七転八倒 〜彩音の日常&育児日記〜
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2007年04月17日(火) きっと大丈夫

実は今日も、気持ちを乱すようなできごとがあった。ほかの人から見れば、なんてことないできごとかもしれないけど。

息子を歯医者さんに連れて行って、診察が終わった頃から精神不安定になっていて、待合室でひっそり泣いた。
そのまま乗った電車もバスもめちゃくちゃ混んでいて、私の精神を乱した。
そして帰宅して起こったできごとに、私は取り乱して泣いた。
気にかけなければいけない実家の母親に電話して、私の方が泣きついてしまった。
どうしてこんなにダメになっちゃったんだろうと、母に言いながら情けないほど泣いてしまった。

涙を止める薬があるなら、いっそ飲んで止めたいくらい泣いた。
旦那と息子が寝てからも、まだ涙は止まらなくて、こもって自問自答していた。

昔からそうだった、最後は自問自答して、自然に自分を落ち着かせていたことを思い出した。

ふと気がつくように、私が鬱になる前を思い出すものを引っ張り出して、ひとつひとつ手に取って眺めてみた。
そしてどんどんさかのぼって、昔を思い出してみた。
仲良くなる人には共通の文字だけじゃなく、日にちもあるってことに気がついた。
誰かから初めて来た手紙の消印と、誰かの誕生日が同じ日だったり、誰かと初めて出会った日が、誰かの誕生日だったり。
それを言葉で表すとするならば、「縁」なのかな、って。

優等生で負け知らずで、何でもできると思っていた自分しか知らなかった。
その昔から今になって教えられるものがたくさんあった。
負け知らずだったから見えなかったものを知り、もろく崩れてしまう自分の弱さを知った。

今日、母に初めて言われた言葉、「(優等生だった)昔のことはもう忘れなさい」。
それは今の私がダメだという意味ではなく、できていたことが年を重ねるとだんだんできなくなっていくものだから、
できていた自分のことをあえて忘れなさい、という意味だ。
かつて「昔のあんたはあんなに輝いていたのに」と言った母が、初めて私に言った言葉だった。
そしてもう一つの言葉は、私の存在価値を教えてくれる言葉だった。
「本当は味わえなかったことを、あんたはお母さんにくれたんだから」
子供が産めなかった母が、私を養女にしたことで母になれたという意味だ。
今までどんな他人に言われても実感できなかった。頭ではわかっていても。望まれてもらわれて行ったんだから。そう言われても、
「味わったことのない奴にはわからない」って思っていた。
でも、母に言われることで、自分の存在価値をやっと見出せた気がする。
「こんなあたしで苦しませてしまってごめん・・・」って母に言った後に言われた言葉だったから、よけい泣いてしまった。

息子が毎日必ず絵を描いている。今日学校に迎えに行った時、廊下に貼られていた自画像を見て、
思わず笑ってしまった。どう見てもマンガっぽいタッチだ。
今日もおえかきした紙を持って帰ってきた。絵を描くことが好きみたいだ、息子も。
息子から、私自身の愚かさを気づかされたり、自分と同じものを持っていることに気づかされて、
しみじみとうれしい気持ちを感じさせてくれたり、やっぱり息子も、縁あって私の息子として産まれてきてくれたんだと、
なんだか今日は深くそう思った。

だからきっと大丈夫。どんなに泣いても。最後は自問自答して精神を落ち着かせられる力がある限り。
それはどんな薬よりも効く薬だから。たぶん力は残ってるはずだ。そう信じて疑わない自分も残ってる。


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