せめて最後くらいは静かで居て欲しかった。
すぅ、と意識が抜けていくように。
透明な世界に還れるように。
苦しんでなどほしくなかった。
知らない、知る事が出来なかったと嘆いていた。
調べる事は出来たはずなのに、気づかないふりをして。
怖かったのだろうか。
知ったのは、1つの可能性と病名。
まだ、他に見つかっていない。
言うならば自虐行為だった。
真実に近づくのは、とても痛い事だ。
ただ、その距離すら測れないのは辛すぎるから。
一歩踏み出すと、どこかには近づくが
どこかからは遠ざかっている。
これほど時間をかけて、やっとその一歩。
離れたくはなかったから。
まだ留まっていたかったから。
「逢いたい」とは違うが、やはり「知りたかった」。