心まで奪って
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いつも読んでくれる方々へ。 会社の中と言う、狭い世界のホントにつまらない回帰録です。 大した事はありません、私はこれを読んでくれている人々の方が 優れていると思います。そして、尊敬しています。
梅の花も散り始め、季節は足音を速めて春へ。 ちなみに私は梅の里と言われる地方に住んでいるが、 梅園には一度も行った事がない。
その田舎者にも異動の季節。 しがない会社員は何も言わずに従うものである。 大体、4年サイクルで事務所を移って来ている。
現在の場所も4年が過ぎた...
5年前、前の事務所で部長に噛み付いた。 課長がバカだからと。部長もバカだから、 どーしようもないコンビだった。 頭が悪い上に、仕事を理解していない。 下っ端課員の一番上だった私は、課員の総意を受けて闘った。 その結果、飛ばされたのは私だった。 本筋を考える人間より、YESマンを選んだ上司。
飛ばされたトコロは、新設事務所で4人だけの小さなトコロ。 仕事もあるわけもなく、BOOKOFFとかに全員で立ち読みに 行ったりもしていた。腐ってたのも事実、通勤も2時間を超えた。 キミなんか辞めてもらっても構わないよ、と言う姿勢だろう。 思い切りの左遷。周りの人々もそう思っていただろう、態度に出ていた。
段々と仕事が入ってきた、それも大事な仕事ばかり。 1年が過ぎ、部編成が変わり部長も変わった。
そして課長になった。 今度の部長は人間的にも仕事的にも出来る人間。 理を通せば理解してくれる。但し、凄く細かい上にうるさい。 ついて行くので精一杯だった。 仕事も狂気の沙汰で徹夜が何日も続くような忙しさになった。 会社にとって、非常に重要な地域に変わって行った。
そして、1年が過ぎようとした時に、 お前を部長にしようと思う。そう言われた時には自分が一番驚いた。
課長を1年しか経験せずに部長になるのは異例、と言うより異常。 社長も含め、上層部は全員反対と聞いた。 他のトコロの課長を10年以上経験している人間を押し込めようとの 横槍も随分と入ったらしい。
それらの反対を押し切り、部長に昇進させた人。 「現場で苦労して来た奴に任せるのが一番だろ!」との一言で。 人のやっかみ、イヤミ、嘲笑。そして、前部長に認められた驚き。 人を認めない部長と言う認識があった程の人に。 認められた事は嬉しかった、素直に。しかし、それ以上の軋轢も産んだ。
部長会議で私を飛ばした部長の前に、 「新任です、よろしくお願い致します。」 彼は笑って私を迎えた。でも、目が笑ってなかった。 私は頭を下げて冷ややかに彼を見た。それ以上は何も言わずに。 1年後、彼は子会社に転出。
そして2年が過ぎ、4人で始めた事務所は50人を越える部隊となった。 課長になった時も、部長になった時も周りに模範とすべき人を いなかったし、見つけなかった。独自のスタイルで行こう。それしか 思わなかった。仕事は懸命にこなしてきた。 部長になって、感謝はすれど、損した事も多かった。 私欲に権力を使った(笑)小さな反抗。仕事以上に女性にも燃えた。
春が巡る頃、自分が立ち上げた事務所を去る。
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