おひさまの日記
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2010年04月08日(木) 人間天使

えみやさんは天使とか見えるんですか?
と、聞かれることがある。

見えません。
きっぱり(笑)
いや、見られるなら見たいんだけどね、見えないだけ。

でも、人間天使なら時々見る。

この前も、出かけようとした時、人間天使に会ったよ。

アンナのお迎えに行こうと、
家のカーポートで車のエンジンをかけた時のこと。

ウチは通り沿いにあって、しかも交差点から2軒目、
いっつも車がぶんぶん走ってるからすごく出づらい。

その日も信号待ちの車がずらっと並んでいた。
そして、ちょうどウチの出口に、
バイクに乗った茶髪でロン毛のおにーちゃんふたりがいて、
ブンブンブンブン、ブブン、ブーン、ブブブーン!!!
って、エンジンふかしてるわけだ。
しかも、バイクはチャラチャラした感じのカスタム仕様。
彼等が目の前にいていい感じにふさいでるので、
車の鼻っつらも出せない。

あーあ、もうちょっと気をきかせて、
少しだけずれてくれればいいのに、
ったく、ブンブン言わせてうるさいし、
チャラチャラして感じ悪い…

と、冷たい目でおにーちゃん達を見てた。

次の瞬間。

ひとりのおにーちゃんが私を見てにこーっと笑うと、
もうひとりのおにーちゃんをつついて合図し、
ふたりして下がって道をあけてくれた。
そして、何度も頭を下げて、
手で、どうぞ、どうぞ、って、やるの。

ハッとした。
私、何見てたんだろう、って。

おにーちゃん達は、
道をあけてくれたお礼に私が鳴らしたクラクションに、
また、笑顔とぺこりでこたえてくれた。

目頭がじい…んと熱くなった。
それは、彼らに感動した涙でもなく、
彼らをそういう目で見てしまった自分を悔いて責める涙でもなく、
そういうのを通り越して、崇高なものに出会った時に出てくる涙。

私はそういう人達を人間天使と呼ぶ。
いいこと、素敵なことをするから、そう呼ぶんじゃなく、
ある時、何かの出来事の中で目の前に現れて、
カチッとスイッチを切り替えるから。

一瞬で、自分の中のいちばん素敵で美しい場所に、
戻してくれるから。

バイクのおにーちゃん達もそう。
私の中にある色々なぐだぐだを、
スコールで洗い流すように一瞬でキレイにして、
なんて言うんだろう、こう、元の場所に戻してくれる。
そう、ここだよ、ここ、って場所に。

人間天使は、普通のその辺の人、おそらく(笑)
そして、自分が私にそんな瞬間を与えてるなんて知りもしない。
その人はごくごく普通にただその時その人のままそうしているだけで。

この世界にはそんな人間天使がいっぱいいる。

あれ、知らなかった?
これ読んでるあなたも人間天使だってこと。
私は特になんにもしてないし、と思うかもしれない。
いや、してるんです。
自分じゃしてないつもりでも、素のままで何かしてる。

私ってダメだな…と思うことがまったくない人なんて、
きっといないんじゃないかと思う。
たとえ、自分がそういう状態の時でも、きっと誰かの人間天使。

救われたことがある分、必ず誰かを救ってる。


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