即興詩置き場。

2005年11月28日(月) そして君たちはろうりん



見慣れない肌の子供が立っていて
おまえは苦しんで死ぬと囁くものだから
そんなもの
首を絞めたっていいじゃないか
結局のところ
君たちは知らないんだ
君たちは知らずに転げる
転げている、ろうりんぐろうりん
転げている
君たちは生きている

口を開くと汚物が溢れる
そんな生き物がいて
閉ざすともっと溢れることを知らない
ろうりん、ぐろう、あっぷ、
成長の端々で口の無い生き物が罪を産む
ひそやかに溶ける雪に付けた足跡のように
それは固有名詞になりきれないでいる
ろうりん、ぐろう、だうん、
うつむくな
けれどもうつむくな
それは君たちの知らない呪いになる

君たちは知らない
君たちは汚物ではない
君たちは囁かれない
君たちは苦しまない
君たちは首を絞めない
君たちは決して死なない
ろうりんぐろうりん、
うつむくな
君たちは生きている
君たちは苦しんで死なない
だからうつむくなろうりん


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