管理人です。
国外逃亡から戻って来たら、放っておいた仕事に囲まれてまさに四面楚歌。…という訳でもなく、実のところ中国と大いに関係のある職場の人間たちは中国旅行に関してはひどく寛大で、「どうだった?」などと尋ねてくれるほど。というのはきっと仕事が完全個人プレイだからだろうと思う。資料でも見つかればしめたものだったのだけれど、装丁のかっこいい本を買ったくらい。
ということで、普段の「君に届け〜」とは少し逸脱しまして、北京のお話を少しだけ。
とはいえ携帯電話のカメラで撮った画像くらいしか(面倒くさくて)上げませんので、たいしたものはありませんけれど。デジカメはやたら画素数あるだけにサイズ軽く加工するのが面倒です。気が向けばまた後ほど。
北京といえば!!
……。これで歓声をあげたのは僕らの同業人くらいで、こいつは北京を代表する老舎という小説家の書いた「駱駝祥子」という小説の主人公をモデルにした銅像なのです。王府井という繁華街の歩道にあります。「これが駱駝のシァンツか!」と。ほんのり感動。実はまともに読んだことありませんけれどね。
ちなみに老舎の作品に「茶館」という話劇もありまして、この舞台として描かれている茶館を実際に天安門の近くに建てたものがあります。「老舎茶館」といいまして、お茶と茶菓子を頂きながら、京劇などの芸能が鑑賞できます。ここに行こうとして僕はなぜか老舎記念館に辿り着いていました。これはこれで別に構わないのですが…、やっぱり茶館に行きたかったなぁとちょっと遺憾。老舎茶館はお薦めです。
もうちょっと一般的なものをお見せしましょう。
北京に(中国に?)初めて出来たコンビニ。セブンイレブンは「7−11」、コンビニエンスストアは「便利店」。天安門から少し行ったところの前門という、バスのターミナルと商店街のある、そんな辺り。この近くに北京ダックで有名な「全衆徳」という老舗があります。美味しいです。
ちなみにこのセブンイレブン、なんと、おでんを売っていました。食事前だったので買いませんでしたが、懐かしくなったのは否定しません。帰ったらおでんか肉じゃが食いてぇなぁと、しみじみ思ったものです。日本のビールやお菓子も売っていました。肉まんは一つ1元(14円くらい)。現地の物価的には100円くらいの感覚でしょう。全体的に高めのコンビニ店内では良心的な値段。アサヒビール1缶で40元くらいしてました。高っ。だってコンビニでビールが4000円で売っていたら驚くでしょう。北京人としてはそれくらいの値段です。旅行者からするとレート換算で……あ、でも高い。500円くらいです。北京ビールなんかは安めでしたけどね。
でも、やっぱり商店街で店員と交渉して買った方が安いですね。
ナイトメアビフォアクリスマスのバッグを、元値85元を31元で買ってきました。モノが良いのでこれくらいが妥当でしょう。その辺の中国産だったら20元くらいで買っただろうなぁ…。
お分かりかもしれませんが、実は僕は挨拶と値段交渉くらいの中国語は聞いて話せるのですが、一度全然分からなくてピンチに陥りました。
中国語の全くわからない友人が百貨店で買い物をしたところ、店内にずっと貼ってあったポスター「満100返66」や「満100返44」といったものに該当したようで、123元の買い物をした友人が店員になにやらカードがどうこうと言われて困っていました。
「これはどういう意味なのですか?」と問うたところ、中国の店員にしてはかなり親切に丁寧に教えてくれたのですが(中国の店員は本当に愛想が悪い!)、如何せん僕の語学力に限界があって分かりません。おまけに今回は向こうの返答に予想がつかないので尚更。上着のポケットに常備していた手帳とボールペンを渡して「ちょっと書いて下さい」と頼むと失笑された…。どうやら100元以上の買い物で、66元分買い物のできるカードをもらえるのだが、カード作るのに10元要るとか言うので「じゃあいいです」と言うと、それじゃだめだとか言われる始末。すると「カードの中の66元を使い終わったら10元戻ってきます」と書いてくれたので「那好。明白了(じゃあ良いや。わかりました)」と返事。それを早く言ってくれ!という感じです。へとへとです。低姿勢で「すいません」と「お手数掛けました」と何度も言ったら笑って許してくれました。
