おひさまの日記
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2002年07月11日(木) おひさまの匂い

台風一過で抜けるような青空。
強くて、眩しくて、焼け付くような、でも気持ちいい陽射し。
いつもはユウウツな単なる家事のひとつの洗濯でさえ、こんな日はワクワクする。
きれいに洗い上がった洗濯物を、元気いっぱいの陽射しに預ける。
みんな風に吹かれて気持ちよさそう。
私も一緒に太陽の光と風をいただく。
ちょっと得した気分になる。

夕方、ベランダでしばらく泳いでいた洗濯物を取り込む。
カサッとした感触、木綿の服のシワ、パリッと乾いたんだなぁ、って感じる。
両腕いっぱいに洗濯物を抱えると、いい匂いがした。

これはきっと、おひさまの匂い。
元気な太陽の光がくれた匂い。
なんだか懐かしいような、やさしい匂い。
お母さんの匂い。

金魚のフンみたいに母親について回っていた私も、今では一児の母。
洗濯干しにぶらさがった小さなパンツや靴下を見て、少し、くす、と笑った。

心を少しだけゆっくりさせて感じると、きっと、そこらかしこにある、おひさまの匂い。
太陽の光と仲良くなった洗濯物の匂い。
体いっぱいにその光を浴びて背を伸ばす草の匂い、木の匂い。
空気の中の季節の匂い。
そして、汗をかいたみんなの頑張る匂い。

生きてるって捨てたもんじゃないと、ふと思うのだった。


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