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『 あたしは、戦争を、知らない。』 重いな…。この事実は。 おばあちゃんは、知っている。 満州に行っていて。まだ、23、4歳の頃。 私の母が、そこで生まれてて。 へたしたら、あたしなんて、影も形もありません。ええ。 『残留孤児』になるところだった、うちの母。 たまたまの、偶然。 満州の日本人へ、配布される食料。 2人じゃ食べきれないからって、うちのおばあちゃんは、地元の人に、おすそわけしてたって。 でも、それで、同じ日本人に、色々言われてたって。ひどいこと。 でも、おばあちやんは、さらりと言うのよ。 「だって、食べきれなくて、腐らしても、勿体無いじゃないのよ。あるもんは、あるんやし。」 なんて、合理的。(笑) それとも、お嬢なのか? でも、それで。日本が負けたとき。 町に、地元の軍人が、乗り込んで来て。男の人は、殺されたって。 でも。日頃、お世話になったからって。うちのお爺ちゃんを、家にかくまってくれた、地元の人。 「この家には、日本人の男の人はいない。」って。 おばあちゃんは、それでも、さらりと言うのね。 「そうよ。あれで、うちらは日本に帰ってこれたんやけん。お爺ちゃんおらんかったら、お母さん(私の母)を連れて帰って来ることが、出来なかったかもしれん。」 それでも、日本に帰って来る途中、うちの母は、死にかけました。 で、お医者さんにもさじを投げられて。 「最後に、好きなものを、食べさせてあげなさい。」 で、 「なにが食べたい?」お婆ちゃんは母に聞く。 「じゃがいもじゃあじゃあ。」 なんですか、ソレ。v これは、ソレが、うちの食卓に出たときに、話してくれた、母の談。(笑) 「じゃがいもをスライスして。醤油で焼くだけの料理よ。」 うちでは、ハンバーグの横にソレがあった…。 「で、食べたら、元気になったんよね。」 「…!略しすぎっっ!!」(笑) ようするに、栄養失調みたいなもんでしょうとの事。 じゃがいもさん、ありがとう。あなたは、母の恩人(人じゃないってv)。 それより。やっぱり、恩人は。満州国で、助けてもらった、その家族ではないのでしょうか。 ルーツをたどれば、命のやりとりでの、ギリギリって。そこが分かれ目。 だから。そこでお爺ちゃん殺されてたら。母は、残留孤児。父とも出会わず、あたしは、ここにいない。(勿論、姉も。) ついでに、一人めの長女、生まれてすぐ亡くなっている母。 (昔は、わりと多いそう。私の知り合いにも、何人かいる。) つまり。私は、長女亡くなってないと、いないってことでしょう。 (子供、3人も生めないと言っていたから!) これは、生きていく上で、外せないことでしょう。 だから、なんだか。映画『ラストエンペラー』とか観てると。ちょっと、不思議。 当時、同じ時代を、お爺ちゃん、お婆ちゃん、の、20代。 あそこで、生きてたんだなぁ。 って。 でも、お婆ちゃん…。その美貌を、子供のダレカにわけていてくれたらっっ!! 母は時々言うのよ。 「うちら姉妹は、みんなじいちゃん似。ばあちゃんが、いちばん綺麗。」 お爺ちゃん…。みんな女の子なんだからさ…。 ついでに、孫まで女の子(もう子じゃないけど。)なんだからさ。 今でも、元気なお婆ちゃん。たとえ、アナタが牛乳飲めなくても。「食欲ないんよ〜」って言いながら、チャーハンと餃子をたいらげてもっっ。あたしらは、皆、あなたに似たかった…………。(爆笑!!) かろうじて、食欲だけは、あたしが引き継いでいる模様。 ( 食欲…。だけ。…。←可也複雑なもよう。) 満州は、母の生まれ故郷。もう、無い国だけど。そして。あんなの、無い方が、はじめから、良かったから。いいんだ。 そういう近い国ですね。あそこは…。誰かも解らないけど。語り継がれてますよ。ここで。こういう真実、あってもいいじゃないの。 |
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