通訳兼案内で一緒に居た人と、別行動を取ったのが仇となりました。結局そのカードは案内してくれた人にプレゼント。つーか友人たちよ、中国語まったく知らないくせに日本と同じサービスが受けられると思うなよ…! 君らだって日本に日本語の分からない外国人が当たり前の顔して買い物に来てたら嫌な感じするだろうよ…。無知ゆえに自覚がなさすぎる。
あとは帰りの空港で、機内への酒類持込禁止のところを荷物検査されて呼び止められてしまいました。
「酒持ってないか?」「ないですよ」「酒だよサ・ケ」「ないってば」
何故にああも愛想ないかな中国人…。だんだんこっちの中国語もぞんざいになってきます。しかしよく考えてみれば前日に露天商で売っていた金属製のウイスキーボトルがかっこよかったので値切って値切って店員にすごい嫌な顔されながら1つ20元で買ったのでした。それが金属探知で引っ掛かったのだろう。
「あー多分これじゃないっすか」と取り出したら「ほら酒だ」と言って開けようとしてるので、「良いよ良いよ、開けてみなよ、入ってないから」と中身を確認してもらってやっと無事にゲートを通れたのでした。これは確かに僕が悪かった。あからさまに金属だから。
にしても中国という国は、全体的にとにかく「でっかい」です。道路とか建物とか広場とか。見渡す限り天安門広場、とか。見上げて一番上が見えないくらいの門、とか。道路が片側6車線とか。交差点とか特にすごい。
天安門〜故宮〜景山公園の、北上コースもまっすぐ歩いただけで3時間くらい掛かってしまいました。でかい。このスケールの国であの中国史や中国文化が育まれているのだな、と思うと感動しました。不覚にも北京で。(個人的に西安の方がツボ) 紫禁城の午門見て「うっわ午門だよ○○君!」と傍らの同僚にはしゃぎかけて「そんな有名なやつ?」と返されました。どうも彼は三国志オンリーらしい。午門といえば、一番外側の城壁にある城門の、南のいちばん真ん中にある門で、普通ならここを通って城外−場内を行き来する門なのです。で、中に何重もの城壁や城門があります。中国の伝統的な建築方式ではこれが幾重にもなってるほど高級な造りなのです。一般家庭でも長細い建物を四方にぐるりと配置して南から入って、中庭を通ってそれぞれの建物に入ります。近頃はマンションやアパートも多くなりつつありますけれど。
この同僚は今北京に住んでいるのだけれど、10月の連休に西安に行って来たと自慢されました。故宮博物館の脇でなぜか楊貴妃展をしていて見に行ったのだけれど、展示してある写真見ながら「これ見てきた」とか…。馬鹿野郎。僕だって行きたいよ西安。ちっくしょう。知らない間に中国語ぺらぺらになりやがって。(笑)
下らない話ばかりしている気がするので最後にちゃんとした中国っぽい写真を。
左はもちろん長城。寒かった…。携帯をなくしたかと思って同行人を煩わせた苦い思い出。結局上着のポケットに入っていた。手帳で分からなくなっていたのだったが、そのせいでろくに長城に登れて居ない。見つけた瞬間、自己嫌悪で死にたくなった。飛び降りたら死ねる高さだった気がする。危ないな。
そして右は故宮内の注意書き。ちゃんと日本語もあるんだけれど「刻まないで下さい」って…(笑)。と思っていたら、確かに所々落書きのようなものが刻んであった…。
中国の土産話はこの辺で。一応無事に帰ってきています。
特に体調を崩す事もなく、乾燥や寒さも僕にとっては大したことなく(前準備の賜物らしい)、なかなかでした。実は向精神薬を毎晩飲んでちゃんと眠っていた事が功を奏したのかもしれません。睡眠不足だったらだめかもしれない。それともちろん案内してくれた同僚のおかげ。あれが居ないと終始辛かっただろうな…。
では、また僕の愛する人のいるこの日本で、暮らしていきます。
いつもとは違った味の管理人の顔を晒してしまいましたが、たまには良いでしょう、ということで。
皆さまにおかれましてはお風邪などお召しになりませんよう。失礼いたします。
管理人
2004.11.09