水) 熊野古道小辺路越え 最終日

5時45分おき。
雨である。
音を立てて降っている。
本当は7時過ぎにはでるつもりだったのだが、あまりに強い雨足に様子をみる。
外も明るくなった7時20分過ぎにしたに降りてでる支度をした。
旅館の主人が玄関先で心配しながら見送って下さった。

柳本橋を渡り、右折、しばらくの林道。
やがて「熊野古道小辺路越え」の立派な標識が出てきた。
もはや「毎度おなじみ」状態の急坂である。
古道入り口7時50分発。
石畳があるが、雨で濡れていると滑りやすい、気をつけながら登る。
今日の道は大正年間に据えつけられた西国33ケ所の観音像が道中にある。
それにしても毎日よく登らされて下さることである。
雨で湿気を含んで身体が重い。とにかく最初の20分ばかりがつらい、どうしてこんなことやってんだろだろ?の気分になる。
ぐさんは、今日の道が「果無越え」というので、おびえていらっしゃる。
「果てがないの?」ということで。
イヤ果てはありますよ、でも伯母子が一番きついのですから、あれにくらべれば・・といってはあるのだが、さてさて、である。
よれよれどっここいと40分、果無集落という家が数軒固まっている景色のよいところへ。一軒の家からおじさんが出てきて「今日はじきに雨が上がるで、がんばり」と励まして下さった。
8時半。
朝、ちゃんとトイレに行って来たにも関わらず、お腹の具合がおかしい。
愚さんにお話ししてお休みで待っていてもらって藪に。(トホホ)
下痢でした。
愚さん「温泉で一時的にそうなるよ、キョウコさんなんかもそうみたいよ」
なるほど。宿の温泉は流し湯、正しい温泉だと思ったのだが、効いたのだ。
その後どうなるか、心配だったのだが、以後は大丈夫でした、やれやれ、ほっ。

雑木の気持ちよい林や杉林が入り交じる中を登る。
雑木林は、私の好きな朽葉色の葉を落としていて気持ちいい。
時々西国の石仏が静かに微笑んでいる。
足を止めて拝むとまた足に力が戻るから不思議なものである。
途中の休憩で愚さんに熊の足跡が、それも通ったばかりのものがあったから気をつけて、といわれた、恐か!
観音堂着9時45分。お参り、小休憩。
ああよかったと思うまもなくまた急坂が続く。
マジにすごい坂。
上がまだ見えない、参ったね。
「果無」とは誰がつけたか知らないが、その通り、すごいネーミングである。
よれよれ状態で10時半、果無峠着。
観音堂からの40分、本当にきつかった。登り切ったとき、身体が燃えるように熱かった。
雨は上がっているが滴はおちるし、ぬれているので今度は下りですべらないように気をつけねばならない。
この坂もすごい下りであった。
果無越え、脱帽。
途中でシバちゃんからの電話。
あら、迎えに来てくっるの・と愚さんに言われて彼はハイ・・でも時間が・・状態。いいよ、お迎えいりません、ご心配ありがとうといって電話を切った。
本当に心配をしてくれてありがとうでした。

下の七色集落が見えてきたところ、5番の観音様の目で12時45分、昼食。
1時30分八木尾バス停、国道168号着。
愚さん、ここで、自販機からホットココアを買って飲んでご機嫌である。
よかったです。

途中真新しい「熊野古道道 道の駅」でトイレ休。
2時半過ぎにまた林道へ。
林道を登り切ったところに見覚えがあった。
なんと5月の古道の中辺路歩きの時に歩いたところだ。あの時は九鬼の関所をでて伏拝に向かったのだが、今回は逆に本宮、払所王子に向かう。
1年のうちに2回もこの道を歩くことになるとは思わなかった。
少し感慨、そしてびっくり。
土道になると足が俄然元気になる。
愚さんに途中で「急いでいるね」といわれたが、足が勝手に動くのだ。
本宮に着く手前で、愚さんを待っていたら、泣いて見えた。
「初めなんだけど、前にこの道、歩いたことがある、なつかしい」という気がして泣けて仕方なかったのだという。
「前世で歩いてお参りされたのでしょう」
と私。
3時30分。本宮着。
お参りをして御朱印をいただく。
帰りの電車の時間を聞きに社務所に行ったら、もう今日は横浜には帰れないと言う。ええ??まだ4時ですよ。
「この辺、不便なんや、とまったらいいやろ」
「明日、アムステルダムから人が来るので帰らないといけないんです」
と私。
ほうか。
ということで、社務所にいた宮司さん、時刻表やら、バス表やら総動員。
なんと、ついに夜行バスの予約がとれるかまで電話して下さった。
2人、池袋までOK。予約した。
ありがとうございました。
ご親切に深々と御礼申し上げて辞した。
すぐに、大斎原(おおゆがはら)へ。
「すごい気だね」
「でしょ」とわたし。
「ここに来ないと、熊野の本宮に来た意味がないんですよ」

その後、4時半バス停へ。
大急ぎで支度を変えて、バスに乗る。新宮へ。
新宮で、銭湯を聞いてお風呂で体を温めて汗を流し、お寿司ヤサンへ。
愚さんと熊野までの歩行(ほぎょう)満願おめでとうの乾杯をした。
私はずっと飲みたかったビールを我慢していたのでビールの大ジョッキを2ヶプハー、してしまった。
美味しかったです。甘露、でした。
8時バス乗車、私は、即、爆睡。


コースタイム
宿発7時25分 古道入り口 7時50分 果無集落過ぎこし8時30分 観音堂9時45分 果無峠10時30分 八木尾バス停1時30分 熊野本宮3時30分



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