もう公園の猫に構うのはやめたんだ
昔飼っていた黒猫を思い出すから
どれだけ懐いてきても
いつか居なくなってしまうのだから
愛らしい姿 一人の部屋にはもう見つからない
だから
そんな瞳でみつめないでくれ
艶やかな毛並みに触れたくなる
頭をなでたらこいつも
気持ち良さそうにニャーと鳴くのかな
いや でも ああ困ったな
あの愛しい姿 まだ覚えているのに
なあ お前
この広い広い空の下、どこかで
誰かの腕で可愛がられているのか?
なら俺ももう
違う存在をこの胸に抱いても良いか?
決して代わりにするわけじゃないけど
一人の部屋は淋しいから
そんなきれいな瞳で見つめないでくれよ
その眩しさに俺は耐えられないんだから
失う悲しみを知ってもなお
求めようとするのは愚かなことだろうか?