鈴木めぐみの徒然マンガ日記
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2003年06月24日(火) 生原稿

私がいつも楽しみにしているのが、現代洋子さんのHP の日記。
倒産した出版社が自分のところで預かっていた漫画家の作品(ダンボール数十箱はあったらしい)を、作家に無断で某有名古書店に売ってしまったというからびっくり!

ハード系レディースの第一人者・渡辺やよいさんが気づいたことで表面化したんだけど、弘兼憲史氏の初期作品なんかもまじっていたとか。詳しくは渡辺さんの日記 に書かれてますが、読めば読むほどすごい話で、「そんなのありなのぉ!?」と憤りながら、HPをチェックするのがすっかり日課に。

何がおそろしいって、盗品ということがわかっても、店側には一切の責任がなくて、たとえばまだ売れていない作品を、作者本人が返還要求をしたり、誰が売ったかや店に現在どんな作品が売られてきたのかを明らかにする義務はないんだってこと。渡辺さんは、自分の作品が大量に売られていることに気づいて引渡しを求めたんだけど、自分で自分の作品を買い取る以外になす術なし、というのはどんなもんなんでしょう?

店側は、どうも盗品と知ってて(でも法的にはなんら責任はとらなくていいということで)、販売しているらしい。まんがを商売にしていて、まがりなりにも会社組織をとっているなら、もうちょっとまんがに愛があってもいいんじゃないかなぁ〜と思う私はまだまだ甘ちゃん?

それに、今回は倒産した会社の人間がやったわけだけど、たとえばどんな大会社で、99.9%の社員がマンガを愛して一生懸命働いていたとしても、もしも、たった一人の不心得者が作家の生原稿を持ち出して店に売ってしまったら、たとえ作者本人でも、それを取り返すにはお金を払って買うしかないってことで。法律って何!?って気分になっちゃうんですよね。
今回被害にあった作家は青年系の方たちですが、これがたとえば大島・竹宮・萩尾作品だったら……(ここで、自分の一番お気に入りの作家さんの作品が……と思うと、その怖さが実感できます)。おそろしくて考えたくもないです。特に週マ時代の大島作品なんて、未収録のものがいっぱいあって、もし原稿が個人の手に渡ってしまったら、それらの作品が何年か(何十年か?)後に復刻される可能性も完全に断たれてしまうことになる。やっぱりそれって犯罪(刑事責任はなくても道議責任として)だと思うんですよね。

これって絵画でも一緒なの?マンガだからってことなんでしょうか?うむむ……。

井出智香恵 さんが立ち上がったことで、かなり状況は動いたようですが、まだまだどうなるのか予断を許しません。願わくば、売られてしまった作品たちが、作家さんの元に返りますように。


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