「自動改札口、ね、あれがよろしくない」 「よろしくないですなあ」 「昔はね、駅員さんがひとりひとり切符を受け取って、ぱちんぱちんとはさみを入れてね」 「その隙に足下を駆け抜けたものですなあ」 「しかし自動改札、あれはよろしくない」 「よろしくないですなあ」 「機械の目、あれは誤魔化せません」 「見ているわけでもないくせに」 「見えているのですよ」 よろしくないですなあ、と三度繰り返し、お、と呟いて男はぱたぱたと扇いでいた扇子をぱちんと閉じた。 「次ですよ、次の電車です」 おお、と相槌を打ち、発券機の前に座り込んでいた男も立ち上がった。 「さ、行きますか」 「行きますか」 目の前を忙しなく駆けて行く学生の鞄にぽんと飛び乗った男に続いて、もう一人もその連れらしき学生のふくらはぎにぽんと飛びつく。そのまま自動改札を抜けて行く学生たちと共に機械の目を誤魔化して、50センチの男たちは飛びついた時と同じくぽんと身軽に学生から離れた。 「さ、急ぎますか」 「これを逃すと次は各駅ですからな」 「急行でなくては間に合いませんな」 「あちらをお待たせするのはよろしくない」 「よろしくないですなあ」 男達はちょこまかと駆けて、ぽんぽんと階段を一段ずつ飛び降りホームへと降って行った。
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こびとのおっさんふたり。
更新に使えるほどの分量じゃなかったので日記に。大変久々にオリジナルの文章を書いたような……ってそういやおばあちゃん二人の友情の話は書き掛けでした。完成するか解んないけどもし完成したら更新します。……しないかもしれないが。(凄いだめ)
がらくた箱を短文垂れ流し用にしようかなあ。もう使ってないしなああれ……。
あ、そうそう、拍手を新バージョンにしてないため機能しなくなっていたので撤去しました。新バージョンに登録したらまた付けますが、とりあえずご連絡はメールでどうぞー。 しかし今使っている転送メールも直に使えなくなるのであった。メアドもそのうち新しいのにします。今使っているものも6月くらいまでは使えるはずですが。 そんな具合で。
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