みーちゃんの最近のお気に入り。 それは、パンチで穴をあけたあとのあの丸い捨てる部分。 保育園で、それをコツコツとためていたようです。 おむかえに行ったときに、 広告で折ったマスの中に、そのため込んだおびただしい数の丸いのを、 得意げに私に見せてくれました。 「わぁ、すごいねー。ビーズみたいー。きれいだねー」と 私は、大げさに感心してみせました。
なんと、みーちゃん、それを「家にもって帰る」というではないですか。 すぐさま私の頭の中には、 家の中がどんな状態になるかという未来予想図が浮かび上がりました。
「ねぇ、みーちゃん、それ、大事でしょう。 保育園においておいたほうがいいんじゃない?」と提案してみました。 でも、みーちゃんは「もって帰る」と聞きません。 私は「見ていないときに捨てよう」と心の中で思いました。
保育園から駐車場に向かうほんの数十メートルの間に、 風が強くふき、その丸いのが少し飛ばされました。 それだけで、ショックをうけているみーちゃん。 「やっぱり保育園においておこうよ」 「ダメ、もって帰る」 これは、しばらく捨てられないなぁ、と思う私。
そして、家に帰り洗濯物を片づけたりする私の近くで、 うっとりと丸いのをながめるみーちゃん。 そのあと、丸いののことをすっかりと忘れてしまった私でした。
そして、翌朝・・・。 起きてみるとやっちゃんが寝ていたところに 丸いのが散らばっているではないですか。 布団の横の台の上には、ぺちゃんこにつぶれた広告で折ったマスが・・・。
そう、洗濯物を片づけていたあのあと、 みーちゃんは、そのままテレビの台の上にあのマスをおいたのでした。 そして夜、布団を敷いて寝ているうちに、 台からそれが落ちて、寝ているやっちゃんは それを知らずに下敷きにしてつぶしてしまった・・・。
ところで、やっちゃんは寝るときには、いつも半袖と短パン。 広告などをパンチしたあとのものらしい丸いのたちは、 当然、やっちゃんの身体にたくさんはりついたようだ。 階段、廊下、玄関。 あちこちに丸いのが落ちている。 お風呂好きなやっちゃんは、夜と朝、二度もフロに入る。 お風呂の中にも丸いのがプカプカと浮いていた。
さて、起きたみーちゃんは、 マスがつぶれて丸いのが散らばった様子を見て、泣きだした。
夜、帰ってきたやっちゃんにそのことを話していると、 すでに立ち直って面白がっているみーちゃんが付け加えた。 「お部屋にも玄関にも丸いのが落ちてたよ。 世界中に丸いのが散らばってるー!」
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