おひさまの日記
日記インデックス|前の日の日記を読む|次の日の日記を読む
台風一過で抜けるような青空。 強くて、眩しくて、焼け付くような、でも気持ちいい陽射し。 いつもはユウウツな単なる家事のひとつの洗濯でさえ、こんな日はワクワクする。 きれいに洗い上がった洗濯物を、元気いっぱいの陽射しに預ける。 みんな風に吹かれて気持ちよさそう。 私も一緒に太陽の光と風をいただく。 ちょっと得した気分になる。
夕方、ベランダでしばらく泳いでいた洗濯物を取り込む。 カサッとした感触、木綿の服のシワ、パリッと乾いたんだなぁ、って感じる。 両腕いっぱいに洗濯物を抱えると、いい匂いがした。
これはきっと、おひさまの匂い。 元気な太陽の光がくれた匂い。 なんだか懐かしいような、やさしい匂い。 お母さんの匂い。
金魚のフンみたいに母親について回っていた私も、今では一児の母。 洗濯干しにぶらさがった小さなパンツや靴下を見て、少し、くす、と笑った。
心を少しだけゆっくりさせて感じると、きっと、そこらかしこにある、おひさまの匂い。 太陽の光と仲良くなった洗濯物の匂い。 体いっぱいにその光を浴びて背を伸ばす草の匂い、木の匂い。 空気の中の季節の匂い。 そして、汗をかいたみんなの頑張る匂い。
生きてるって捨てたもんじゃないと、ふと思うのだった。
|