七転八倒 〜彩音の日常&育児日記〜
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2006年10月17日(火) 私にも同じ要素がある。

息子のことで笑えるような話が出たので、それを日記に書こうと思っていた。
まさに「こっからのうなってしまわんうちに書いとくねん」の世界なのだが、PCも2台ともふさがってて、
私もメモを取らずにいたら、たかだか1時間前のことなのに、すっかり忘れてしまった。
思い出せない。海馬にすら残ってないってこと?残ってたとしても引き出せないってこと?
自分の記憶力の衰えに焦りを感じる、最近。

先週あえて見なかった「僕の歩く道」を見た。見るのが怖かった。でも見てしまった。
どの人の言うことも間違いじゃない、何が正解かなんてないんだよね。
この人にはこういうことを言っても伝わらない、そんなことは、しょうがいのあるなしに関わらず
日常にあふれてる。
でも私は傷つくのが怖くて、自分から線引きをしてしまう。自分のことも息子のことも。
自分の経験外のことは、人はやっぱり深く理解はできない。悲観的に言ってるんじゃなくて。

時々人間をやってるのが嫌になる。別に自殺願望はない。でも嫌になる。いろんな欲を求める人間が、
自分自身含めて嫌になる。

息子のような発達障害は、特別に病名があるわけじゃない。あえて病名をつけるなら、軽度知的障害という名前。
自閉的傾向もあると言われてるけど。

でも私も、昔から息子と似た要素を持って生きてきたと思う。
何をするでもなく、星空を見てるのが好き。夕暮れになって、羽田に離発着する飛行機の黄色いライトを、
二階の窓からずーっと見てるのが好きだった。
「家に帰って何してるの?」って訊かれたこともあったけど、「別に?ぼーっとしてる」って答えるだけだった。
だって、ベランダで2時間も3時間も星空を見てるとか、飛行機のライトを見てるとか、わざわざ左右逆転した字を書いてみるとか、
写植(活字って言う方がわかりやすい?)そっくりな字を書いてみるとか、そういうの通じないでしょ、たぶん。
ただ「変わってる」って思われるだけで。
中学生の頃、休み時間一人の時は、英和辞典をずっと読んでるような私だったし。
「5分間でこれを覚えてテストします」と先生に言われて、その通り覚えて全問正解して、他の人から変人呼ばわり
されたこともあったし。

あ、また脱線した・・・。

息子は何か言いたいけど言いにくい時、言おうと思うことを我慢する時、よく指で何か字を書く。
指を動かして字を書くような動作をするということで、実際に紙に字を書くわけではない。
こういうことも、他の人から見たら「何か変」だと思われるだろう。でもよく考えたら、たぶん私も十分似たようなことを
きっとやって生きてきたんだと思う。

息子の字は上手くはないけれど、私の字のクセを見て「おかーさんの『お』や『う』はヘンだ」と言う。
かきかたを習ってるから、ヘンな形の文字は気になるようだ。私も小さい頃はそうだったような気がする。
最近はほとんど文字を書かない生活だから言われないけど、↑にも書いたことも関連するが、私の字はよく
「活字みたい」と言われた。実際に明朝体やゴシック体の文字を書くのが得意だった。要は模写が好きだということだ。
文字にしても絵にしても声にしても。

息子の字は、模写になってたらもう少しマシなのだけど、絵だけは模写をするようになってきた。
先日描いたぜんまいざむらいは、かなり特徴をとらえていたし、親バカだけど、似てて上手いと思った。

他の子を育てたことがないから比較しようがないんだけど、息子は寝る時、枕元にたくさんのおもちゃを置く。
私から見たらその種類はただぐちゃぐちゃにしか見えないのだが、息子はいつも選んで置いている。
他のミニカーとかの区別はつかないのだけど、プラレールのトンネルの2つのうち1つは、必ず持って行く。
2つは置かない。1つだけなのだ。レールもミニカーもそれぞれ別のカゴに分けて入れてあるのだが、
その中からいくつかずつピックアップしているようだけど。息子なりの何かの法則があるんだと思う。
枕元に置くのはたぶん、寝る時淋しいから、小さい女の子がくまちゃんと一緒に寝る感覚に近いんだろう。

私にもいまだに破らない法則がある。洗濯物を干す時、どのピンチに何を干すか決めている。
それは外側に厚手のもの、内側に薄手のものという、乾かすのに効率的になるように干しているだけなのだが、
息子のズボンはここ、靴下はここ、というように。10連ハンガーも決まってる。いちばん外側は乾きにくいもの、
内側は薄いものだけど、その中でも厚いものと薄いものを交互に干す、とか。
以前は、洗濯機から洗濯かごに移す順番まで決めて出したり、洋服の色に針金ハンガーの色を合わせていたりした。
そして必ず、一つ一つをデカいピンチで竿にくくりつける。ハンガーをかける金具が竿に付いていても、
そこに引っ掛けてもさらにピンチで動かないように止める。

アパートに住んでいた時は、ベランダが狭くて洗濯物が網戸や窓、ベランダの手すりに当たるから、
洗濯前に必ず全部拭いていた。毎回窓拭きと網戸拭き。今の私にはたぶんできないけど。
そして、エアコンの室外機の上やサッシの溝まで全部拭かなければ、洗濯物を干せなかった。

私のこういう病的なこだわり方や細かさが、息子のこだわりに色濃く影響しているのだと思う。遺伝的にも。

「僕の歩く道」を見て、そういうことを思い出した夜。
なのに相変わらず、楽しかった話題はいまだに思い出せてない。(-_-;)


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