やはり必要なのは忘却?
笑顔の春と涙の秋の行きつく果ては
無表情の夏なのだろうか
今やっと
涼やかな風気持ち良く
そうだ
長続きの秘訣は適度な距離
あの感情は夢だったと
僕の記憶は妄想だったと…
時間が経つというのは
まるで雪が溶けゆくよう
どれだけ冷たい氷もいつかは溶けてしまうもの
生きてるか分からないだろうと言った
その時を過ぎて
君はまだ僕の前で笑ってくれた
きっとそれだけで僕は死ねる
君に会えるというのに
見覚えのある夕暮れの交差点
思い出したのは君ではない人との思い出
ほら
僕だって過去に縛られているわけではなく
君と同じく歩き始めているんだ
振りかえればそこは夏の蒼
眩しい光の中に白く霞む
それは見た事もないくらい神秘的な
網膜に焼き付けられた生きる意志
そう
忘却の果てに行きつく
一つの風景