2004年02月04日(水) |
小説「レインレイン・ボウ」/「東京湾景」/「くらのかみ」 |
■レインレイン・ボウ/加納朋子 短編連作ミステリー。 殺人があるわけでも刑事や探偵が出るわけでもない、 日常ミステリーっていうのかな?
高校時代、同じソフトボール部だった仲間達7人。 7年後、そのうちの一人が亡くなる。 まるで関連なさそうな7人の女性の物語と、 若すぎる死の真相を絡めていて、テンポ良く、さくさくと読める。 7人の女性の生き方を虹の7つの色彩になぞっているのかな? いろんな人生があって、面白い。 もちろん、死の謎も。
■東京湾景/吉田修一 東京湾岸が舞台のラブストーリー。 でも、出会いは「出会い系サイト」だったり、読んでいて 憧れる恋愛関係ではない。 身体を重ねても偽名のままだったり、 お互いあまり踏み込んだ付き合い方をしない。 そういうのって、本当はすごく寂しいことなんだけど、 結構楽だったりもするんだ。 人を本気で好きになるのは、結構難しいことのように思う。 淡々と乾いた感じの文体が読んでいて心地いい。 この恋は難しいかな?と思いながら、 くすっと頬が緩むような爽やかな読後感がありました。
■「くらのかみ」/小野不由美 作者名だけで、図書館で予約して、 ページを開いたら大きめの文字にルビが。 これは児童書だったんですね。 「かつて子供だったあなたと少年少女のための”ミステリーランド”」って いうシリーズ。
ある大富豪の相続人決めにあつまった親族一同。 そこで起こる奇妙な事件と、 座敷わらしの正体を探る、子供達のお話。 子供達の少年探偵ぶりが楽しい。 子供向けとはいえ、本格的なミステリーでした。
それにしてもこのミステリーランド、なかなかすごいな。 予定執筆陣が、 綾辻行人・恩田陸・有栖川有栖・菊地秀行・ 森博嗣・井上夢人・京極夏彦などなど・・・・。 次の刊行が待ち遠しい。
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