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僕の、場所。

今日の僕は誰だろう。



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I'm on the top of the world looking down on...

ビルの屋上に立って見下ろしていた。
道を歩いている人はゴミのようで、うじゃうじゃ居た。
この中の一人くらいが居なくなっても別に構わないんだろう、この世界は。
車さえ、オモチャみたいだ。
このビルより低いビルの屋上、壁、窓、その中に居る人たちも見えた。
どれも下らない、俺には関係ない、そして彼らも俺に関心もない。
ただ、あいつらよりも空に近いのだと思うと少し嬉しかった。
このまますっと羽ばたけるような気がしていたけれど、やっぱり羽根なんか無い。
空は変な色で曇っていたから、飛べなくても良かった。
でも風が小枝を揺らすくらいで滑空には丁度良かっただろう。
そうだ、羽ばたくよりも滑空する方が気持ち良いだろうな。
こんなゴミみたい人たちに紛れて生きるなんて最悪だ。
俺だって今からエレベータを降りて地上を歩き出せば、あのゴミたちの仲間だ。
そうして、今の俺みたくしてる他のヤツにゴミ扱いされるんだ。
そんなのはどうしても我慢ならないと思った。
あの小さなたくさんに紛れてしまうのなら、いっそ存在したくない。
足元すぐの地上を見た。
庇も何もなく、地上に植え込みも車もない。
ただ歩道にゴミみたいな人が何人か歩いている。死んでから殺人罪に問われるのは癪だった。
このビルの階分だけの窓と壁の互層が見え、ちょうど透視法の参考図のようだ。
覗き込んでいた俺の首筋に冷たい雫が堕ちてきた。
危うく、「死んでから殺人罪に問われる」ところだった。
ピントを戻すと屋上の地面に斑点が次々と打たれているところだった。
薄汚い灰色と茶色の中間色は、見ているうちに濃い色に変わった。
水が反射して目障りな陰影までついている。
ゴミのような人たちはというと、走ったり、カラフルな傘をさしたりしている。
所詮はゴミでしかないのに傘程度で個性を出しているつもりなんだろう。
俺の制服もすっかり水分を吸ってしまったが傘なんて差すのは邪道に思えた。
足元に転がっていたビニール傘を一つ蹴り落とし、歩道で困っているヤツに一方的に貸してやった。
到達するまで、4秒。俺は良い事をした。
眠くなったので、雨で流された屋上に寝転がった。もちろん仰向けに。
さして勢いの強くない雨粒が体を叩く音が気持ち良かった。
最高の子守唄だと思ったので目を閉じて意識を手離してみた。


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