低いかきねの向こう側

2002年02月05日(火) 今日は小説風に。

今日はある雨の日。

ここは夜10時頃の電車の中。
とある2人の男が並んで座っておりました。

1人の男はシャーペンを取り出してイヤホンなど聞きながら
なにやら作業をしていて、
もう1人の男は呑んだ帰りのご様子で、
お顔が赤い。

そんなお互い面識のない2人は、
本人達でさえ気づかないような事態に巻き込まれるのでした。


それは2人を乗せた電車はとある駅に到着しようとしたときの事。

階段が近いせいかその場所は乗り降りが激しい。

降りようとする人々が次々と立ち上がるそんな中、

『カラカラカラカラ・・・』

と、何かが床に転がった様子。

ふと下のほうを見れば、
そこにはなにやらキャップのような物が。

誰かが落としたようだ。

なんだろう?と思い、ふと目で追いかけていると、
そこで顔を赤らめたほうの男が手に取った。

どうやらこの男もこの駅で降りるらしい。

今日が雨を降っていたせいもあり、
その男は、自分が立ち上がったときに、
傘の先のキャップが落ちたのではないかと思って、拾ったらしい。

でも自分の傘の先に異常はなく、

「なんなんだろう?こいつ・・・」

そういった面持ちで、頭に「?」をいくつも浮かべながら、
電車を降りてゆくのでありました。


やがて電車はその駅を発車する。

するとなにやら周囲をきょろきょろする人が現れた。

さっきの男のとなりに座っていた男だ。
右手にはキャップのないシャーペンを握っている。

ジャンパーのうちポケットやら、鞄の中やら、
自分の座っている周辺を入念に何かを探している様子。

あれだ。

きっとさっきのキャップを探しているに違いない。

けれどお探しのキャップなら、
先程男の方が持っていかれましたよ?

でも、そんなことには全く気づかないその男は、
イヤホンをはずし、本格的に捜索を開始。

そうして果てのない、キャップ探しが始まったのでした・・・


残念なことに次の駅で降りることになっていた私は、
その終焉を見届けることが出来ませんでしたが、
なんとも皮肉なお話です。

目前にあまりにも滑稽な寸劇がお披露目されたので、
ご紹介と致します。

冒頭には「ある雨の日」とは書きましたが、
まぁ、当然のことながら、今日の出来事でしたがね。


+++風邪通信+++
相変わらずと言えばそんな感じです。
ついにマスクははずしました。
普通の生活は送れてます。
のどの調子はいまだ不完全ですが。
ただ体育も普通にこなせたことですし、
回復も近いでしょう。


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